建築家の灘さんよりメッセージ

ひとつの小さな住宅をつくる・・・その意味はほんとに私たち施主にとっては、家族の人間関係や健康、
生活の基本、子供の価値観、いろんなことを決め、影響を与えられる空間の設計をお任せし、
施工の面倒を見てもらい、ほんとうに建築家は主治医のような存在です。

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船橋市三山の灘邸(ご自宅兼建築事務所)の通り庭:夜景です

●灘さんより、これから家を建てようかなと思ってるみなさんへのメッセージ●

 設計事務所に家の設計の依頼をされる方の多くは、もうすでに、 ある程度マイホームのイメージができていることが多いんです。

 でも、プラン例やその模型で、いろいろお話をすすめていくと、 実は家族の皆さんひとりひとり、欲望が違っていて、正反対のこと を望んでいたりすることもあるんですね。 ご主人の手前、自分の本当の気持ちを言い出せなくて、なんとなく 元気のない奥様とか。(千登勢さんは元気でしたね!!) 実際にこうしたいっていう生活の仕方を忘れてしまって(?)、 カッコイイマイホームのイメージを求めてしまったとか。

 そんなこんなを洗い出し、本当の家族像、無理の無い夢溢れる生活 スタイルを、クライアント(依頼者)と建築家(設計者)で見つけ だしていく作業が基本設計になります。 その時点で、どれだけ素直な気持ちをお話してくださるかで、 住み心地にかなり差がでてきます。

 池田さんご家族は、生活のスタイルがはっきりしていましたので、 早い時点で数多い要望をお聞きすることができました。 私たちはご家族のことを知ろうと、何気ないお話も情報の一つとして 伺っているんですよ。 そして、それを私たちがカタチにしていく訳ですが、その辺がとって も大事で、大変なところで、力量を試されるところでもあるんですね。 建物の善し悪しの半分はここで決まってしまうと言っても良いくらい なんです。

 次ぎの難関は建設会社、大工さんを決めるときです。 どこの建設会社に依頼するかで、建物はまた大きく左右されます。 安ければ良いってものではなく、適正な価格があります。 内容を伴った、本当に安い所を探すのが大変です。 池田さんの家の場合は結局6社見積もりを出して検討しました。 予算オーバーで設計変更したりもしますが、限度もあります。

 今回は予算の関係上、一番安い所にせざるをえない状況でしたので 建築家(設計者)としては「これから大変だー」という重圧感で いっぱいになりました。 内外打ち放しコンクリートですから。難しいんです。 コンクリートを流し込んだら、それが仕上げにもなる訳ですから。 腕の悪い人に図面通り造ってくださいとお願いしても限度があるん ですよんね。 例えば、私がどなたからか、魚を三枚にしてとお願いされても、 骨にたっぷり身が付いてしまって、しかも、身がグジョグジョ・・・。 という具合に。 灘さんは板前さんじゃあないからって言われればそれまでなんですけど、 職人さんの腕は本当にピンキリです。 現場監督さんによっても現場の動きが大きく変わります。 「ハイ、わかりました。」の言葉には要注意! とにかく大変でした。土を掘るところから、完成まで。

  もし、これから建設会社、大工さんを決めようとされている方は 後々の為に、建物の性能を保持するためにも、多少高額でも、腕の良い 所を選ばれた方が、リスクが少なく、また、出来上がりもより美しいと 思います。 設計者が週に1回程度しか現場に行けないところでしたら、尚更です。

 今回は職人さん達との交流をふんだんにさせていただき、今はすっかり 懐かしい思い出に変わりました。

灘さんのホームページはこちら● 灘さんの家:「三山の住宅」を見る
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