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小見出しでいす

着陸するのは面白い


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着陸!  着陸!  また着陸!



  フライト・シミュレーターは、着陸を愉しむためのゲームです(断言)。もちろん飛ぶゲームでもあるのですが、飛ぶのは着陸するためです(断言←いいのか)。

*このページを見てくださった実機のパイロットさんは、(好意的な意味で)
  大空に舞い上がって
  飛び回るのが
  目的ですから
  離陸や着陸は
  付属品です
  と、美しい詩のように教えてくれました。まったくもって、正しい意見です。感動しました(カッコイ〜)。
  しかしながら、この美しい言葉は、小憎たらしい言葉でもあります(悪い意味じゃないです)。シミュレーターには・・・
  「飛ぶ」ことはできないからです(悲しい)。
  もちろんフライトシミュレーターで飛ぶことは楽しいのですが、真の意味で飛ぶために飛ぶことは、できません。・・ってまぁいいや(笑)
  ともあれ、このゲームを遊ぶ上で、私は(現在のところ)着陸がいっちゃんオモシロイ!  と思うのです。



  なにしろ、巧く着陸できると嬉しい(でしょ?)。楽しい(わたしだけ?)。あの滑走路に向かって接近していく期待感。速度計と高度計、姿勢儀と画面をにらみつけながら微妙に機体を操作する愉悦。うまく滑走路の正面に乗り、だんだんと高度が落ちていくあの息詰まる緊張(の夏、日本の夏)。そしてうまーく車輪が接地したときの「きゅっ」という音を聞く悦楽。やめられないとまらない(かっぱえびせん)。やめられません。あれこそこのゲームの醍醐味!  あれこそこのゲームの真骨頂!
  だって飛行機は、飛んだら降りなくちゃイカンのですよ?  当然、降りる(着陸する)のが最終目的に決まってるじゃあーりませんか(断定)。
  そこで着陸するわけなのですが、ところがこの着陸というやつは慣れないとそう簡単には出来ません。最初は滑走路にまっすぐ近づくことさえ出来ない。自分の離陸した滑走路に戻ることさえ、えらく難しく感じます。(他の空港へ向かわない場合)
  これはしかし、飛行機の運動特性に頭が慣れていないからだ、といえます。飛行機が旋回することの独特なクセを飲み込んでしまえば、滑走路にまっすぐ向かうことも、着陸することもそう難しいことではありません。飛行機の扱いづらさに、このゲームを遊んでみながら途中でやめてしまう人もいると聞き及びますが、惜しいことです。こんなに楽しい着陸を、どうしてせずに済ませましょうや。
  困っている人、投げ出しかけている人、大丈夫でっせ!
  ここでも、離陸と同様に例として私の愛する富士重工のT3、航空自衛隊初等練習機を使います。機体と空港データのセットとして市販されているデータ集のものです。しかし書いてあることは、無論のことゲーム標準のセスナにも通じることですから、着陸しあぐねている人はぜひもう一度飛んでみてください。ヤレます、イケます、カンタンです(でもないか)。


滑走路に向かう、遠い道のり


  このページでは、離陸のページと違って、実機同様のリアルな飛行法の紹介を放棄します。ただでさえムズカシイ着陸ができるようになることを目指し、練習として、フライトシミュレーターでしか通用しないムチャクチャな着陸法を紹介します。現実同様の着陸を目指す方は、この方法は避けましょう。あくまで着陸を楽しめるようになるための、練習法を紹介します。
  本来、飛行機の離陸と着陸には従うべき航空法というのがあって、しかも離陸の項で記述したとおり、危険をできる限り排除して飛ぶのが絶対原則ですから、航空法に外れた飛び方や、危険を顧みない愚かな飛び方をしてはイカンのですが・・・まぁそこはそれゲームですから、楽しんで練習する分には、墜落したって誰が死ぬわけじゃなし、着陸しやすいように豪快に飛んで練習しましょう(この「誰も死なない」という点が、シミュレーターの唯一実機に勝る部分かも知れません)。
  ただし、練習を終えて着陸が自在にできるようになったら、
「どう着陸すれば安全なのか」
「着陸にはどんな危険の要素があるか」
  を考えた着陸をするようにしていただけると、リアルな着陸を楽しむことができるようになりますし、私にアドバイスをくださったかもねぎ@パパさんも喜んでくれるかと思います。
「それが、飛行機です」と・・

