ゲタありでの P55C への換装
はじめに
今回の改造対象の SV-98 model 3 は、今までの PC-9821 An や Xt と違い、比較的最近の機種ということで、ゲタ経由でも P55C を搭載することが可能です。電源電圧に 3.2v 前後がかかるのは精神衛生上、好ましいことではありませんから、この方法をおすすめします。
改造に必要な材料
この改造には、以下の材料が必要です。
- P55C(PPGA版)
できれば SL27 系でシリアルナンバー 73〜 までのものを搭載している CPU 個数に合わせて用意してください(この場合 166MHz 版でも問題ありません)。シリアルナンバー 74〜 以降は倍率プロテクトがかけられていますので、233MHz 版でなければ3.5倍速設定がありません。
- MTSA-MX
電圧を下げるためのゲタです。なにやら CPU ソケットのすぐ近くに VRM ソケットがあるのですが、MVR-MX を入手するのが困難であること、MVR-MX2 は改造しても確実に動く保証がなかったため、私は MTSA-MX を選択しました。
改造の大まかな流れ
改造は以下の手順によって行われます。
- ゲタ用の電源ラインを確保する
- ゲタと CPU を組み立てる
- CPUを載せかえる
ゲタ用電源ラインの確保
さて、ゲタ用の電源を確保する方法は CD-ROM の電源コネクタを分岐させて作る方法、あるいは HDD 用の電源コネクタを分岐させて作る方法のいずれかになります。最初から HDD が搭載されているモデルの場合には安直に分岐できるので楽ですが、フレームモデルの場合には CD-ROM 用電源を分岐させることになるでしょう。もちろん、電源コネクタを作成して、電源ユニットから直接とっても問題ありません。
ゲタの設定
次に、ゲタの設定を行います。倍率設定を 1.5 倍に設定して終了です。ピンの設定としては BF0,BF1 ともに HIGH の設定なので、MTSA-MX のジャンパはすべてオープンとなります。
CPUの載せかえ
ここまで設定したら、MTSA-MX に P55C を差し込みます。下に厚めの導電スポンジなどを置いて、上から垂直に全体的に体重をかけていくと、楽に入ります。そして、本体の CPU と載せかえ、電源コネクタを接続して改造は終了となります。
おわりに
この改造は、別に特別なことをやっているわけではありませんから、あまり参考にはならないと思います。というよりも SV-98 model 3 ならではのデュアル環境で、CPU を両方とも P55C に載せかえることも可能、という方が注目すべきかもしれません。
ただし、両方とも P55C に載せかえてしまうと、某 OS のインストールで問題が発生します。この問題については別に項目を用意してありますので、そちらをご覧下さい。
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