"DJANGO" THE MODERN JAZZ QUARTET |
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僕はこのM・J・Qというグループはなんとなくハードながりがりごりごりのジャズ、アートブレイキーのジャズメッセンジャーズのような演奏をするのだろうと何故か思い込んでいた。 それがどうだろう、しょっぱなから美しいピアノとバイブのユニゾンから幕を開け、華麗なバイブのソロへと主役が移る。アルバム全体を覆う端正で抑制されたイメージ。スタイリッシュななかに少々のアンニュイさを感じさせ、どことなくクラシカルなイメージを喚起させる演奏の数々。そのなかでもやはり際立つのはミルト・ジャクソンのバイブ。柔らかな響きでぐんと耳に飛び込んで来る沢山のメロディー。ピアノ、ベース、ドラムスが抑制的であればある程バイブの奔放さが際立って雰囲気を作りだす。聞き惚れていると40分少々はあっという間だ。 |
"SOULTRANE" JOHN COLTRANE |
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元気なのもバラードっぽいのもやっぱりどこか理屈っぽい印象は否めないのだが、そういう面倒くさいものを吹っ飛ばされたのが最後の5曲目「ロシアの子守歌」ピアノのレッド・ガーランドが不吉なイントロを奏でた後にコルトレーンのどこが子守歌なんだと誰もが思うであろう超絶的な演奏。息継ぐ暇もなく次から次へと音符がつながり、上がっては下がり、下がっては上がりしているうちに蘆はリズムを刻み、鼓動は高鳴り呼吸は早まりアドレナリンが分泌されもうバッチンバッチンに目も覚めた状態で演奏は終わる。うーん迷惑な子守歌である。この一曲ですっかりコルトレーンが気に入ってしまった。 |
繭
八
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