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第二十三話「ナゾの男Yayoi現る」
1999年8月7日11:00 日本 七尾その参
しかし自然の欲求には勝てずにミケくんは一応トイレに向かった。
小用を済まして、メイン階段の下まで来たときに何故か2Fではなくて正面の入り口方面から
隊列を組んでカニカニ団がやってきた。
とっさのことに驚いてミケくんは反射的に首をすくめると柱の陰に身を隠した。
ハーメルンの笛吹きのようにMaroの後に続くカニカニ団員たち、MBXもheadsもあっちゃんも、
そして団長までも魔法にかかったように繋がって歩いている様はまるで妖しげな宗教の儀式のようであった。
夏休みで活気のあるショッピングモールは、ランチタイム目前に差しかかり客足もピークに達しようとしていた。
ミケくんは唖然としながら人込みを縫ってこちらに向かってくる隊列を眺めていた。
Maro, heads, MBX, 団長、あつこ、の順番で談笑しながら、柱に潜んでいるミケくんの目の前に現れた。
その時、あつこの後ろに異様なステップを踏みながらくっついてくる、一見人畜無害そうなメガネをかけたオッサンが
親しげな関西弁とともにやってきた。(・・・・・マサカ・・・これがYayoi?)
後ろから襲い掛かってイキナシ首を絞める予定だったが、とてもあの極悪のYayoiとは思えず拍子抜けしてしまった。
団員たちは笑いながら、自己紹介のようなやりとりをしている。今ならYayoiが油田していた。
お約束だったので仕方なくミケくんはYayoiの首を絞めることにして、柱の陰から飛び掛かるタイミングを見計らッた。
マジでコイツはYayoiなのだろーか?一瞬の心の迷いの後、その男に飛び掛かった。
「ぎゃー・・・やめろっっっ、っったく」Yayoiの叫び声が乾いたフィッシャーマンズ内に響いた。
ぐいぐい力を入れるミケくん「うはははは、思い知ったかっっっ?!」初対面で思い知ったかもないモンだが・・・
周りの一般客が叫び声に驚いて一斉に振り返るのにも構わずにミケくんは首を絞め続けた。
「やっぱりそういうヤツだと思ったっっっ!想像どおりのヤツだな」喘ぎながら振り返るYayoiであった。
「やはりYayoiさんは意外でしたねぇ、マジで」団長がことさらのようにいった。
団員達の間からも、しきりに意外だったの声が上がった。
「わはは、シト違いだったら、どーしよーかと思ったぜ」暢気にいってのけるミケくんは内心冷や汗ものだったろう。
ちなみに団長は、会う直前までYayoiのことを女だとダマされていたのだった。
とりあえず腹が減ったということで、一行はとにかく何が何でも昼飯ということになった。
結局、いちばん手じかにあって、客の回転の早そうな土産物店付属の料理屋に入ることにした。
よく考えたら、去年も廃屋満タン荘に泊まった明くる日の朝食はココだったような・・・
やにわにMBXが注文をしようと店のオヤジに話しかけると0.3秒で「食券買って」とカウンターを食らっていた。
こんな風光明媚な観光地に来てまでも自動販売機で食券を買うというのも何か妙に無粋な話だった。
めいめい寿司やそばを注文して手ごろな席を見つけて落ち着いたら、皆でビールで乾杯をした。
例によってココでもしょこでい3号ご誕生オメデトーであった。再び指3本ピースが唸りをあげる。
いいところだと、感激一際のMBXやあつこ。一刻も早く海で泳ぎたくてウズウズしてるheads
ワケのワカんない団子をほお張って笑ってる団長。
あたかも夏の珍客を歓迎してくれるかのように
これからだねι(*^^)々、本当に脳天気で楽しい能登の旅の始まりを予感した。


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