アニマアニムス序文


今、医学生理学の進歩によって多くの

人体に作用するホルモンが見つかっています。

愛情、友情、信頼、恋愛などに作用している

と言われているホルモン、

オキシトシンなんかも

その一つです。

今や医学生理学と心理学は

切り離せない関係になっている。



ただそんな生理活性物質だけでは

心は生まれない

猿にだって春は来ます


青年期なみに生理活性物質の整った赤ちゃんが

いるとしてもその赤ちゃんに青年期の具体的な

心が生まれることはありません。


体にも心にも発達段階があります。

言葉を覚えその言葉を頭の中で使い

思いを具象化したり

言葉を発信して周りの反応を確かめたり

指や視覚などで一対一対応を認知したり

物事を思い浮かべたり、

単純に快、不快の反射、他

そのような学習や経験で獲得したものにより

心の奥底にある衝動(エネルギー)を

具体化し友情、信頼、恋愛、他のイメージを

つくりあげ行動してゆきます。



そんな無意識(深層)の奥底に潜む

巨大な生命エネルギーを

フロイト自身はリビドー(性的エネルギー)と考え

そしてそれを現実に調和させようとしている

ものを自我と考えた。

そんな個人的な自我から

一人ひとり違う多種多様な心が生まれる・・。


ハイ !

そんな面白くないややこしい前置きはここまでにして

ここはどこ 私はだれ ?


さて本題です。


人間にはなぜ二つの性があるのでしょうか。

男らしさ女らしさはどこからくるのでしょうか。


その疑問に古代の賢人はこう考えていたみたいです。


<男女は元々一体であった。>

<両性具有者、ギリシャ語でandrogynos
=アンドロギュヌス>

すっきりしてて分かりやすい考えですね。


実際、釣り人なら馴染み深い釣り魚のベラなどは

簡単に性転換しています。

その他の魚も、ある種の昆虫にも

一つの性でも繁殖できるものは一杯います。



ではどうして人間は2つの性になったの ?

(実際は男と男、女と女そして
アンドロギュヌスと3つの性があった)


古代ギリシャの哲学者プラトンによれば

慢心し偉そうになったアンドロギュヌスは

神によって引き裂かれて

男と女に分けられたと考えていたようです。

そうしてお互い元に戻ろうと惹かれ

求めあいさまよい一つになれない悲しみに

抱擁を覚え恋が生まれ友情が生まれ孤独が

生まれました。とさ

切ないですね。



以上はギリシャ神話の話です。

日本の神話にも似たような話はあります。


ではここでまたユングさんの登場ですが

ユングはそんな古代の東西文明を調べているうちに

ほとんど交流もなかったはずなのに

同じような神話が遠く離れた文明地域に

なぜか存在しているのを不思議に思っていました。


そしてある日治療室でクライアントの無意識の

世界を呼び覚ましていると

突然クライアントがある神話とそっくりな

話をはじめるではありませんか !

そのクライアントは古代の神話などまったく

知りません、それなのにです。


えっ !


そこでユングははっきりと確信しました。

無意識の奥底には閉じ込められた

全人類共通の経験と過去があると

私にもあなたにも


それをユングは個人的無意識のもっと奥底にある

人類がみな持っているものとして
(人類の遺伝子レベルに記録されている)

集合的無意識と名づけました。

まるで幼い頃、父から聞いて夢にも見た

ギリシャ神話のトロイの遺跡の存在を信じほんとうに

発掘したシュリーマンの話のようですね。



その集合的無意識内には陽に向かっているものと

反対側にできるシャドー(影)とか

外の世界に向けられた ペルソナ

内側にあるこれから話そうとする

男性の中にある女性性、女性の中にある男性性
(アニマアニムス)、他

(人類がみな持っている集合的無意識の中の
共通した型を元型といいます。)

などなどが認められています。

人類はみなどこかで繋がっているんですね。



序文のくせして長くなりましたねー

ここまで到達された方、ごめんなさいね。

少しだけでも役にたつよう

頑張りますね。



では、ありがとうございました。

|一つ前へ(あまりにも個人的なページ)| | TOPへ戻る|