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第二十五話「信玄の毒マスカットとオニ萩の月」
1999年8月7日12:00 日本 七尾その伍
Maroの母様が麦茶をいれてくださいました。
冷たくておいしかった・・・
日記には確かそう書いてあった。
次に到着したのがクロネコだった。
いつものクロネコスマイルで皆に会釈をすると、さっそく散らかったPBを見るなりMac談義に花が咲いた。
横浜から秋葉カニカニ団とは別ルートでやって来たクロネコは朝方出発したのに昼ころに七尾についた。
真夜中に出発してさっき到着した秋葉カニカニ団に比べてメチャメチャ優秀であった。
そうこうしてるうちに、Maroの携帯にKMとたつゆきの青キップコンビから電話が入った。
「おお!なに?下に来てる?、んじゃ迎えに出るわ、待っとって」Maroがうれしそうに笑ってる。
「ぅいぅい、仙台組到着ぅ♪ んじゃ迎えに行ってくるわ」
「何?下に来てるんか?水でもかけたろかっっっっ」ミケくんの声だった。
Maroが階段を降りていって数分後に彼らはちょっとテレた笑みを浮かべて現れた。
「いよぉーいよぉーいよぉー!!久しぶりですねぇー」
団長がマルコ・ポ〜ロのように愛想よく2人に近づいていった。
ひととおり皆と再会の挨拶をすませると新参の二人の興味はすぐさまこの中にYayoiがいるという事実に移った。
「さて、どれがYayoiさんでしょう?」headsがタイミングよく叫んだ。
爆笑があたりを包んだ。
Yayoi以外はみんなお互いに顔見知りなのだった。
バレバレであった。
「これ、仙台組からのおみやげ〜、食べて」そういとKMは包装紙に包まれた箱を差し出した。
「なになに?」
床から、そしてベッドから血の匂いを嗅ぎつけた鮫さながらにワサワサと寄ってくるカニカニ団員
爆睡していたheadsの鼻がヒクヒク動いていた。
11人いるのに10個しか無いとかは全然意味をなさなかった。早いモン勝ちであった。(KM先生の小説参照)
幸いなコトに仙台組が遠慮をしたために、争い事や大きな混乱は起きなかった。
「そだそだ、信玄からの差し入れを食べよう」
Maroはノッソリと立ち上がると階下に降りていった。
それは今回、泣く泣く参加を断念した信玄の毒マスカットだった。
箱を開けるなり、マスカット特有の芳香が部屋中に漂った。
ドコからともなく歓声が上がった
「感激。おいぴー!!!ホッペ落ちそうーー」
振り返るとあつこがのホッペが落ちて転がっていた。
その後、出えるわ出るわPower Bookの嵐だった。
なにしろ腹いっぱいになって再び寝ているheadsのPB2400さえも勝手にカバンから持ち出され中身を改造され始めていた。
ふとのぞき込むとYayoiがheadsのPB2400の起動項目に『システム終了』を入れていた。
信玄のマスカットに薬物でも混入されていたのだろうか、一人また一人と団員達は睡魔に襲われていった。
窓から空を見上げると白い月が浮かんでいた、なんとも不思議な昼だった。


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