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第伍話「不良中学生、本領発揮」
1999年8月7日01:00 日本 新宿
MBXを手際よく捕獲した一行はぬたぬたとあっちゃんの待つ「最新待ち合わせ場所」に向かった。
深夜というのに、およそ途中信号待ちでも人の途切れるということがなかった。
湿気が霧状に舞い今や不快指数もウナギ登りだった。
最初に先頭を歩いていたheadsが、それを見つけた。
「あれ、ゼンソン号がいる」
彼の指した先に視線をやると、確かに・・・あの去年みんなで仲良くお手々つないで死にかけた幻の名4WD!!ゼンソン号その人であった。
その傍らではあっちゃんと見慣れた中坊がにこやかに立ち話をしていた。
何気な真夏の中坊然とした団長が手を上げる
「シサシぶりっすねい」
デジャブーのようであった。
去年に比べ食料事情が著しく好転したのだろうか、アウトライン化したビットマップフォントそこのけに膨らんでいた。
デブジャーのようであった。
よくいえば健康優良児の団長が小躍りして皆の到着を祝っているのが離れていてもワカる。
奇しくも、今日はしょこでい三号のご生誕の日でもあった。((*^^)/。・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆ Congratulations!! しょこでい三号)
そのために、しょこでい本人は今回の能登OFF参加を見合わせていたのだった。
皆がやっと揃ったのはすでに真夜中の一時、予定を一時間遅れてのことだった。
手早くゼンソン号に各自荷物を積み込むと、お約束の記念撮影と相成った。
団長が自慢の、買ってすぐ落として修理して戻ってきたばっかりのデジカメを取出し嬉しそうに構えた。
「はいはい寄って寄って、あっちゃん隠れてますよ」「MBXさん、もちょっとしゃがんでください、済みません」
団長の容赦ない命令が大都会にこだました。
「いやいやいや、盛り上がって参りましたぁっっ」
準備はOKだっ!しょろしょろ行くべぇっっOh!  バカ軍団の旅立ちであった。
勢いよくゼンソン号のハッチを閉めると。そそくさと乗り込んだ。
慣れた手つきでイグニッションをヒネる運転手は『神聖カニカニ団初代団長』だった。
みんなにハメられて、カニを食べそこなった恨みを今こそ晴らすべく自らの存在をかけて運転手を勤めるのであった。
あっちゃんはナビシートに、野郎どもは仲良くカニカニ三兄弟の様に後ろに並んでいた。
「では、そろそろ出発しましょうか、いいですか?皆さん」団長の勇ましい雄叫びとともにゼンソン号が唸りをあげた。
「しゅっぱつぅーーう」
「おおーーーっ!!」
それは、まるでタチの悪いマグマが容赦なく麓の家々を飲み込むようにゆっくり動き始める様を彷彿させた。


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