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たらこWORKS  俗物Kaikou.特別編


アクリルガッシュで塗ってみた!BANDAI 1/144 ENTRYGRADE RX-78-2 中島ぺぺろカラー

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  アクリルガッシュで塗ってみた!
BANDAI 1/144 ENTRYGRADE RX-78-2
中島ぺぺろカラー




  最近発売された、ENTRY-GRADE のシリーズは最低額 550円から千円少々の額でニッパーすら不要の色分けされたキットが完成するシリーズで大人気。

  驚異の大胆な可動性能と、これまた驚異のパーツ分けによって完成する、塗装がほぼ不要の猛烈に完成度の高いガンプラシリーズです。

  お子さんでも危険なく塗装の要もなく空前絶後の高い可動を楽しめる好キットですが、それだけに組み立てる面白さは特にありません。強いて言えば、パチパチっと完成する驚くべき簡単な組み立てをする際に、信じられないほど高い部品精度が楽しめる、というところですが、スグ終わっちゃうので、なにか拍子抜けするような感覚があります。

  カンタンに作れる高精度なオモチャという感じ。なにか物足りない感覚が拭えません。

  そこで以前からやってみたかったアクリル・ガッシュ(絵の具)を使った塗装の実験台になってもらうことにしました。

  パーツの分け方がほぼ色別になっているので、細かい部分の塗装が楽なのでは、という浅はかな読みのチャレンジでしたが・・。

  以下の画像はクリックするとちょっと大きく表示される(はず)です。




ぺぺろガンダム正面斜め・ライフルとシールド装備の画像   アクリルガッシュはアクリル絵の具なのですが、昔からプラモデルの通やベテランが使っている不思議な画材で、昔は(近くに画材屋さんが存在しないので)それこそ田舎なんかじゃ手に入らない幻かつ憧れの模型材料だったんですが、近頃では買うことも可能になってきました。
  地域の発展というのは凄いモンですな。やや近所にアクリルガッシュが売っている光景なんて、若いころは夢にも思わなかったのに。
  喜んで買ってみたは良いものの、使い方がわからないので宝の持ち腐れになっていました。
  水絵の具なので、水に溶いて塗ってみたら少しも食いつかない。ゼンゼン色が乗らない。


  ものすごく速く乾きますが、表面を流れ落ちてうっすら食いつくだけでした。水で溶かないで塗ると、食いつきはするものの、非常に塗膜が分厚く、筆跡も残りやすい粗い面になってしまいます。しかもしばらく乾かしておいても、爪がぶつかるだけで剥げ落ちてしまう。

  そこで調べてみると、アクリルシンナーを混ぜると普通に塗れる、という情報を発見。

  同時にジェッソという専用の下地材も発見しました。下地材なのに、水で筆を洗える優れもの。

  出来る限りシンナーを使いたくないので、匂いのするアクリルシンナーはできれば使いたくない。でも使えば色が乗るという情報がある。また、ちょっと試してみると、メディウムというアクリルガッシュ用のうすめ液のようなもの(全然臭くない)を混ぜて塗ると伸びが良くなるらしいことも発見しました。リターダー、という乾きを遅くする画材を混ぜると筆跡も残りにくくなるとか。

  そこで、アクリルシンナーとリターダーを混ぜて塗ってみる面と、ジェッソ(下地材)を塗ってからメディウムを混ぜて塗ってみる面と、二つの塗装面を作って実験してみることにしました。

  このキット、ガンダムの青や赤・黄色の部分は色分けされたプラスチックなんですが、見ての通りゼンゼン違う色で塗るので、赤青黄色のプラスチック面は下地を作る必要があります。
  そこでその面には白いジェッソを塗って下地を作ってメディウムを混ぜて塗り、プラスチックが(ガンダム特有の緑がかった)白の面には、アクリルシンナーとリターダーを混ぜて塗るだけ、という二つの塗装法を試してみました。
ぺぺろガンダム背面斜め・ライフルとシールド装備の画像


