北へ 六


2003年07月12日〜08月07日
函館の夜景〜膀胱パンク寸前
函館(デジカメ)

 7月27日

 珍しく寝過ごして8時に起床(発電機がうるさくて寝付けなかった)。インスタントラーメンで朝食を済ませて、BMWの人と挨拶を交わして出発。ぱっとしない空の下、キャンプ場から洞爺湖を時計回りに進んで有珠山噴火記念公園へ。北側の駐車場にバイクを停めて(\100)遊歩道を歩く。噴煙を上げる火口や町の被害の有り様がありありと分かるが、ここは火山の脅威や被害に遭った人たちを悼むよりむしろ商売にしてしまう人間の逞しさを感じよう。

有珠山の惨状
国道が・・・

 洞爺湖沿いを少し戻って昭和新山へ。こっちでも駐車料金百円を取られる。全景は道道981からの方がよく見えるがここからは本当に身近に昭和新山が見れる。元理科少年としては三松正夫記念館も興味があったが、なぜか落ち着かなかったのでパスして伊達市街を目指す。

 伊達市外に入りセイコーマートでコインランドリーの場所を尋ねると、伊達市にコインランドリーそのものはないが伊達温泉内に併設されているとの事なので早速向かう。当然洗濯中は暇なので温泉(\370)にはいる。湯が温泉というだけの風呂。Gパンが生乾きだったが、休憩所のようなところでカラオケ大会をやっててやかましい上に空きもないのでそのまま長万部へ。

そこそこ見えてる
静狩峠から

 R230、豊浦〜静狩間は豪快なワインディングが続く。北海道もこの辺まで南下すると植生が違うのが一目でわかる。静狩峠のトンネルを抜けると内浦湾に面した緩やかなカーブを描く海岸線が見渡せる、というのは曇りの日に見た僕の妄想だけど晴れていればすばらしい展望だろう。畜生。

 ゲップが出そうな海岸線の道を走り、長万部の物産センターでやっているランチバイキングにぎりぎりで(11:00〜14:30)滑り込み、お目当てのカニ飯と体が求めていた野菜を880円以上を目指して詰め込む。メジャースポットだと思ってたのにガラガラだった。勘違いだろうか?

 曇天を回避するため、R230を西に向かい北檜山へ。三桁km/hくらいで快走している地元の軽自動車が居たので、ネズミ捕りも無いだろうとさっさと北桧山市街へ。市街といっても広くは無いので、目に入ったセイコーマートでジンギスカンともやし一パックを購入。真駒内ダム公園キャンプ場に行こうとするもダム方面の標識が無く、交番もないが警察署があったので道を訊く。

 キャンプ場が公園内にあることを教えてもらっていたので迷わずキャンプ場に到着。既に3組ほど地元の家族連れが居るが静かなサイト。オートサイト(駐車スペース+サイト)でキレイなキャンプ場だが無料。なぜか羽アリが大発生していて、虫が嫌いな人には耐えられないくらいの羽アリがテントにびっしりとまとわりつく。ジンギスカンをやってる鍋にもたまに飛び込んでくるので箸でつまみ出しながら夕食。羽アリは完全に日が沈んで灯火が点くとそちらに集まったが、あちこちからコガネムシ、ハナムグリ、クワガタ、カゲロウなど夏の定番と言える虫たちが現れる。虫好きにはお奨めのキャンプ場だった。

 7月28日

熊?海が綺麗
親子熊岩R288から函館を望む

 6:30に起床し、インスタントラーメンを啜ってから出発。山手で寒いR229を南下し、海岸線に出る。この辺はけったいな形の岩が沢山あるが看板が小さく、親子熊岩だけしか見れなかった。晴天で海は青い。

 江差で開陽丸を見る。本物の開陽丸は慶応四年に江差沖で沈没していてあるのは再建されたもの。戊辰史に興味があって幕府側の詳細に詳しい人以外はあまり面白くないだろう。展示にはなかったが、北海道の旧幕府軍が万国公法に基いて捕虜に捕虜としての待遇を日本で初めて与えたと言う事は公には語られない敗者の歴史として知ってもらいたい。それはそれとして人見勝太郎の写真があるのに伊庭八郎の写真が無いのはどういうわけだ?

