1日目
カタナで始めてのツーリング。走行距離は約500km、1回目のオイル交換をしたばかり。1000kmが慣らしの目安だから丁度半分終えたところで、これからは少しずつエンジン回転の上限を上げて行き、1000kmに達する頃には全開に近い状態まで回してあるようにするのが、良い慣らしの方法らしい。
エンジンをかけると、排気音というより周りの空気が振動しているような音がする。この迫力はカタナのような一昔前のリッターマシンだけのものだろう。
今回のツーリングは長野で働いている大学時の友人Iにうまい蕎麦屋に連れて行ってもらうのが目的である。Iは仕事で県内を走り回っているのでいろいろな場所を知っている有難い友達なんだけど、待ち合わせ場所に山形村の合同庁舎前交差点にあるローソンとかを指定するのはやめてほしかった。
R4、R125、R17の各バイパスから本庄児玉で関越に乗る。これらのバイパスは時間帯さえ外せれば高速並に流れていて、取り締まりもあまり見ないので金欠のときはよく使う。長野に入るとさすがにまだ寒く、山のほうは残雪があり、木の芽もまだだった。
12:30にローソンに到着(30分遅刻)。 I (車)ともう一人の友達 D は時間通りに来て待っていたらしい。 D は僕が以前乗っていたBandit400Vの現在のオーナーで、同期で入学したけどまだ卒業していないので、よく一緒にツーリングに行っている。
みんな腹が減っていたので挨拶もそこそこに目的の蕎麦屋へ移動する。山形村の蕎麦の里(だったかな?)にある「根橋屋」[1]という蕎麦屋は、普通の家に手を入れただけの店で、濡れ縁のある広い和室が食堂になっている。内装などはそのままなので田舎に帰ったようなのんびりした気分が味わえる。
肝心の蕎麦はというと、んまい!。食べたのは天ざるで\900、今回は普通の野菜の天ぷらだったけど、一月くらい前に I が来たときは、近くで採れた山菜だったとのこと。
長野の蕎麦屋はほとんどの店が東京の2倍くらいの量が出る。うかつに大盛りとかを注文するとえらい事になるので注意が必要だ。
この日は I の家(上田市)に戻り、深夜まで騒いでしまった。
夕食は刀屋[2]にカタナで行ってそばを喰いたかったのに、騒いでいたので時間が過ぎてしまった・・・。
2日目
雷の音で7時ごろ目が覚める。カタナはまだ一度も雨にさらしていなかったのに、朝から雷雨とは・・・。雨がかなり強く降っているので、これでは仕方がないと不貞腐れて二度寝に入る。
9時ごろに目を覚ましたときには快晴になっていた。夕立みたいな雨が朝に降るとは驚いた。
昨日は風呂にも入らずに騒いでいたので、 I の車に乗って近くの温泉へ出かける。「室賀温泉 ささらの湯」[3]という所で、入浴料は300円で露天と室内とがある結構広い温泉だった。
昼前の晴れた空の下で、ボケーっと温泉に浸かっていた。こういうことで「至福」を感じてしまうあたり、我ながら安上がりだと思う。
昼食をとる前に上田城に寄ってみると、桜が満開だった。東京周辺と丁度1ヶ月の差があるようだ。
昼はまた蕎麦で、「草笛」[4]という有名なお店。ここでも天ざるを注文。例のごとく量が多く、んまい。お土産に「くるみおはぎ」を購入、これまた知る人ぞ知る名物だったりする。
I と別れて上田インターから上信越道へ。 D は神奈川に一人暮らしをしてるんだけど、実家がこのへんにあり、寄って行くと言うので東部PAで別れる。
一人になったので、自分のペースでじっくりと走ってみる。行きで総走行距離が700km、じわじわと回転を上げてピークを6000回転近くまでもって行った。帰りで7000回転位まで上げていこうと決めた。幸い高速はそんなに混んでいないので、エンジンの様子を見ながら走れる。
緩いカーブを140km/hくらいで走っていると、道路のジョイントを乗り越えるショックで車体が撓るのを感じた。一寸びっくりしたけど、こういうことがあると言うのはどこかで読んでいたので、これがそうかと思った。この後で体験したヨーイングもだけど、カタナのリアクションはライダーが、その感触を理解しやすく伝えてくれるような気がする。まだ、乗っているだけでコントロールできていないけど、怖さを感じないのはこの官職のせいかもしれない。
くるみおはぎは全部家族に喰われてしまった。一つくらい残してくれてもいいのに(涙)。