雨と霧とカタナ


2000年08月11日〜12日
本当は浅間をバックに撮りたかったけど、霧で見えなかった
手前がY2さんの、奥が僕のカタナ

8月11日

 小諸出身でフランスに自費留学していて夏休みに一時帰国している大学時代の友人Sと、お盆休みに広島からツーリングで長野を通るY2さんに会うため長野へ向かった。

 寝過ごしてしまい11時前に何とか出発。外環〜関越を使い上田に向かう。朝は結構渋滞していたようだけど、この時間になるとそれなりに流れるようになっていたので追い越し車線を飛ばす。
 前を走るバンのペースが遅いので後ろにピッタリと付いて抜くタイミングを窺っていると、いつのまにか後ろに白のGTRが赤い光を放っている。あちゃー、やっちまったぁ。覆面の後ろに付いて走っていると花園(一寸覚えてない)出口がある!・・・が、ナンバーを抑えられていたらヤバイので逃げずにおとなしくついて行く。
 バンに張り付いてる時に速度を計測されているだろうから、1発免停ってことは無いだろうけど累計で免停は間違いなしだなぁ、などと考えながら指示される前にさっさとバイクを降りて覆面パトカーの中に入る。
 車内のパネルにある速度計を見ると、刑事責任を負わなければいけない数値を示している。さすがにがっくりして言い訳も考えられずに受け答えしていると「車間距離不保持」で見逃してくれた。後で聞いた話だと関越はオービスの設置がだいぶ進んでいるが、鶴ヶ島を過ぎたあたりから設置個所が減るので覆面が良く走っているらしい。

東部湯の丸で見たイカした奴
実物はでかくて、不気味

 上田の友人I(ここに集まる)に遅れることを伝え、とりあえず追い越し車線は避けて目立たないように走る。気分と一緒に空も曇ってきて、松井田・妙義IC直前で強い雨が降り出したので慌ててカッパを着込んで高速を降りる。
 碓氷バイパスは予想通りガスっていて、予想以上に強い雨が降っている。無理をせず走りたいところだが標高と湿度の影響で濃い目にしてあった低開度のセッティングが一層濃くなってしまい、開けて走らないと止まりそうなのでビビリながらもアベレージがあげて走る。浅間サンラインで小諸を過ぎたあたりで雨は止み、上田の友人宅についたときにはカッパがほとんど乾いていた。途中、自転車のツアラーとピースサインを交わす。上り坂でさわやかにピースサインをくれた青年の体力に脱帽。
 Sは今用事で出かけているらしく、僕が来たことで面子が揃ったので早速麻雀を打ち始める。2局目あたりでSから用がすんだと連絡が入ったので、小諸まで迎えに行くついでに最近出来た温泉「あぐりの湯こもろ」[1]に行く。このあたりによくある内湯、露天、食堂などが揃った小奇麗な温泉施設。天気が良ければ露天風呂から千曲川を見下ろし、浅間山が一望できるんだけど夕方からの雨と霧で残念ながら街の明かりすら見えなかった。
 麻雀は大負け・・・とほほ。

8月12日

 ぐずぐずと起きた後、草笛の開店にあわせて出る(僕の好きな刀屋は日曜は営業していない)。久々の長野の蕎麦を堪能しているとY2さんから1時間ほどで軽井沢の白糸の滝に着くだろうと連絡を受ける。
 挨拶もそこそこにカタナにまたがり、北に見える浅間山が雲に隠れているのに一抹の不安を感じながら軽井沢へ向かう。軽井沢に近づくと渋滞していたため、白糸の滝はあきらめ次の合流位置に指定した鬼押しハイウェイのパーキングへ急ぐ。
 パーキングに着くと、荷物を満載したカタナが・・・当然Y2さんのものでした。鬼押しハイウェイの軽井沢から最初のパーキングからは浅間山がすごく良く見えるので、待ち合わせ場所にしたんだけどこの日はガスっててまったく見えなかった。

ちょっと汚れている位が精悍で良い
Y2さんのカタナ

 早速カタナ乗り恒例のバイク談義をはじめる。お互いファイナルエディションということもあって、ちょっとした事でも気になるのです。昨日700km以上走って今日も結構走ってきているのにY2さんはぜんぜん疲れた顔色が無い。以前、OutRider誌の諜報員(冗談です、何とか員だったんですがなんでしたっけ?)をやっていた事もある、筋金入りのツアラーだけのことはあります。
 本当はこの日キャンプをする予定だったのだけど休みが取れなかったので、キャンプ場まで一緒に行く事にする。

 途中バイクを交換して走る。バンス管はB管より良い音がするなぁとか思いながら荷物満載なので普通に走らせる。Y2さんは僕のカタナを色々確かめながら乗っていて、特にフロントのスタビライザーとYRPの補強フレームによる剛性を実感していた。やっぱりセッティングが出ていないのでちょっと乗りにくかったみたい...ごめんなさい、今度はちゃんとセッティングしてきます。

 R144を西へ向かい県道に入ってバラギ高原のキャンプ場へ向かう。この県道からキャンプ場までは楽しい感じのカーブが続いている。前を走るY2さんは路面は濡れていて荷物も満載なのにかなりのペースで飛ばすので慌てて追いかける。ちょっと迷いつつ目的のバラキ高原青少年野外活動センター[2]に到着。ここでもまたバイク談義...は置いといて、Y2さんによるとどうも東日本のキャンプ場は高いらしい。西日本だとキャンプ場なんて数百円で、無料の場所も結構あるということだった。確かに以前行った時、200円とかで泊まれた気がする。
 いつまでも邪魔をしているわけにもいかないので、挨拶をして帰路に就く。

 雨が降っていることと時間を考えて、予定していたR144を東へ進んで関越に乗るルートからなじみのある信越ルートに変更して軽井沢方面に向かう。碓氷バイパスに着くころには日が落ち、霧が出て、シールドも曇ってしまい視界が確保できないため、前を走る車のテールランプを目当てに走る(これはこれで危ない)。
 松井田妙義ICから高速に乗り、雨と寒さで硬くなった体を支えながらのたりとカタナを走らせる。嵐山PAで駐車場にバイクを入れると、キャンプ装備の水冷カタナが停まっていた。北連の旗の柄らしきものが見えたので聞いてみると、北海道から新潟着のフェーリーで帰る途中とのことだった。
 「天気予報で関東が涼しいみたいだけど、こういうことだったんですね」と苦笑いしながら空を見上げたその人が、一寸だけ羨ましかった。少し旅の話を聞いた後、少し元気を回復して家に向かった。

 今回の走行距離、530km。Y2さんの1日分よりぜんぜん少ない・・・。



[1] あぐりの湯こもろ:長野県小諸市大字大久保字中山1145番地1 [戻る]
大人500円。営業時間10時〜21時。地元の人も良く来るので結構混んでます。


[2] バラキ高原青少年野外活動センター:群馬県吾妻郡嬬恋村干俣 [戻る]
一泊200円(!)のキャンプ場。すぐ傍に温泉施設もあります。


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2001年08月21日作成
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