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ダイソー塗料で塗ってみた!
~ バンダイ 1/144 百式(旧キット)リペイント ~
このコーナーの その3 エゥーゴの金色のエルガイム で掲載している白い百式の旧キット。
棚から落下して盛大に壊れました。
足の付根の軸が折れたり、薄く加工したパーツが割れたりと散々だったので、ガッカリしてしまっておいたのですが、昨年、100円ショップのダイソーで面白い色の塗料を発見しました。
シャアザクの色やんけ
シャア専用塗料ですか。
なにやら外壁補修用の塗料らしいんですがさくら色の方はシャアピンクにしか見えない。むしろこんなにシャアピンクらしい塗料は初めて見たような気がする。
この色を目にして、これは百式を塗らなければ (なぜ)と思ってしまいました。
そこでさっそくいそいそと壊れた完成品を取り出し、接着、パテ埋めその他を用いてとりあえず治します。
ためしにペロリと塗ってみると、これがもうシャア専用。完璧にシャアの色。コレよ。コレが欲しかった。
塗り味は薄くなめらかですが、乾燥がものすごく速い。1、2分で乾き始める速度なもんですから塗料皿に出した塗料がすぐ乾く。急いで塗らないとダマダマになりますので注意が必要です。
塗った時は薄い色ですが、乾燥するとだいぶ明度が落ちます。
そんなこんなで塗っていきましたが完成寸前にトラブルが。
間違ってつや消し剤を直接塗ってしまい、せっかく塗った塗装面がボロボロに。スミ入れまで行ったのに・・(ただのバカ)。
心がボキボキ折れましたが涙を拭って立ち直ります。紙ヤスリで表面を均し続けて荒れた塗料を剥がします。ほとんど修行僧の心持ちで黙々と。
ガンバッていたら、今度は
左腕が旅に出ました。
いやなんでやねん。
あんなデッカイ部品がいったいどこへ失くなるというんだ。いや失くなったんですけれども。いくら探しても、どこを探しても見つからない。お年頃だったのかしら。思春期は難しいですな(錯乱)。
再び心がボッキボッキ折れまくりましたが、ここで負けていては完成しません。時間を置いて心の傷を癒やしたら、なんとかするべく解決方法を模索します。
旧キットをまた買う? 他のパチ組み品からもぎとる? ですがこの完成品、肩もそうですが二の腕が地味に形状変更されていて、同じ形を出すためにはプラバン工作から始めなくてはなりません。工程が多い。第一、心が折れている。
そこで思案を重ねた末、この完成品にストーリーを持たせることにしました。
この機体はグリプス戦役の頃・・・。 カミーユもアムロも居ない孤独な虐殺への反攻作戦を遂行する組織に偽名で潜入したシャア・アズナブルが、指導者の死とともに偽名をかなぐり捨て、シャアの名に戻って指導者となる物語に登場するMS、という設定を起こします。偽名の時代は白い塗装で乗っていたシャアが、シャアに戻って赤い彗星の呪いを引き受け、自分自身の戦いを始めるにあたって赤い彗星の色に塗り替えた・・。そして最終決戦の直前に左腕を失い、発見された シャアザクの腕 を艤装して戦い続け、ついにそのまま決戦に望む物語。そう・・・
ザクの腕つけちまえ
イメージが浮かんだ瞬間、シャアピンクの百式の肩にスパイクの生えているゴッツイ絵面が気に入ってしまいました。
さっそくジャンク箱の中から以前作ったHGUCザク(No.40 2003年)の腕をいただいてきます。以前作った時にも 燃える男の動力パイプ を頂戴した同じキットです(再利用)。腕の長さがちょっと足りないので(というか百式の腕が異様に長い)、二の腕の先端をちょっと延長します。
ためしに転がっていたダイソーのバルサ材を芯に使用しましたが、プラスチックとの相性は悪く(あたりまえ)万能接着剤のスーパーXで強引に接着してポリパテで包んでいる危うい状態です。ですがゴリゴリとゴリ押しして強引に完成。
やってやりましたよ(謎)
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数々のトラブルを豪快に乗り越えて、シャアの百式一年戦争風味、やっと完成。
かつての改造箇所は 以前の記事 を参照してください。