  (でもココでは思いっきりアバウトに)
  わかりやすい例になるように、ここでは離陸した空港から、だいたいまっすぐ飛んでいけばそのままの向きで着陸できるようなコースを紹介します。ロンドン・シティ空港離陸、ヒースロウ空港着陸のコースです。実際には、空港への着陸には空港毎に定められた進入方向があって、このゲームでもそれは守られるべきものなのですが、ま練習だからいいでしょう。このコースでは、ヒースロウ空港の正式な着陸進入コースに逆向きで着陸します(航空法完全違反です)。離陸した空港へ戻るより、このコースの方がカンタンに着陸のコツを飲み込めると思いますです。

操縦席から見たところ
  テームズ河の中州に浮かぶ小さな空港、ロンドン・シティ空港の滑走路です。

  ゲーム開始時にいいかげんにフライトを選択し(飛行中から始まるフライトでなければ、標準のフライトでもなんでもいいです)、画面の描画が完了して、飛行機がどこかの滑走路の端に待機している状態になったら、「ALT」キーを押してメニューを出し、マウスでメニューを辿って飛行環境→移動→空港へ移動の順にポイントし、空港へ移動を選択します。すると空港の検索画面になりますので、スクロールさせてLondon City空港を探すか、検索ボックスにLondonとだけ入力して自動で検出させ、OKを押すとすぐロンドン・シティ空港の滑走路が描画されます。デフォルトでは、ロンドン・シティ空港を選択すると機首が東向き、海に向いた姿勢で待機した状態になります。ヒースロウ空港は西、つまり後ろの方角にあります。東を向いた姿勢では、もう少し正確に言うと右後方の位置にあたります。

  そこで、離陸したら右へ20度程度のバンク(傾き)をとって西へ向かうように旋回します。この時20度ぐらいのバンクを保っておくと、あとでヒースロウ空港を見つけやすくなります。
ちょっと急旋回

テームズ河上空ぅ
  東を指していた方位計が西を指す少し前にバンクを緩め、西を指したら水平にしましょう。すると、(小さな写真では解りづらいのですが)右下にテームズ河が見えてきます。これを右下に見ながら、ずっと西に飛んでいけばヒースロウ空港に近づけます。高度は1500〜2500フィートで大丈夫です。慣れないうちはつい高い高度を飛んでしまいがちですが、3000フィート以下であれば楽に着陸できます。(それ以上の高度で空港に近づくとちこっと難しくなります)。

  着陸を行う際に、最初の難関となるのは「空港に向かって飛行する」ことです。自分の離陸した空港に着陸しようとする場合もこれは同様で、慣れない内は、なにより「空港のある方角へ向かう」ことが難しかったりします。そこで、単純に離陸後右に反転すれば空港へ向かううことができる、このコースが練習には向いていると思うわけです。

  およそ120〜140ノットほどでしばらく飛んでいると、右前方にヒースロウ空港が描画され始めます(見えてくる、といいたいのですが、この空港は近づかないとそもそも画面に描かれないのです。ヘンな仕組みですね。FS2000では改善されるでしょうか?)。滑走路は手前から奥へ、まっすぐ走っています(実際の進入コースは向こう側からですが、練習なんで無視します)。空港が見えたら、いよいよ着陸の開始です。
これも見づらいかもかも

  そう、空港が「見えたら」もう着陸は始まっているのです(ここがポイント)。

  空港が見えたら、スロットルを緩めます
  何故か?  着陸で最も重要なのは、着陸できる程度にスピードを落とすことだからです。これが最初は難しい。最初の頃の着陸の失敗は、大抵の場合、機体が上昇せずにはいられないほどの高速で、強引に着陸を敢行することに原因のある場合が多々あります。
  しかし、飛行機というのはなかなかスピードが落ちてくれません。逆に、落ち始めるとすぅっと落ちすぎたりと、スピードのコントロールが難しいところがあります。着陸するのですから当然スピードは落とさなければなりませんが、着陸するまでは飛んでいるのですから、失速する訳にもいきません。また高い速度で滑走路に接近することは、それだけ着陸を難しくします。そこで、空港が見え始めた時点で十分に機体の速度を落とし、なおかつスロットルをいつでもパワーゾーンに入れられるように準備して、高度の維持と失速に備えます。このほうが、初心者には断然着陸がしやすいものです。おもいきって、アイドリングにまでスロットルを落としてしまいましょう。アイドリングにまでスロットルを戻しても、120ノットで飛んでいたなら、セスナ機程度は相当長い間飛んでいられます。なに、高度が1000フィートをきるまでは、そう心配はいりません。
  ただし、ずっとスロットルを閉じていろというのではありません。スピードが落ちすぎたら少しずつスロットルを開けてみて、おおよそ80〜90ノットぐらいを維持するのがよいです。また、スピードが落ちれば高度が落ちますので、空港へ近づく前にあんまり高度が落ちすぎるようなら、これもスロットルを開けて高度を保ちましょう。高度が上がりすぎ始めたら、またスロットルを閉じます。つまり、スロットルの開閉によって、高度と速度を調節しつつ、傾きを操って空港に近づいていくのです。
  この時、機首の上下の向きは水平を維持しましょう。機首上げや機首下げはなるべくしないで、スロットルで高度と速度を調節することが巧い着陸のコツです。滑走路に近づくまでに、この空港の場合700〜800フィートにまでゆっくりと高度を落としておきましょう。このあたりの高度までは落ちるに任せて、この高度を切るようなら少しスロットルを開けて調節します。