 さらに南下して松前へ。特に見るものも走り込めるワインディングも無いが、適度なカーブと山と海を一時に目にできる景色の中を行くのでまったく飽きない。北海道唯一の藩である松前市街は予想より小さく、城跡も遺構が少なく博物館もあまりみるべきものが無かった。地味な城主の資料よりもアイヌとの交易や戊辰戦争に関する資料を置いて貰いたいところだ。

 行き止まりの海岸線を行こうと思っていたが、今晩はまず晴れるだろうと函館に向かう(神の子池と函館の夜景はどうしても撮っておきたかった)。R228をひたすら函館方面へ向かうが木古内を過ぎたあたりから交通量が増えてなかなか進まない。ようやく函館市街に入り(これがまたごちゃごちゃしてる)迷いつつRHミートハウス(\900)に不要な荷物を置いて、そのままロープウェイ乗り場へ向かう。値段はバスより高いが僕は煙と同じで高い方が好きなのでロープウェイで函館山の山頂へ。

 展望台で17時過ぎからひたすら日没を待つ。まだ誰も居らず、風をモロに受けて寒いし、置き引き注意の張り紙なんかがあってうかつに動けない。19:30頃からようやく夜景といった感じになり、その30分ほど前から一気に人が増える。場所取りの判断は間違っていなかったがあまりにも早く来すぎた自分が空しい。完全に日が沈んでから30分ほど写真を撮っていたが、便意に耐えかね撤収する。

 ミートハウスに戻ってから銭湯に行き、同室(というより僕以外唯一の泊り客)のチャリダーの兄ちゃんと野宿と炊飯について熱く語り合ってから就寝。・・・と言いたいところだが、オーナーの知り合いが集まって騒いでいたので気になって眠れなかった。

微妙な一枚
函館山の夕暮れ

 7月29日

 函館〜大間のフェリーで本州に戻るつもりなので、もう少し函館周辺をうろつく事にする(天気予報で東北地方が2,3日雨なので)。函館市街を離れR278で恵山方面へ向かう。暫く走ると曇り空になり恵山のあたりでは濃い霧に。亀田半島は恵山以外にあまり面白そうなところがないが、この霧では観光もままならないので素通りして海岸線を北上する。

 南茅部町の川汲を過ぎるとしばらくの間漁村の中を走る狭いルートになる。一人で鉛色の空と海に挟まれて走るには少々辛い。そのままガスってろくに見えない駒ケ岳を半周してR5から南下し大沼公園へ。大沼、小沼を周回するルートはレンタサイクルが多くて気を使うが結構良い道。残念ながら沼を望める場所は木が多いため意外と少なかった。

沼っぽい
大沼

 このままでは函館に戻ってしまうので、道道96〜R227でうずら温泉に行く。途中、ダムに沈んだ稲倉石古戦場跡に立ち寄り、駐車場がやたら広いうずら温泉へ。400円を払い(確かタオルとか貸してくれたような・・・)設備がシンプルな温泉に浸かりながらどこへ行くか考える。ここまで来てしまうと北上する気にならないし、戊辰の史跡を訪ねたくても何も調べて来なかったしでいい加減本州に戻るしかなさそうだった。

 道の駅あっさぶまで足を伸ばして牛乳ソフトを頬張ってからR227を引き返し、きひじき高原のパノラマ展望台に登る。国道からの牧場内の道は他もそうだが走ってて楽しい。しかし残念ながら展望台は霧の中で何も見えない。ここでキャンプをしようと思っていたがまだ15時過ぎだし有料なので、少し南にある無料の上磯ダム公園のキャンプ場に泊まることにして道道96を南下する。

 細かい道を抜けて上磯ダムへ。キャンプ場は駐車場から少し降りたところにあり、草が深くやや傾斜しているが全体的にきれいだった。北海道は有料・無料を問わずゴミ捨て場所が無いキャンプ場が多いがここは使用済みのガスボンベも捨てることができる。テントを設置して食事の支度を始めた頃から雨が振り出す。テントを立てた後でなのでまだ良かったが、たばこが飲めないのが少々ツライ。ラジヲで天気予報を聞くと明日の昼には止むというのでやや心安らかに眠りに就く。

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2004年 1月 8日作成
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