北へ 七


2003年07月12日〜08月07日
最果ての灯台
尻屋崎灯台にて

 7月30日

 目が覚める->雨の音を聞く->眠るを繰り返して、9時ごろの目覚めで雨が止んだようなので起きる。相変わらずインスタントラーメンで朝食を済ませ、テントが乾くのを待って撤収。せっかくなので微妙に残ったガスボンベを無理矢理空にして、手持ちの工具でボンベに穴を空けて捨ててから出発。

 函館フェリーターミナルに立ち寄り、明日の朝イチの大間行きのチケットを買う。当日も空きはあったがラジオでは東北はまだ雨と言っていたから。

水飲み
こんな物まで五稜郭

 一昨昨日は函館山に居座りつづけて翌日直ぐに発ってしまったので再び函館市街に行き、市内を観光する。とは言えロクに調べていないので真っ先に頭に浮かんだ五稜郭を見る。城好き(マニアとは言えない)なので城跡を歩くが面白くない。これは当然で五稜郭は周囲どの方向から攻められても十字砲火を浴びせる事を目的とした形状が特長であって、それ以外は取り立てて何もないから。その形を堪能するために高い金(\630)を払ってタワーに登る。ちょっと後悔。

 近くのお土産屋で昼飯代わりに好物のバターサンドを喰う。美味。ちなみに昼飯の記述が無いときは昼抜き。ツーリングのときってあまり昼飯喰わないんです。

 地図を見て立街岬へ。曇天でパッとしないが海岸の景観は見ていて飽きない。岬へは一方通行で、帰りの道は木が覆い被さる狭い道で面白い。途中で榎本武明が建てた碧血碑に立ち寄り手を合わせる。駐車場が無いからか訪れる人も無く草茫々。観光スポットじゃないし歴史マニアとか旧幕好きとかじゃなければ来ないだろうから当たり前と言えば当たり前か。

デジカメじゃ厳しい
ナントカ教会

 ふらふらと緑の島に行ってみる。地図を見てたら面白そうだったけど、実際はなんにも無くつまらない。たばこを何本か灰にした後、面倒になってライダーハウスライムライトへ。前後して到着したFZの人とコインランドリーまで歩くが、教えられたあたりにランドリーが無く散々歩き回る。途中で同じライダーハウスに行く途中で迷った人を案内したり、一昨日別のライダーハウスで会ったチャリダーと再会したりする。

 この日も夜景が見れそうだったがフィルムもタダじゃなし、函館山に登るのもタダじゃなし、と言う事で夕食ついでにライトアップされた教会を何枚か写真に収めて早めに就寝。


 7月31日

 5:30起床。今まで何とか持っていた体調がまたおかしくなりだした所為で眠りが浅い。荷物を載せて出発。途中コンビニで朝食を摂りフェリーターミナルへ。かなり早く着いたので整備でもしようと荷物を下ろしていると、サンダルを忘れたのを発見し取りに戻る(さらに本州に渡ってから気が付いたがシェラカップも忘れていた)。結局整備は時間が無くてチェーンの給油しか出来なかった。

下りなかった
仏ヶ浦

 フェリーでは昨日同じ所に泊まったライダーと今後の予定や昨日のRHの居心地が悪かった(あくまで主観です)事なんかを話す。時間通り大間に着き、一人大間岬に向かう。やや霞んだ函館山を見ながらこちら側(本州)に来た事を実感する。地続きなので帰ろうと思えば直ぐに帰れる場所。何かあっても大丈夫だと思える安心感があるけど、どこか日常に繋がっているような微妙な感覚。

 R338を南下。佐井あたりまでは集落を縫うように走るがそこからは森と海の中を走る気持ち良いワインディング。人気が無く、孤独な感じが心地良い。もっとも雨とか夜とかに走ったらヘヴィだろうけど。脇野沢で県道175号を西に向かう。行き止まりの九艘泊まで行き、これ以上進めない事に満足して引き返す。


