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2002/4/1更新

 
 まずごく簡単な、データの書き換えからはじめましょう。
 必要なものは、テキスト・エディタ(できればメモ帳以外のやつ)とバイナリ・エディタ(テキスト・エディタでうまく編集できなかったとき用)、あとは根気です。 

データのある場所

 Europa Universalis II をインストールした場所を見てみてください。デフォルトなら、「Europa Universalis 2」というフォルダが作成されているはずです。

 そのフォルダの中には、 多数のファイル&フォルダがあると思いますが、シナリオ改変で重要なのは、以下の名前のフォルダです。

Scenarios
 ゲーム開始時で選択できる各シナリオデータの本体が保管されています。
 例えば、GCの設定ファイルはどれかというと、the grand campaign.eug というのがメインデータで、ここに初期選択可能国や、リンクすべき他のデータの名前が記されています。ファイルの名前が、そのままシナリオ名になっています。
 また、 1419.inc というものに、シナリオ開始時の戦争・同盟状態、CoT(Center of Trade)の位置、読み込むべき国別設定ファイルの名前などが記されています。
 その国別ファイルは、サブフォルダ「1419」の中に大量に配置されていて、それぞれのファイルの拡張子が国の識別タグになっています 。豪快な拡張子の使い方です。

 ちなみに、セーブデータは、「Save Games」フォルダ内にありますので、バックアップのときは参照してください。
 これもテキスト形式ですので、改竄は楽です。
Db

 ここがもっとも改変しがいの有るところですね。
 どれも重要なデータですが、中でも特に注目すべきなのは、君主名データのある「Monarchs」フォルダ、イベント・データのある「Events」フォルダ 、リーダー名データのある「Leaders」フォルダです。
 他にも、反乱によって独立する国の設定が「revolt.txt」にあります。
  地方名、軍団名、国別初期設定、植民地名、宗教設定など、ゲーム中に必要なあらゆるデータがつまったフォルダです。

Ai
 CPU国のAIデータがあるところです。
 全ての国ごとに用意されているわけではなく、主要国以外は、ある程度共通のファイルを使用しています。
 貿易活動に熱心な国(ベニス、ジェノバなど)用の trader.ai 、非好戦的な国用の peaceful.ai その他多数の国用の default.ai などがあります。
 各国が、どの地域を熱心に植民しようとするか、どの国と戦争したがるか、などがここで設定されています。
Gfx
 その名の通り、グラフィック関連のデータが入っています。
 ユニットのグラフィックを変更したりもできるのですが、それより重要なのは、国旗関連のグラフィックでしょう。
 「Map」サブフォルダ内に、それらグラフィックがあります。新規に国を作ったりしたときは、ここにオリジナル国旗を入れるわけです。
Map
 地図関連のデータが格納されているところですが、ここを触ることはほとんどないと思います。
 唯一、political map モードで表示したときの各国の色分けの仕方を弄りたいときは、ここの colorscales.csv を改変する必要があります。
Config
 ここには text.csv が、あります。ゲーム中表示されるテキストをまとめたデータです。
 オリジナルのイベントをつくるときは、このデータを触らないわけにはいけないのですが、何せデカいデータなので、扱いには要注意。
 このデータを和訳すれば日本語版になりそうですが、フォント設定も変えないとエラーになります。私の力ではそこまではとても・・・


試しに簡単な改変をいくつか・・・

 ともかく、簡単な変更をしながら、実際の作業を見てみましょう。
 自分でも試される場合は、データのバックアップを忘れずに。

1. GC開始直後の蝦夷地をレベル1植民地にする

 これは本当に簡単です。
  「Scenario」→「1419」→「1419_nip.inc」 このファイルをエディタで開きます。

# Nippon (Japan) #

country = {   ・・・・・・・

から始まるファイルを、順に見ていくと、途中、

city = { fortress = { level = 1 }
population = 2000
location = 683
}


というような記述があるはずです。
location = の次の数字が、province number (地方番号)で、蝦夷地は 683 番です。
 これを、次のように書き換えてみましょう。

city = {
population = 100
location = 683
}


 これで、新規にゲームをはじめれば、蝦夷地は level1 colony となっているはずです。
 つまり、植民地レベルなどは人口(population)の値で決まるわけです。植民地は城壁を設置できないので、fortress = ・・・ の部分は削ります。

