日繭
記八



1996年4月

(4/4) 今日は風邪のため一日布団にもぐり惰眠を貪っていた。喉がいたく、鼻水がひどくほとん どしゃべれない状態であった。もう春だっていうのに、風邪をひくとは本当に情けない。

この前夜中にNHKで、野田マップ第一回公演「キル」を放送していた。 見た人います?サクセスのコマーシャルやってる人が主役で、野田秀樹は脇役? ヒロインが羽野あき(漢字わからん)、渡辺いっけいがとてもいい味だしてたなぁ。 誰かビデオ撮った人がいたら是非貸してください。

桜が咲いてきましたね。大学生だった頃、人形劇をするサークルで坂口安吾と夢の遊眠社を原作に「桜の森の満会の下」という人形劇を作りました。桜の季節になると思い出します。

散漫とした文章が続いていくと思いますが、できるだけ毎日書いていきたいと思います。 つまらなかったらつまらないと、面白かったら面白い。 わからなかったらわからないと教えて下さい。


(4/5) ここ一週間くらいブラインドタッチの練習をしている。最近ではタッチタイピングと云うらしいが僕はこのブラインドタッチという言葉のほうが好きだ。よってこれ以後ブラインドタッチという呼称で統一したいと思う。

キーボードを見ずに文章を入力するというのは思いのほかに難しいものだ。幸いマックに は、DとKのホームポジションに小さなポッチがついていて、ふとした時に中指をホームポジションに戻す時に役だってくれる。かっこよくブラインドタッチが出来るようになる日はいつだろうか・・・・・。

毬屋友子さん(漢字はまたしても不鮮明な記憶)という女優さんを知っていますか?僕はこの人を野田秀樹が主催していた夢の遊眠社の「贋作 桜の森の満開の下」という作品で知ったのですが、非常に色気のあるというか艶のある女優さんです。

少女の無垢な心と、娼婦の艶やかさ、という相反する性格を表現しうる力を持った女優さ んです。はっきりいって惚れてしまいました。お芝居に興味のある方、ない方、まりやともこに興味を持った方、そのうちビデオ鑑賞会をしましょう。彼女の魅力は広くしらしめたい。

なんだかミーハーな文章ですが、全てはお気楽極楽な文章でいこうというこのコーナーの 趣旨にはしっかり乗っ取っているということを楯にとって良しということにしましょう。


(4/6) 最近、表計算ソフトを使いこなしたいと思っています。 まるでどしろうとなんですけどね。日常生活で使えるような表計算ソフトの使い道ってなんかないでしょうか?小遣い帳とかかなぁ・・・・・・

そろそろ花見の季節ですね。僕の家のそばには、桜のたくさんある大きな公園があって、 毎年そこに仲間達と夜桜を見に行ったりするんですが、皆さんはどんな所で花見をしていますか?大学の後輩達も毎日花見して飲み明かしてるんだろうなぁ・・・・・・

旨い酒が飲みたい季節です。


(4/8) 椎名誠の様な生き方に憧れていたことがあります。 夢枕獏の様な生き方に憧れていたことがあります。 栗本薫の様な生き方に憧れていたことがあります。

結局人はその人なりの生き方を探していくしかないのだと最近思っています。

「才能は努力によって磨かれなければ、あっても光を放たない」

夢枕獏の「絢爛たる鷺(けんらんたるさぎ)」の中の一言です。 ずしりと心に突き刺さりました。腑甲斐ない自分の生き方を責められているようで。

「山月記」の李陵の様に奢り昂りながらも自らのプライドが傷つく事を恐れ行動を起こさず、己のうちの傲慢な自尊心と強大な羞恥心のために虎と化してしまう様な生き方はしたくないと、再び決意しました。

何事も行動。考えているだけでは前には進まない。見る前に跳べ!

「才能は努力によって磨かれなければ、あっても光を放たない」


(4/9) 大学時代の友人から電話がありました。3月16日にあった卒業式から連絡をとっていなかった奴です。卒業前から名古屋の方で就職することがきまっていて、仕事を含めた新生活にも慣れて、夜、自由な時間がとれるようになったので電話をしてきたそうです。

「酒飲める奴がいなくってさぁ」ちょっと酔っ払っているような口調で彼は愚痴っていました。無頼の酒好きで、量はかなりいける奴なんですがすぐに記憶を無くしてしまってあらぬことを口走る、という癖を持った男でした。良く一緒に飲んで大騒ぎをしたものです。

そいつを含めて、大学時代の仲間たちはいつのまにかてんでんバラバラに生活するようになっています。一人、まだ大学のそばに住んでいる奴が残っているので、皆、ふらりとそこに集まれば、昔のように大騒ぎができるのでしょう。しかし、全員が揃う事はおそらく当分無いでしょう。なんだかさみしい気がします。でも、それがたぶん僕らの楽しかった学生時代からの卒業なのでしょう。  


