猫とご飯と膝小僧









 その日私はお昼寝をしていたのですが、部屋の中で猫が鳴いているのに気付いて目が

 覚めました。 家に猫は居ないのです。 でも、確かにすぐ傍で鳴いています。

 身体を起こしてみると、寝ていた私の腰付近左側に真黒な子猫がいて、みゃーみゃーと

 鳴いているのです。

 あまりに可愛らしかったので我慢できずにそっと手を伸ばすと、子猫も擦り寄って来てく

 れました。 嬉しくて可愛くて、たくさんたくさん撫でたのです。

 すると突然、頭に衝撃が。

 不思議に思って顔を上げると、そこには複雑な笑顔を浮かべた彼が居ました。

 私のすぐ隣りで胡座をかいて本を読んでいたようです。

 「なーにニヤニヤしながら人の膝撫でまくってんだ よッ!

 と、ツッコミを頂きました。 さっきの衝撃もこれだったのですね。

 私が子猫だと思っていたのは、黒い服を着ていた彼の膝だったのです。

 「なんでもなーい ねぼけたなり――――…」

 私は恥ずかしくなってふにゃふにゃと答え、顔が見えないように彼の足に隠れました。





 何時の間にか寝ていたようです。

 ふと気付くと彼は居なくなっていて、勿論元から彼は私の部屋になんて来る訳がないの

 ですけれども。

 みゃーみゃーという鳴き声が相変らずしたのですが、私のお腹が鳴っていたのですね。

 きちんとご飯は食べなくちゃいけません。

  





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