  アクリルガッシュは非常に乾燥が速く、完全に乾いてしまうとアクリルシンナーで辛抱強く溶かないと再び塗れるようにはならないので、混色を取っておくのは難しい画材です。

  今回は混ぜた色を金属皿に移して表面にスポイトで水の膜を作り、数日間の保存を可能にして手早く塗る方法を採用しました。

  なにか他にも混色の保存方法があるのかもしれませんがわかりません。


  さてそして、この 謎のカラーリング 。

  これはいったいナニか? というと、自分の綺麗な手を映したプラモデル組立配信を YouTube で頻繁に行っている Virtual YouTuber 、中島ぺぺろ をイメージしたカラーリングとなっております。
  

以下、だいぶ長い説明が入ります。


  説明しよう!(CV:富山敬さん(ウソ))

  彼女の配信は、手元を映して作業をしながら、非常に長い時間を使って、ゆっくりした機関銃のように、話題をコロッコロ変えながら延々と喋りまくるという特異なスタイルを取っており、たいへんにサッパリした性格を持つ苦労人ならではの(時折脱線転覆する)興味深く気風の良い語り口が特徴です。

  あまりにも長く喋るので長時間付き合うと人生が終わってしまいますが、配信デビュー当初から挑戦しているプラモデルの組み立て配信は長い経験と生来の器用さ、好奇心旺盛な学習意欲の高さと忍耐力が相まって、時折部分塗装をする状態ながらとても進歩の著しい、見ていて楽しくなること請け合いの配信内容となっています(ゲーム配信時は一般的なゲーム配信者の形式と特に変わるところはありません)。

  抜かりなく準備万端を整える慎重な性格をしているくせに、いざやる時は大雑把にねじ込むが故に時折キットの脚が逆についていたりするのは御愛嬌(時折おっ〇いと連呼するのも御愛嬌)。

  その彼女が模型の組立スペースを貸し出す店舗、荻窪駅前のCŌVACO ModelingWorkSpace(コウバコ モデリングワークスペース) さんのアンバサダー(アンバサダーってなに)を務めると供に、自作のキットをお店に飾ってもらえることになりました。

  そのキットとして、彼女が ENTRY-GRADE のガンダム、その中でもガンダムベースという東京のバンダイ直営店舗で限定発売されたホワイト・グレイ1色の【ペインティング・モデル】を選んだのが事の発端です。

  どんな色にするかみんなで決めよう!という配信をすることになり、決まるまで実に長時間の配信を行ったのですが、その際、チャット欄に「みんなでぺぺろカラーのガンダム作ろうぜ」というコメントがありました。

  なるへそ

  と思った私は塗り絵を作って配色を決め、その我ながらテンヤワンヤな配色を見て、これアクリルガッシュの塗装を試す実験台にしようと決めたのでした。
  

長い説明、終わり。


ぺぺろガンダム正面の画像   そんなわけで Vtuber 中島ぺぺろ カラーに塗るべくアクリルガッシュに挑戦したこのエントリー・グレード。
  持っていたのは中島が使用した塗装に適した灰白色1色のペインティング・モデルではなく、武器の無い安価なライト・パッケージ版なので、襟巻・胸(2パーツ)腹部・腰のキャラメル・ランドセルは色つきのプラスチックになっているため、前述の通りそこは白いジェッソを塗って下地を作って塗装。スリッパも赤い成型色ですが、そこには暗い赤を塗るのでジェッソ無しで。
  白っぽいパーツに塗装する面はアクリルシンナーとリターダーを混ぜただけで塗ることにしました。
  単なる白と関節の灰色を除けば、使った色は9色。
  どのみち大した数の絵の具は持っていないので、カーマイン、白、銀、黒、パステルピンク以外は全部混色です。


