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第八話「いけるぞ!いけるぞ!ゼンソン号」
1998年8月8日12時00分
一般道を走り始めてから、意外に快調だった。
北陸道のナントカ(名前忘れた)というインタ〜からもゼンソン号は順調に距離を延しつづけ、幸運にもすぐに富山に入ることができた。
翡翠で有名な鉢ヶ崎海岸で少し休息を取ることにした。
すこぶる天気が良くまさに猛暑であった。
誰の口からでもなく「泳ぎてぇ〜」という声が上がるほどのうだるよ〜な陽気だった。
サ〜ビス・エリアの庭でソバに舌鼓を打っている時、団長の携帯が鳴った。
Maroだったらヤベぇ〜・・誰もがそう思っただろう。
ところが団長のMacな弟子かららしく、なにかトラブっているらしい。
真剣な面持ちで事情を聞いている団長の表情が厳しくなっていく。
やおら「ダメだお、HFS+でノ〜トンかけちゃ〜!」と叫んだ。
こんなところでも弟子のメンド〜を見る団長の姿に一同感激!!
ここぞとばかりに周りからカニニゲンなアドヴァイスが翔ぶ!
ところで一体何回食事すれば気が済むんだ『カニカニ団』お剃るべしっっっ!
再び本線に戻り一路七尾を目指すゼンソン号は富山ののどかな田園地帯をひた走る。
最初はスバラシイっっ!と田園の景色に絶賛だった隊員たちも、そのあまりにキリがなく続きまくる田園風景に
「飽きたなっいい加減、ちゃんと進んでんのか?ホントにっっ」とか、
「あのおやじさっきも居たぞ」などガマワワの連発。
石川に入ったコトを知らせるプレ〜トを見つけると隊員たちから歓声が上がった。
ほどなく北陸道に別れを告げて・・・・さっそくおなじみ迷子であった。(一般道に弱いぞ『カニカニ団』)盛り上がって参りましたっっ!
港に寄って新鮮な魚介類を食べようという案はMaroが怒るだろうという理由で却下になり、マジメに七尾に向かうことにした。
日本海が見えた時、隊員たちから再び歓声が上がった。
先立っての大雨の余波なのかすこし濁っていたのだが、
「おおっっボンディブル〜だ」とか、
「しょこでいブル〜だっっ」とか分けのわからないテキト〜な歓声が混じっていた。
複雑な景観を醸し出す海岸線を走りながらMaroに連絡をする。
ミケくんが携帯を握っていた。
「もしもし?」
「・・・はい」
「Maroちゃんコンチャ〜〜!」
「・・・はい」ムチャクチャ不機嫌そうであった。
こんな時に限って何度も通信が切れる。その度に上記の会話の繰り返しであった。
「Maroちゃん怒ってるみたいよ」とミケくんが言うと団長は震えた声で、
「・・ヤッッベ〜〜」と言ったきりハンドルを握り締めてうつむいていた。
なんでも仕事を調整して忙しい中Sakaがずっと海で我々の到着を待っていてくれてるらしい、
もうふやけてしまっているかも知れない。
「逃げるか・・・」と冗談を言うと、
「それはマズイですよ、いくらなんでも」団長がマジでそう答えた。
ゼンソン号の中は重苦しい雰囲気に包まれていた。唯一の救いは、海岸通りの景色の異常なまでの美しさだった。
Maroが言うにはここからさらに1時間ほどかかるらしい,ということは4時七尾着だな・・・
陽はかなり傾いてきたが一向に涼しくなる気配はなかった。
ほどなく山間部に道はくねりながら入って行った。
ナナオの本社はどこだ?2,3個持って帰るかとか面白くないギャグが連発したのもこの頃だった。
いくつかの集落を抜けようやく山あいから夢にまで見た(あとで魘されるのだが)七尾の市街が見えて来た。
「おお!七尾だ」副団長が叫び声を発した。
ついに我々秋葉『カニカニ団』の勇士は七尾に着いたのだ!
長旅の疲れのせいか団長の目にうっすらと涙が浮かんでいた。
その目に映った七尾の街はまるでコンバ〜ジェンスの狂ったモニタのようだったであろう。


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