(4/10) 酒がうまくなったのは大学に入ってからです。新しく知り合った学科の連中とはいつも夕方の4時、5時ごろから飲み始め、日付が変わる頃カラオケへと繰りだし、明け方3時ごろ誰かの家へ帰ってきてはそれからまた朝まで飲み、大学の授業が始める9時ごろやっと全員が眠りにつき目が覚めるともう夜の8時頃だったりする生活をしていました。

始めのうちは僕もあまり強くなく(今だって十分弱いのですが)大学での最初の夏休みが始まったころ、突然飲めるようになったのです。昨晩、名古屋から電話があったと書いた Kという男と、二人で飲んでいたときでした僕は大学一年で、Kの家でビールを飲みながら夕飯を食い、テレビを見ながら女の話やら高校の時の話やらをしているうちにビールが洋酒になり、(カティサークでした。)気がつけば明け方の4時頃まで二人してスコッチを飲みながら語っていたのでした。

それまでそんな長時間飲み続けたことも、大量に飲んだこともなかったので、我ながらびっくりしたのを覚えています。ちょうど、その日からサークルの合宿だったこともあって7時には大学にいなければならなかったのですが、何せ4時まで慣れない酒を大量に体に摂取していたものですから、もうひどい酔っ払い状態でした。

それでも酔ってない振りをしてバスに乗り込み出発したのですが、道中もう気持ちいいんだか気持ち悪いんだかってな状態でひどく難儀したのを覚えています。

そのKと飲んだことによって僕の酒の好みはかなり洋酒よりに傾いています


(4/12) 今日は一日本を読んで過ごしていました。ここ何週間か、小さい頃に読んだいろいろな児童文学を改めて読み直しているという事をいつだったか書いたような気がしますが、その一環で、懐かしい物語のなかを散策した一日でした。何を読んでいたのかと云うと、佐藤さとるさんの「コロボックルシリーズ」です。知ってる方いっぱいいるんじゃないかなぁ。

コロボックルと云う小人の種族が日本のある村にはまだいたんだよ、と言う物語です。言い伝えに残されていた小人の伝説に魅かれていた少年がある日ふとした瞬間にコロボックルに出会いそして友だちになっていく。僕にもこんな出会いがあればいいなぁと、これを読んだ小さい頃、公園や、その頃は僕の家の回りにもあちこち残っていた草原やら木立の間を目をこらして歩いたことがあるのを思い出します。

身長三センチくらい。とても敏捷で、人間の何倍もの早さで動きまわる。しゃべる速度もやっぱりものすごく早くて、人間が聞くと「ルルルルルルル」という風にしか聞こえないのです。だから人間と話したいと思うと、コロボックルの方が努力して遅くしゃべる練習をしなくてはいけないと云うのです。かれらの名前の付け方も独特で、男も女も花や草など植物の名前の後に、男だったら「ヒコ」女だったら「ヒメ」をつけるというやり方なのです。たとえば「サクラノヒコ」「サクラノヒメ」と云った付け方です。

「だれも知らない小さな国」「豆つぶほどの小さな犬」「星からおちた小さな人」「ふしぎな目をした男の子」「小さな国の続きの話」の5冊の長編と、名前はわからないのですが短編集が一冊あわせて 6冊が講談社から刊行されています。

懐かしの一冊、是非読んでみて下さい。


(4/13) 13日は寒かったぁ。真冬なみの寒波が来ているとのことで2月中旬に戻ったかのような寒さでした。寒いの大嫌いな僕としては忌むべき状況。学生時代、学園祭の頃、寒いのに表で作業しなくてはならないときうそじゃなくて、7枚も8枚も着込んで作業していました。桜がもってくれるのは嬉しい限りなんだけどね・・・


(4/14) こんばんわ。なんだか突然寒くなってきちゃいましたね。なんでも真冬なみの寒波だそうで、寒いのは僕は大嫌いなんですが、桜がしばらくもつかと思えばそれも我慢するかという気分です。

久しぶりに大学へ遊びにいってきました。サークルの新歓活動の様子を見に行ってきたのです。在学中は人形劇を子供たちに見せる活動をしていました。保育所や、小学校に舞台ごと持っていって劇を打っていました。

気がつけば大学も卒業し、今年の新一年生は昭和52年生まれだという事を聞かされてびっくりしてしまいました。いやはや年々親父化しとるなぁ・・・・・


(4/16) こんばんわ。今日は仕事の面接にいってきました。きまるといいなぁ。

久しぶりにルパン三世を見ました。宮崎駿さんが監督(演出?)してた頃ですからつまりテレビ版ね。「死の翼アルバトロス」「さらば愛しきルパン」の2話です。いやすっごいおもしろかったです。



繭八庵
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