 陸奥手前で北上して恐山へ。外輪山を越えると一種独特の景観が広がる。まぁカルデラなんだけど、カルデラ湖があり休火山のガスの噴出口があってかつカルデラ内に降りられるという非常にレアな場所だ。500円払って菩提寺の地獄めぐり(だっけ?)をする。石が積んであったり看板があったりするが、それがなければ亜硫酸ガスの噴出口そのもので、興味はそそられるが面白味はあまり無い。宇曽利湖は田沢湖同様強酸性で独特の色彩。

恐山♪
宇曽利湖と大尽山

 尻屋崎を目指して快適な県道6号を東に走る。尻屋崎は農場の中にあり17時までしか行けない。既に16時を回っていたので岬を見て、寒立馬を写真に収めてそそくさと立ち去る。結構良い所だっただけに少々心残りだ。馬はそこら辺に放し飼いにされているので道路上に居るのはまだしもウンコが至る所に落ちてるので注意が必要だ。

尻屋崎逆光の寒立馬
尻屋崎から寒立馬

 大間崎のキャンプ場(無料)に行くつもりだったが面倒になったので野研野営場(\500)で済ますことにして西日をモロに受けながら津軽海峡沿いを走る。野研野営場はそこそこ山の中にあるので、距離はともかくお疲れ感でいうと大間崎に行くのと変わらなかったかも知れない。

 やや草が深いサイトにテントを張り、フェリーターミナルで買った五島軒の函館カレーを食す。具が多く美味。少しバイクで行けば温泉(無料のと有料のがあるとの由)もあるのだが、久々に本州の細かい山道を走った疲れで動くのが面倒になりそのまま就寝。

 8月 1日

 6時前に起きてインスタントラーメンをすすっていると、何台か軽トラックが来てなにかしている。何をしているかと思ったらイカ刺しを振舞っているようだったので、訳はわからないがとりあえず貰えるものは貰っておこうとありがたく頂く。生ものは久しぶりなので美味かった。

 R279を南下してとにかく下北半島からの脱出を図る。朝方は晴れ間も見えたが小雨交じりの曇天の下、ひたすら退屈なはまなすラインを走る(時期もあるけど沿道にはまなすは少ないし、海もあまり見えない)。

 野辺地でR4を西に向かう。続会津士魂を読んだ身としては、この小さい町の名になんとも言えない感慨がある。天気がイマイチなので夏泊半島はパスして浅虫の道の駅で温泉(\350)に浸かる。この温泉は建物の4階で壁がガラス張りなので展望がよろしい。のんびりしているうちに予報どおり晴れ間も見えてきて、心身ともにすっきりして走り出す。

大型掘立柱建物
有名なアレ

 青森を抜け、三内丸山遺跡へ。R4から行くと標識も少なく迷ってしまった。発掘品と遺跡だけなら僕のような人間には面白くないが、再建された建物が豊富なので楽しめた。ここで栗ソフト(\280)を喰う。シャーベットみたいだが味は良い。

 R280を北上して竜飛崎を目指す。アップダウンが少なく路面も良いワインディングの県道2号で日本海側のR339にシフトしてひたすら北へ。十三湖までは退屈だが小泊から北はたまらないワインディングと景観(つっても道路によって植生が侵食されたんだろうが)が広がる。よく車の宣伝ですんごい所を走ってる空撮があるけど丁度あんな感じ。眺望台からは津軽海峡に沈む岬と幽かながら北海道が見えた。

写真では北海道が見えない
眺望台から北を

 ここから下れば集落と竜飛崎、有名な階段国道がある。階段国道は標識と階段を見ただけで引き返す(歩くと結構あるんですよ)。微妙な時間だったが青森で泊まることに海岸線の道は採らないで県道14〜12号で南下しR280のバイパスでフェリーターミナルへ。ねぶたの為に用意されたキャンプ場は2日前なのに既に結構な数のテントが張ってあった。仮設トイレの出来の良さに感動。

 予報では天気が悪くなるようだったので建物の側にテントを設置し(テントは隠れないが庇がある)、となりのスーパーで食料を調達。食事をしながら関東から800km一気に走ってきたカタナ乗りの人にねぶたについていろいろ話を聞く。もともとその気は無かったが自分が「跳ね」るのは衣装が高いんですっぱりと却下。あちこちにシマが出来て盛り上がっていたけど、疲れていたので速やかに眠りに落ちる。

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2004年 1月29日作成
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