まだまだバンク
  速度を落としながら、空港の滑走路に向かいます。この場合、空港は右にありますので、右に旋回した後左に戻し、滑走路に正対するコースを取ります(本当はこの向きでは逆進入ですが気にしない気にしない)。スリップという高度な飛行技術を使って飛ぶテもありますが、ここでは単純にバンクで行きます。
  機体を10〜15度ほど右にバンクさせ(傾け)、空港が目の前を左に移動してゆくに任せます。
  このとき、空港が(画面の)正面に来ても、旋回を止めてはいけません。その時は、空港へ向かって斜めに進入している状態だからです。空港が、画面の左端の近くに移動するまでバンクを維持します。

  空港が左に寄ったら、バンクを水平に戻して旋回を止め、逆に左に傾けます。つまり、わざといったん行きすぎてから戻るような形を取ります。このとき、飛行機は実際には空港の正面にまだ来ていません。左への旋回を始めた時は、まだ空港の左側を飛んでいます。
  この左旋回は、空港が画面中央に来る直前に止め、水平に戻します。
  すると、空港が真っ正面にまっすぐ見えます。正対できるんですね。コレができたとき、わたしはメチャクチャ嬉しかった。やったあ、てなもんです(←馬鹿)
  コースを解説してみると、↓
ぐいっと逆旋回

こーゆーコースをとるわけです(右図)。
  スリップという技を使わない場合、飛行機は旋回すると機首の向きが変わります。頭の中で思い浮かべていただくと解りますが、空港を右に見て右旋回を始めると、飛行機は空港の手前を斜めに横切るようなコースを取ります。空港が(画面の)左端に来た頃は、その斜めのコースが空港を横切るまでの中間点を過ぎた辺りなのです。
  このゲームの画面は、視点を変えない限り飛行機の「正面しか描画しない」のですからね。
  しかし当然、そのままでは空港を左に見たまま行き過ぎてしまいます。といって機体が、上から見て空港の真正面に来てから左旋回したのでは(右図で想像していただければ解るように)やっぱり空港を行きすぎたところで向きを合わせる形になります。といって空港が画面の正面にきたあたりで左旋回をはじめては、今度はいまだ空港の左側にいる内に向きだけが正対することになります。(この感じ、画面からはわかりにくいんですよ。やっかいですねぇ)
こーゆーコース

あとは微妙に
  空港が正面に近づいてきたら、ここからは微妙にバンクを操ります。また、ヒースロウ空港は敷地の両側に2本の滑走路がありますので、どちらに着陸するのか決めます。現在位置から見て、なんとなくやりやすそうな方を選びましょう。(ここでは左の滑走路に向かっています)
  あとは滑走路を目標にします。緩やかな小さいバンクでゆっくりとコースを変えます。

  滑走路が、画面の中央位置(画面ではちょうど計器板の上部、磁気コンパスの出っ張りの位置)にくるように、そぉっと、そぉっと、緩やかに機体をバンクさせてゆきます。空港が画面上をゆっくりと右に滑ってゆき、真ん中に来ます。
  滑走路が画面の中央、図のコンパスの位置に重なりそうになったら、重なる直前に機体を水平にします。
ゆっくり、ゆっくり、ちょっとずつ

ほらまっすぐ
  水平に戻すと、滑走路が正面に来ています(ばっざーい)。
  一安心ですが、まだ油断はできません。こうした滑走路の直前では、ほんの少しの機体の傾きでも、滑走路は正面からずれていってしまいます(そーゆーもんです)。滑走路が正面から外れていると感じたら、そっちへ機体を寄せて、真ん中に来る寸前に水平に戻す、さきほどの要領で進路を微妙に調節します。ここからは、高度を落とさねばなりません。高度を落とすにはスピードを落とします。100ノットを超えているようならそのままスロットルはアイドリングを維持し、80から90ノットを切るようなら少し開けます。

