第伍話「野麦峠でゴ〜っ!」 1998年8月8日午前3時30分 |
コンビニでその先と思われる北陸の地図を購入した。 ここからは団長自ら操縦を担当していた。 これで一応目的地がはっきりした。七尾ってこんな所にあったのだ!(行く前に調べろっつ〜の) コンビニの駐車場に停めていたとき、すでに副団長の動物のよ〜な鋭い嗅覚が何かを察知していた。 「その時は妙だとは思いましたが特に気にはしてなかったですねぇ、客の事情なんかいちいち考えていたらこんな商売やってられませんよ」 (プライバシ〜保護のため音声は変えてあります)(=^o^=) 夜も明け始めた上田市でうすら笑いをうかべ、松本市を目指した。 この時はよもやあのような恐ろしい事件が起こるなど夢にも思っていなかった。 地図で調べると念願の野麦峠はコ〜スから完全に外れていた・・ 誰だ?野麦峠に行きたいなんて言ったヤツはぁ・・・ミケくんだった。 これからは山道に入っていき急坂とトンネルの連続だった。 最初のバイパスの料金所で団長の技が炸裂した。 お釣りを受け取り忘れたのであった。ボランティアスペシャルG3であった。 なぜか前のクルマが詰まって来た。数台の車が数珠繋ぎになっていてよく見えない。 なんとデッカイ木材運搬車がゴバゴバ爆煙をたてて走っているではないかっっっ! てめぇ〜か人工渋滞野郎!またもやピィ〜ンチ!『カニカニ団』っっ(ピンチじゃない時ってアルのかっっ?) だが緑深い山あいの景色は素晴らしかったが、そんな物見遊山などという余裕は『カニカニ団』に許されなかった。 あたかもそれは、水戸黄門の「物見遊山じゃ無いのだぞ!」たしなめられた直後のうかっり八兵衛状態であった。 夜も白んで参りました。 うんざりするほど山道を走ったあと、腹は減るし眠くはなるしでやっぱ高速に戻った方がイイのではということになった。 それ以前の問題として道が分からなくなっていたのだ・・・ 『カニカニ団』の敵は自分たちでもあるのだっっ!(つ〜か自分たちしかいないと思う) 隊員達に容赦なく睡魔ぁ〜がクロ〜ルで襲ってくる。 たどり着いた高速の入り口が天国の門のように思えたものだ。 遅れを取り戻すぜぇ!とばかりにゼンソン号は加速を始めた頃にはもう金色の朝日が顔を出していた。 時計の針は6時少し手前を指していた。 その時操縦を担当していた団長が突然うめき声を発した。 「あれ〜?おかしいなぁ〜、ガス入れなきゃ、どっかで」 すぐさまチ〜フナヴィゲ〜タの色ツンが最寄りのSAのデ〜タをはじき出した。 「20Km先に松代SAがあります」 目的地まで持つぐらいの燃料を搭載してきているはずなので予定よりかなり消費が早い。 「変だなぁ・・・それよりSAまでもつかなぁ」 何気につぶやいた団長の言葉に隊員達が騒ぎ始めた。 「そんな・・バカなっっ」燃料ゲ〜ジの針を全員が見つめた。 そんな隊員の気持ちを知ってか知らずか団長のギャグが翔ぶ 「そしたら皆で押しますか・・」・・・誰も笑わなかった。 気づくと確かにゲ〜ジの針は限りなくエンプティに近かった。 みるみる隊員たちの表情に不安が拡がっていく。 「あと、SAまで10Kmです」 「了解」皆内心は穏やかではなかった。 「あと、SAまで5Kmです」 「了解、あれ少し針が戻った」 「お釣りの分だけ戻してくれたのかなぁ?」分けの分からないことで笑っていた。 「あと、SAまで1Kmです」 「了解」もうガスが底をついていた。 「あと、600mです」 「了解」緊張感が走る 「400」 「200」 「了解」神に祈るような気分だった。 本当にランディングを試みている宇宙船さながらだなとミケくんは思った。 |