第十伍話「ヘミングウェイ海岸にて・・」 1998年8月9日16時00分 |
Maroとたつゆきの車を駅に置いて、2台にブンジョ〜して海に向かった。 かの有名な珠洲ビ−チホテルが目の前にヤケにデカく夕日を浴びて黄金色に聳え立つ。 一大ランドマ〜クであった。遠くに迫る逢魔時に『カニカニ団』は追われるように、砂地の松林を抜け、 一つだけの海の家のロッカ〜で着替え隣接している海に飛びだした、日本海だっっっ! 真白い砂浜が遠くまで続く、波は穏やかで驚くほど遠浅だった。 さすがに時間も時間だし鉢ヶ崎海岸には人気が少ない。 ましてやおギャルなんて影も形もなかった。 良く言ったものよのぉ「ヘミングウェイ海岸」(老人と海しかない) 歓声をあげて海に飛び込む、いやぁ気持ちいいのなんのって! お天気もいいし爽かぁ〜だ〜ね、フ〜コ〜もメ〜ビだし プカプカ浮かんで『カニカニ団』はまるで子ガニのように波と戯れていた。 しかし誰かがビ〜ル飲もうぜ!!というや否や、皆んな我先に浜にザゴザゴ這い上がって来た。 ・・・行動パタンが相変わらず同じであった。 でも涼しげな風がサイコ〜 気づくと一人だけ特殊な格好をして沖に浮かんでる男が目に入る。 色ツンであった。 メガネやシュノケルはたまたフィンまで・・彼はそれらをツ〜ルと呼んでいたのだった。 「サザエ採って来いよぉ〜」Sakaが遠くに浮き沈みしている色ツンに大声で叫ぶ。 しばし皆んな砂浜に寝転がって陽に体を焼いた。 夕闇が迫り影が長くなった。 「腹減ったなぁ」団長の声であった。 全員一致でウマイメシをということになった。 「ちょっと待て、その前に宿を決めとかなきゃ」海岸の駐車場までの帰り道でSakaが思い出して言った。 「とにかくあてずっぽうに行ってみるか」Sakaの知ってるロッジに『カニカニ団』は向かった。 だが、夏の珠洲を甘く見てはイケナイ、そこで待っていたのは「只今満室です」のつれない返事だった。 次行こうつぎ!気を取り直してもう1軒。 ラッキ〜だったキャンセルが出たのだ。 しかしそのロッジもついていない・・・なぜならば、その予約していた客だったら ・・・よもやそんな事にはならなかったであろうからだ。 とにかく『カニカニ団』は色めきだった。フロントで前金をSakaが立て替えて、 そのオ〜トキャンプ場内に車を乗り入れた。 そのオ〜トキャンプは、丁度公園のような広い敷地に整理された区画が点在していた。 あるものはテントを張り。あるものはトレ〜ラのキャビンがついている区画もあったので、 そこで宿泊するといった具合だった。 各区画には一台分の駐車スペ〜スが付いていた。したがって一台しか車を乗り入れられないのだった。 当然のようにゼンソン号が選ばれた。操縦手はミケくんだった。 幸い我々のあてがわれた区画は入り口から近かったので皆は歩いて行った。 歩きの連中の方が早くトレ〜ラキャビン(今後、キャビン)に到着していた。 ゼンソン号はキャンプ場内でもまた道に迷っていたのである。ゼンソン号がやっと到着した。 「よし!ウマいソバを食わせるトコがあるのよそこ行こう!」と一瞬油断したとき、 その事件が起こった。 一陣の心地よい潮風がやさしく唄っていた。 |