  航空法上はゆるやかに降下してはいけないらしいのですが、慣れていないのですからゆっくり降下した方がラクです。
  誤解しやすいのですが、高度計の0フィートが地上の高度ではありません。高度計が示すのは「海抜高度」です。したがって滑走路の高度は、その空港の海抜高度になります。海抜500フィートの空港の滑走路に着陸するときは、高度計が500フィートを示したときに車輪が接地するのです。(したがって、高度計をアテにして着陸するばあい、その空港の高度が解っていないと、思わぬ高度でどかんと着陸してしまうことになります)  このヒースロウ空港の高度は500フィートちょっとです。滑走路の手前で着陸しないように、高度は600〜650フィートくらいを維持しておきます。スロットルの開け閉め操作で維持します。機首はだいたい水平を保ちましょう。
  このへんで(脚を格納する機種なら)そろそろ脚を出しておきます(キーボードのGのキーを押すと、脚が出ます)。

  ここに至っても、滑走路は微妙な機体の傾きで正面からずれていきます。すれたら本当に微妙な操作で寄せ、正面に来る直前で戻す、という操作をくりかえして、ゆらゆらと接近してゆきます。
  図はずいぶん低い高度で近づいています。巧くなると、もっと高い高度から豪快に着陸できるようになりますが、慣れない内はこうやってあらかじめ高度を落とし、低い高度から接近する方がよいでしょう。速度は90ノット程度にまで落とします。それ以下に落ちるようならスロットルを開けましょう。
ゆらり、ゆらりと接近

ちゃくりくちゃくりく!
  滑走路が画面の中で次第に大きくなってきたら、いよいよ着陸です。滑走路のはしにある横断歩道のような縞模様を通過したら、スロットルを(調節のために開けてあるなら)完全に戻します。そして、進路を保ったまま、機体が落ちるにまかせます。

  しばらくすると「どしん!」と車輪が接地します。
  おめでとう、着陸成功です。
  おつかれさんでした。(読む方も大変だったかと思いまする(^^;)
  着陸後は、滑走路をそのまましばらく惰性で進み、速度が70ノット程度にまで落ちたら、車輪のブレーキをかけて停止します。(画面上でブレーキと表示されるのはコレのことです)
  これにて、着陸はおしまいです。
  ご苦労様でしたぁ。
成功!

おめでとうござますぅ。いつもより多く回しておりますぅ
  また飛んで、今度はロンドン・シティ空港の滑走路を目指してください。
  ちなみにここの滑走路は本来大型機用で、やたらと長いので、オーバーランでもしていない限り、セスナ程度なら停止後そのままフルスロットルで離陸できます。離陸後、右に10度ほどの緩いバンクで旋回し、やはりテームズ河を右に見て東に向かうと、遠く河の中州にロンドン・シティ空港の滑走路が見えてきます。がんばってください。
  今度は滑走路が短いですよ。

  てなわけで、以上が着陸のご案内です。ここではロンドン・シティ空港から見つけやすいヒースロウ空港を目指していますが、着陸する空港の位置がわかっているなら、もちろん何処の空港への着陸にも使えます(航空法上は違反ですが)。
  むろん、標準の着陸練習コースであるメイグス飛行場への着陸にも使えます(いきなり空港直前の空中から始まりますけど)。
  重要なのは、着陸する空港の、「滑走路の向きがわかっていること」です。滑走路の向き(進入方向)が解っていないと、離陸後のコース変更が予測できず、目指す空港が見えた頃にはもう着陸コース(アプローチといいます)がとれなくなっている、ということになりかねません。こればっかりは知っている他はないので、調べてみるか、いっぺん行きすぎてみて離陸する空港と着陸する空港との位置関係を把握しておく必要があります。
  速度と高度の調整、進路の変更は、飛び慣れてしまえばどうとでもなります。ここではあらかじめ高度と速度を下げてから着陸に挑んでいますが、慣れますと高い高度からひゅーと降下してなおかつ速度を殺し、滑走路の端に舞い降りるようなマネもできるようになります。   ここでは触れませんでしたが、フラップ、スピード・ブレーキ(あるなら)、またオートラダーの設定を解除して使う「スリップ」といった小技を使うと、面白い着陸ができるようになるんですね、これが。
着陸の愉悦。ちなみに標準設定のメイグス飛行場

  飛行の感覚は、毎日少しでも飛んで(着陸して)いると鍛えられます。また逆に、しばらく飛ばないでいると錆びつきます。スポーツみたいなもんです。どうぞ毎日一度でも着陸を繰り返して、飛行機の運動と着陸に慣れてください。フライト・シミュレーターが楽しくなること請け合いです。

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