その4.実際の飼育について
では、熱帯魚を飼っていてエビを入れる場合と、水槽の立ち上げから行う場合とを考えてみたいと思います。
飼育する生体としてはエビと熱帯魚、水草、あと巻貝なども入れてもいいかもしれません。
飼育の対象になる
エビは、
ミナミヌマエビまたは
ヤマトヌマエビとします。特徴としては、ミナミヌマエビは完全草食ですので、水草が柔らかいもので餌が少ない場合、食害してしまいます。ヤマトヌマエビは、より雑食性が強く熱帯魚も体格で勝っていると、捕食して食べる場合があります。
熱帯魚は、3cm程度までしか成長しない大人しいもので、弱酸性〜中性で飼えるものとします。
ネオン・テトラ、
ラスボラ・エスペイなど我が家で飼っているものは、だいたい大丈夫です。
ただし、
アノマロクロミス・トーマシィ、
カラー・ラージグラスには餌にしかなりません。
ゼブラ・ダニオも結構難しいかもしれません。注意が必要です。しかし、ヤマトヌマエビの場合は、肉食性が強いものの場合、夜などに幼魚などは捕食されてしまうので、あまり体格差がある場合は、注意してください。ミナミヌマエビは、完全草食なので心配いりません。
水草は、あまり手を掛けないでよいもので、エビが隠れる事ができるものが理想です。
ウィローモス、
ミクロソリウムなどは、私の水槽に入っている水草の代表ですが、エビの隠れ家としては正解だったようです。流木などに活着させると、流木自体も隠れ家となる他、掃除などもし易くなりお勧めです。あと、CO2(二酸化炭素)を大量に添加しないと育たない水草は、あまり向きません。エビは、CO2に弱いと言われています。クリスタルシュリンプなどを飼われている方には、常識なようです。
以上を踏まえて考えるお勧めの組み合わせは、
エビは【ミナミヌマエビ】、
熱帯魚は、【ネオンテトラ、
アカヒレ、ラスボラ・エスペイ】、
水草は、【ミクロソリウム、ウイローモスを活着させた流木を数本】ではどうでしょうか。
- 熱帯魚を飼っていてエビを入れる場合
この場合は、既に飼われている生体が何であるかが問題になります。先程上げた熱帯魚の条件がポイントになりますので、もし飼われている生体の口のサイズが、エビ(0.5〜2cm程度)を入れることが出来れば食べてしまいます。その辺がポイントになるようです。また、完全な草食系の魚では、大丈夫のようですが、コリドラス・パレアートゥスなどの仲間以外は、成体になると食性が肉食へと移行するものもいますので、難しいと思います。
条件が合わない場合、諦めた方がエビの為でもあり、折角飼育したいと思われたあなたの為でもあると思います。どうしても飼いたい場合は、別に水槽を立ち上げた方がよいと思います。
水質についても、アルカリ性では難しいので、注意が必要です。
- 水槽の立ち上げから行う場合
最近は、60cm水槽で初心者用に全てセットになっている安価なものが出回っていますので、それで良いと思います。また、小さい水槽は、水温調整や水質調整が水量が少ないことを理由に、非常に難しい為、初心者は素直に60cm水槽の方が、後々後悔が少ないと思います。
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ろ過器(フィルター)に入れる櫨材も、なんでもよく各社色々でています。ですが、水質を調整する機能は、あまり付いていない方がいいと私は考えています。何故かというと調整する為に、櫨材が吸着したものが、古くなると逆に放出されるようになり、水質に影響を及ぼす為です。まぁ、この辺が良くわからないようでしたら、無難なものをチョイスしてください。
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ソイルなどの底砂ですが、今回目指している水槽にとっては、アルカリ性にする珊瑚などを使わない限りなんでもよいです。水草に凝る可能性がある場合でしたら、ソイルなどがいいかもしれません。また、先程のセットになっているものに、底砂が含まれていれば、アルカリ性にしないかどうかの所をチェックして大丈夫でしたら、それで構わないと思います。
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まずは、水槽を立ち上げることが前提ですので、この段階では、エビは入れません。今回、熱帯魚の選択で上げているものは、どれでもパイロットフィッシュ(立ち上がっていない水槽でも生き残る可能性の高い魚)になりえるものです。強いてあげるとするとアカヒレが適任でしょうか。5〜7匹程度ではじめて下さい。最終的には、小型熱帯魚だけで30匹程度でしょうか。入れれば入れる程、水質は悪化し易いので最初のうちは少ない方が良いと思います。
水槽の立ち上げ方法は、諸説ありますのでご自分で色々試すことが必要だと思いますが、まぁ死んでしまうと悲しいので、とにかく丈夫なものを揃えてはじめる事です。で、焦らずにのんびり楽しむ姿勢が必要ではないでしょうか。。。生き物相手ですから。で、水質などが安定したら、エビくんを投入して下さい。急激な水質・水温の変化には、非常に弱いので時間を掛け水合わせしてください。やり方は、「その2.いろいろな差」で取り上げているのでごらん下さい。普通に熱帯魚を飼う環境が水槽に出来ていれば、飼う事は難しくありません。
餌については、もしウイローモスや流木などを入れていれば、エビの為に餌を入れなくてもウイローモスの新芽やコケなどを食べます。また、熱帯魚の餌の残りものなども食べます。もしどうしてもあげたいのでしたら、
コリドラス用のタブレット餌などが良いと思います。ですが、間違いなく熱帯魚も食べにきますので、争奪戦になるでしょう。まぁ、そんな様子も楽しいのですが。
また、今回紹介している商品ですが、水槽、櫨材、底砂は、すべて現在使用しているものです。下の水槽を再セットする時に使用しています。05.07.10記