ディテールを減らし、ノズルを減らし、バインダーをもぎ取って 燃える男の動力パイプ をつけた融資をご覧あれ。ヘタクソですけど。
この一年戦争時代を彷彿とさせる存在感こそが、作りたかったまさにドンピシャのイメージだったのデス。
前回の完成時にはベタ塗りだったカメラもヘタクソな筆塗りのツインアイに変更。アクリルガッシュで塗り分けただけ。
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後ろから。
以前の状態には無かったビームサーベルを追加。ザクの腕でビームサーベルが扱えるのか? とはお思いでしょうが、まぁなんとかなるンでしょう。
ガンメタル等の金属塗料は通常の模型用アクリル塗料を使用。
全体に水性塗料のフラットクリアーを塗ってあります。
銃は作ってません。
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普通に旧キット百式の肩関節軸にザクの腕をつけるとものすごく位置が下がるので、ランナーの一部を切り取ったジグザグ状の部品を作り、それで接続しています。
この軸は丸見えになりますが、細いのでガンメタルに塗ってメカ部に艤装。
実際にはもう少し中にめり込みます。
この加工中、胴体側のポリキャップの保持部が経年劣化で割れてしまい、内側からポリパテで無理やりポリキャップを保持するという暴挙に出ていますがまぁ気にするな。
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強引にくっつけたザクの左腕の存在感たるやインパクト抜群。
異物感が半端ない迫力を醸し出すうえ、このザクの腕のせいで動力パイプが馴染んじゃって馴染んじやって。
もうこれザクの改造機なんじゃないかってくらいの一年戦争感とシャアの味を強力に感じさせてくれます。
大満足。
おかげで部品取りに使ったザクのキットはパイプは無い左腕は無い股間上部のパーツは無いという無い無い尽くしでどうしてくれようかという状態ですけれども(なんとかします)。
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おかげで懐かしのファーストガンダムに登場した、シャアザクのスパイクアタックを百式で再現できるという。
うーむレトロ。素晴らしい。
脚から内部メカの覗くビックリドッキリ仕様なのにこの一年戦争感。以前の完成状態よりよほど理想形に近いので、このテの改造をする上でのポイントがすこし判ってきたような気がします。
ファーストガンダム直撃世代の私が欲しいのは、この、一年戦争感のあるゼータ以降のMSだったのです(たぶん)。
今回つくづく実感いたしました。
コレが欲しいものなの。
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幾多のトラブルに見舞われて長期間、ポキポキ折れた心に鞭打って完成した本キット。
ザク腕のインパクトばかり目立つ形をしていますが、そもそもの目的だったシャアピンクの塗装もきわめて有効でした。前回作ったときよりもはるかに好みの存在感に。最初からこの色で塗っておけばよかった。
そういえばこのカラーの百式の作例って見ませんよね。誰だって思いつくはずなのに、やっている人を見たことがない。その昔、模型雑誌にデザイナー本人が塗った赤い百式が掲載されていましたけれど、あれも濃い赤でしたしね。
実際に塗るような阿呆は私だけなのかも知れませんけれど、結構、イイよ、シャアピンクの百式。
そんなわけで壊れたせいでダイソー塗料に出会い、ピンクのシャアカラーに変身できたあげく、左腕が旅に出たせいでザクの腕をつけるという数奇な運命にたどり着いた本キット。
苦労に苦労を重ね、心が折れに折れ、それに負けずに作り続けたおかげで、ヘタクソながら大満足の模型経験をすることが出来ました。
本当に作りたいものは何か、迷走の結果大事なものを手に入れたよい苦労でございましたとサ。
これが欲しかった完成品なのヨ。
2023.04.09
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