第三のお客 |
カーモウタの村でハマッシたちと別れて単独行動をとっていたハルーシは、遠征隊の出発を見届けると大急ぎでハマッシたちとの合流地点を目指した。 一方のハマッシたちは遠征隊から付かず離れずの距離を保ち、偵察兵の目を巧みに避けながらハルーシが戻って来るのを待っていた。 ハルーシは僅かな目印を頼りに巧みに偽装された合流地点に辿り着くと、辺りを警戒しながらハマッシたちを探した。 「待たせたな、兄貴。」 「おぅ、ハルーシか首尾はどうだった?」 ハルーシの無事を確認するとハマッシは大きく息をついた。 「あの村の長老と大王の話はなかなか興味深いものだったよ、おそらくこれから先の事態にも関わってくるかもしれない。」 そう言うとハルーシはキロサトール・ミーロの家での出来事を全て話した。 「ふむぅ、そいつぁ確かに面白い話だな、だがこっちも面白い話があるぞ。」 ハマッシは意味ありげな笑いを浮かべて言った。 「何だい兄貴、勿体ぶらずに教えろょ。」 「お客だ、グリーンペペ部隊が来てるぞ。」 「そいつぁ愉快な客だな、で兄貴、奴らは本隊と合流したのか?」 「いや、本隊との接触も避けているから独自行動のようだ、もしかしたら大王も知らんのかもしれんぞ。」 ハマッシは急に真顔に戻ると声を落とした。 「ニオうな。」 ベニテング部隊に次ぐ実力を持つと評されたグリーンペペ部隊が、しかも本隊には秘密に動いている。 「あぁ、奴らを使うとはエノキンもなり振り構わなくなってきたな。」 ハルーシは暫く考えた後に呟いた。 「いずれにしろ邪魔だな、半分ほど消えてもらおうぜ兄貴。」 「おいおい、接触は控えろと隊長に言われてるだろハルーシ。」 「だから事故で消えてもらうのさ、奴らの弱点は先刻承知だからな。」 「そうだな、奴らは夜に弱い。」 そう言うとハマッシはニヤリと笑い、部下に次々と指示を出した。 そして日が傾き始めた頃、部下は次々と何処へか姿を消した。 「それじゃ兄貴、事故を用意しに行くとしようぜ。」 「あぁ、事故をな。」 そう言うと二人も何処へと消えていった。 |