第三十二話「毎年毎年一体全体海に何しに来てるんだぁ〜〜ぁあああ、Ψ(`o´)Ψ休日の漁師かぁ〜おまいは」 1999年8月7日16:00 日本 珠洲 ヘミングウェイ海岸其の弐 |
「さて、そろそろ泳ぎに行きますかぁ」headsの掛け声に応じるように一斉に席を立つカニカニ団 「更衣室は上の階にあるよー」Sakaが陽気に上を指さした。 隣接する珠洲ビーチホテルの付属施設であるこのテラスハウスは、 海岸の景観を壊さぬようこじんまりとした民家位の大きさの鉄筋二階建てで、 一階はカフェテラスと土産物屋そして裏手にはシャワー設備があり、二階が更衣室となっていた。 今日から早速泳ごうと目論んでる者は、それから5分もしないうちに階段を駆け降りてきた。 日は傾いているとはいえ、この陽気ならまだ優に2時間は泳げるかもしれない。そのくらい絶好の海水浴日和だった。 どうしたことか、能登遠征夏冬三連覇男のたつゆきの顔が優れない・・・(たつゆきだけ皆勤賞:編集部注) 仙台組の相棒であるKMはとっくに着替えにいっているというのに、たつゆきといえば、 ただボンヤリと遠くの海を見つめてタメ息と薄ら笑いを繰り返すのみであった。 さすがに気になったSakaが、それとなく訪ねてみると恐るべき事実が彼らを待っていたのである。 水着に着替え終わった団員たちがドヤドヤと1Fの店内に戻ってきた。 そこにはSaka, Maro, そしてたつゆきの間でただならぬな空気が漂っていた。 訥々とたつゆきの口から漏れ聞こえる言葉を拾っているうちにSakaの顔つきが変わってきた。 「なんだなんだ?どしたのぉ?いったい」事情を何も知らない団員たちは怪訝そうな面持ちであった。 相変わらず、たつゆきは遠くを見つめたまま、花咲か系の笑みを湛えたままだった。 ひとつ大きくタメ息をつくとテレくさそうに頭をかいた。 「おい〜たっちゃん、どないしたん?いったい」たまらずミケくんが聞いた。 「ははは、いあや夏ですなぁ〜、夏といえば海」たつゆきの表情は、ある意味達観した老人のそれであった。 「ほうほう?」タイミング良く皆が揃ってうなずき、たつゆきに先を促した。 まるでこの浜辺の名付け親となったヘミングウェイ老人のような(おいなんか話間違ってねぇ〜か)光が目に宿っていた。 「おおっっなんかいつものたっちゃんとは違うぞ、なんか迫力がアルなぁ」団長が何気にツブやく。 「海と云えば海水浴だすな(^_^;)ゞ」たつゆきが続ける。 「ほうほう?んで?(「・・)」皆が前へズイと乗り出す。 深紅の水着を身に付けた、文字通り紅一点のあつこが、浮輪を膨らましながら「???」の顔をして見守っていた。 「・・・・・海パン、ここらで売ってませんかねぃ( ̄◇ ̄;」 バタっっ(/;¬_¬)/ ←皆コケてる その場に居合わせたものが一瞬凍りついた、・・が大爆笑であった。 海をナメとんのかぁ〜っっっっΨ(`o´)Ψ ←チョト意味が違うが 「(∧∧;)/しょ〜がねぇ〜なぁ、俺のでよかったら貸してやるよ〜たっちゃん、明日でいい?」 今年も再び兄ィの海パンの出番である。 「もちろんだす〜、今日はあまり泳げないし、見てるだけにするだす」 さすがに水着に着替えてさあこれから泳ごうとしている団員達のハシャギぶりを目の当たりにしては、 そう云いながらもたつゆき自身は決して心中穏やかではあるまい。 「さぁー行くぞーっっっ」RankerとMBXそれにYayoiは真っ先に走って海辺に行ってしまった。 日陰になっていたカフェテラス店内から一歩踏み出すと、燃えるような太陽と灼熱の砂浜が彼らを待っていた。 |