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第十四話「後ろ髪牽かれて善光寺参り」
1998年8月9日15時00分
長髪、メガネにヒゲそして細面、おおっっっ!この男は・・確かにランボルギ〜ニ南の条件を満たしていた。
『カニカニ団』の隊員からもどよめきが起こった、
「もしかして、あれSakaさんじゃないか?」
まだ距離があったのでミケくんが、そのナゾの男に歩み寄る。
野生のカンが呼び覚まされる。間違いない!この男だっっ!
ス〜パウルトラこだわりの男、そしてミケくん顔負けのマッカ〜、Saka。やっと会えた。
『カニカニ団』はこの男に会うために、ここ珠洲まではるばるやってきたのだっっっ!!(泳ぐだけでも来たケド・・・)
走り寄りながら、
「いよぅ〜いよぉ〜来たか来たかぁよく来たなぁこんな田舎まで、『カニカニ団』」
ものすごい愛想の良さだ、ちょっとイメ〜ジとは違うカン高い声、矢継ぎ早に歓迎の言葉がポンポン飛んでくる。
想像を絶するほどイイヤツだった。
「あれ〜〜もやしくんは?会いたかったなぁキャットストリ〜ムくんも来てないの?なんだ残念だなぁ〜」
しばし、その2人の話題で盛り上がった。
「きっと中坊だから宿題で来れないんですよ」と団長が笑う。
Maroは仕事をプイプイかたづけて、もうこちらに向かっているという。
照りつける真夏の太陽とともに、いやが上でも森がやって参りましたぁ!!
・・・しかし副団長の帰京の時間が迫っていた。記念撮影が始まった。
ココが燃料を吹いたトコなどと言って、御丁寧にゼンソン号のボンネットを開けて皆で指さす。
駅で撮ろうということになり勝手に駅構内にドカドカ入り込み、
すでに待機中の能登鉄道のホ〜プ恋路号(マジでこれがヨ〜ロッパ系のカラリングでメチャカッコイイ)をペタペタ触りまくる隊員たち。
珠洲飯田駅はディ〜ゼル、単線、線路脇にヒナゲシの花という田舎の駅の条件をカンペキに満たしていた。
100点あげちゃおお!メルヘンチックな駅だった。
あからさまに売店のオネぇ〜ちゃんがイヤな顔をしているのも無視し、
運転室に顔突っ込んだり列車に足掛けたりの狼藉の限りをつくす『カニカニ団』。
「怒られるまでワルノリを止めない」というのが彼らの信条であったので他の客の迷惑もかえりみず騒ぎまくった。
追い討ちをかけるように、写真撮ってくださいとか言って見知らぬ乗客に撮影依頼を申し出たりした。
その時、駅前のロ〜タり〜にMaro車が、滑り込みセ〜フで飛び込んできた。
間に合ったっっ!!
刻々一刻と副団長の出発の時間が迫って来た。
荷物をまとめて車内に乗り込む副団長の後ろ姿に哀愁が漂った。異臭が漂ったらアブナいケド・・・・
副団長も本当に無念そうであった。
目頭が熱くなった。
それにひきかえ列車の中にまで『カニカニ団』はワサワサと入っていった。
おお〜〜!あそこに座って何気にジュ〜ス飲んでるのは団長じゃないかっっ!客かと思った。
いよいよ発車のベルが鳴る。『カニカニ団』は副団長にエ〜ルを送ったのだ。
大声で何度も
「半漁人くんバンザ〜〜〜イイ!半漁人くんバンザ〜〜〜イイ!」
ドアのところで泣く振りをする副団長。
のどかな田舎の駅の雰囲気を土足でかき回す『カニカニ団』であった。
ドアが閉まるといっそう声は大きくなった。
ゆっくりと金沢に向かって走り出した列車の窓に団長がすがりつくという演出も施された。
森が去って参りました!誰ともなくいった。
駅前ロ〜タリ〜に戻りさて、4時近くなのだが、いよいよ泳ぐかぁ〜というところで、
何故か身支度をしているしょこでい。
気づくと愛車にまたがって、
「わたしもそろそろ・・」
「えええええ〜〜〜どしたんだ?しょこでい!こりからなのにぃ」
「明るいうちに高速に乗りたいから・・ごめん」
また一人重要な(キャラの強い)隊員を失ってしま馬かっっっ!
「まぁ〜しゃ〜ねぇ、見送るか」とバンザイ三唱の準備が厳かに始まる。
「も〜いいって!」しょこでいが叫ぶ。
エンジンがかかると意味もなく
「おおお〜〜!」チビっ子の集まりと化していた。
いやがるしょこでいをしり目にデカい声で「しょこでいくんバンザ〜〜イイ!」である。
しょこでいはカっとんでいった。今日中にかえれるだろうかっっっ?気をつけていけよおぉ〜〜!
そもそも、本当は今日全員帰る予定だったのだが、勝手にもう一日いようぜと誰か(たぶんミケくん)が言いだし
団長やたつゆきに半ば強引に休みをとらせた(色ツンは有給取っていた)のが、始まりだった。
ごめん皆んなぁ
6人になった『カニカニ団』は、さっそく珠洲の海岸に泳ぎに行くことにした。
ヒグラシの声に聞きいる夏の昼下がりだった。


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