 他の都市(国)でも同じように、人口や、城壁レベルなどを変えられるのですが、この場合問題となるのは、地方番号がわからないと面倒だということです。
 公式フォーラムのEU II FAQ には mini Atlas という項目があり、ここで一覧表が閲覧できます。転載していいものかどうかわからないので、とりあえず必要な方は自力で探してみてください。
 転載してもよさそうなら、このページでも載せていこうと思います。

2. ザルツブルグを独立国にする

 ザルツブルグ(Salzburg)はウイーン南西に位置する国で、19世紀初頭、アウステルリッツ三帝会戦まで独立を保っていました。しかし、EU II では、1419年からオーストリア領に編入されてしまっています。
 これも間違った解釈ではないのかもしれませんが、ここは一つ、独立国として登場してもらいましょう。

 これもそれほど難しいことではありません。
 ザルツブルグは反乱によって独立する国(revolter)として、既に登録してあるものなので、後はそれを開始直後に有効にするだけです。

まず、「Scenario」→「1419」内に、「1419_slz.inc」という国設定データを作成します。ザルツブルグの識別タグは既に「SLZ」に決まっているため、ファイル名は変更できません。

 最初から作ると面倒なのですが、ここは、オーストリアのファイルを流用させてもらいましょう。「1419_hab.inc」をコピーして、「1419_slz.inc」にリネームします。
 そして、中身を改変するのですが、変更点としては、

・ai を peaceful.ai または trader.ai に
・初期予算(treasury)を 200 に
・ザルツブルグの所有地(owned province)、支配地(controled province)、絶対領土(national province) を、それぞれ 350 に
・オーストリアの所有地、支配地 から、350 を削除
・ザルツブルグの都市設定(city = ・・・)から、350以外のものを削除
・オーストリアの都市設定から、350を削除

 外交関係の設定項目もありますが、そのままでもいいでしょう。史実に沿わすなら、良好な関係の国をぐっと減らすのも手です。
 改変した両国の incファイルは、ここからダウンロードできます。参考にどうぞ。

 まだもう少し、作業が必要です。
  「Scenario」内の「1419.inc」を開き、ファイルの最後の行に以下を加えます。

  include = "scenarios\1419\1419_slz.inc"

さらに、「the grand campaign.eug」を開くと、7行目近辺に、

  selectable = { FRA CAS ARA ENG  ・・・・・

というふうに、国の識別タグが大量に並んでいるところがあるはずです。
 このタグ群のなかに、どこでも良いので、「SLZ」を書き加えます。
 これで、 プレーヤー国としてもザルツブルグを選択可能になります。


3.日本の君主を将軍系にする

 日本の君主データは、「Db」>「monarchs」>「Monarchs.nip」にあります。
 このファイルを見ると、日本の君主は天皇系と将軍系の2系統が用意されているのがわかります。しかし、デフォルトでは天皇系のみの使用になっているので、これを将軍系に変更してみましょう。

  「Monarchs.nip」を開けてみると、

historicalmonarch = {
id = { type = 6 id = 07350 }
startdate = {
year = 1414
}
deathdate = {
day = 19
month = july
year = 1428
}
name = "Shoko"
DIP = 5
ADM = 3
MIL = 7
dormant = no
}


といった記述が、繰り返しあるはずです。
  ちなみに name = "・・・・"の部分が、君主名になるのですが、一部ヨーロッパ専用アルファベット(上に長母音用の棒がつくやつ)が使われているので、エディタによっては文字化けするかもしれません。

 さて、このデータを改変すれば、君主の能力値や名前、没年といったものを変更できるのですが、今回弄るのは一番最後の dormant = no の部分です。
 dormant というのは「休眠」のことで、これが yes に設定してあると非登場、no に設定してあると登場というように機能します。
 そこで、前半の天皇系君主を全てdormant = yes に、後半の将軍系君主を全て dormant = no に変更すれば、登場系統を入れ替えることができるわけです。