  ジェッソを塗った面は、筆ムラの出やすいジェッソの仕上がりが粗い面となってしまい、ペーパーで慣らしてからリターダーとメディウムを混ぜて薄く何度も塗装。そこそこ綺麗な仕上がりにすることが出来ました。
  一方アクリルシンナーとリターダーを混ぜただけの面も、最初に部品単位で塗装した段階では特に問題なく塗ることができました(その後エライ事になるんですが・・)
  最後に塗ったダークブラウンが、混色には成功したものの濃度調整に失敗してだいぶ濃い目に作ってしまい、結果隠蔽性は高いもののねっとりと濃い塗膜になってしまいました。
  元来、筆塗りが好きなくせに筆塗りがヘタクソ、という哀しい性質も加わってそれ以外の塗膜も全体的に厚塗り。筆ムラのオンパレードに・・。

ぺぺろガンダム背面の画像

  最初に平滑な面を目指して試行錯誤を繰り返したパステルピンクのシールド表面以外はだいたい盛大な筆ムラが出ております。もう歌って誤魔化すしか・・・

  厚塗り♫  筆ムラ♬  ドンと来い~♪
  はみ出した~って♪  (あんまり)気にしない~♫  ( ;∀;)

  そんなこんなで(哀しい)塗装が終わって、念のため3日ほど乾かした部品を組み立て、写真を撮ってから少し動かしてみると、予想外の事が起こりました。

  一つは、アクリルガッシュの塗膜の厚みで、ギリギリのクリアランスを保って設計されたハメ込みの部品同士が、少しも入りゃしネェ哀しい状態に陥った事。

  エェ、厚塗りしましたよ。しましたとも。筆塗り下手なんデスよ。ていうか塗装全般が下手なんだけど。

  仕方がないから塗装後に噛み合わせ部分をヤスりましたよ、エェ。削って削って、すり合わせてすり合わせて、やっと組みあがった、のは、まぁ、よくある笑い話でございましょう。

  予想外の事態はもう一つ・・。

ぺぺろガンダム右ひざ付近の塗装の剥げ   アクリルシンナーを混ぜただけで塗ってあった可動部付近の塗装が(さっそく)剥げました
  動かした、ったって、写真を撮ってから、少しポーズを変えようとして部品同士がコツンとぶつかりあっただけ。
  あぁぁぁあああぁぁと嘆いても始まらない。
  まだ残っていた混色の塗料をアクリルシンナーで辛抱強く溶いて、色をレタッチしますが、少し乾かした状態で焦って動かしてしまったが最後、そこも剥げる、また違う部品裏側の剥げをレタッチした塗料が違う部品に転写される、等々の悲惨な状況が発生。
  せっかく完成したてんやわんやカラーの塗装が、動かす度にそこかしこでボロボロに(最初に写真を撮っておいて良かった・・)。


  しかしよく見ると、可動で塗装の剥げたのは、ジェッソを下地に塗らないで、単純にアクリルシンナーで溶いてリターダーを混ぜて塗った部分のみ。
  ジェッソを下地に塗ってあった部品、例えばこの写真の四角いキャラメルや、上下ともに可動する腹部のミントグリーン色などは、剥げていません。
  ジェッソを塗らなかったフンドシ部分の明るいブドウ色は、正面を下に向けて何度か置いただけの軽い衝撃(?)でこの文章の右側の写真の通りうっすらと剥げてしまっています。
  一つ上の写真の太もものタイツの色や膝がしらの明るいブドウ色も、ジェッソを塗っていない部分です。こちらは膝頭の裏側と擦れ合って盛大に剥げています。
  ただし、これもジェッソを塗ってはいない関節部分は、塗料をあまり薄めずにベッタベタに厚塗りをしたせいなのか、ぶつかっているのに、剥げてはいません。厚塗りをすると強くなる。そういう特徴もあるのかもしれません。
ぺぺろガンダムふんどし付近の塗装の剥げ


  そんなわけで、完成した 中島ぺぺろ イメージカラーのエントリー・グレード・ガンダムは現在、アッチもコッチも塗膜の剥げた、歴戦の勇士みたいな状態になっております。

  作ったばっかりなのに・・・。

  少なくとも現時点では、アクリルガッシュはアクリルシンナーを混ぜることでプラモデル(ガンプラ)に塗装可能だが、可動部分の付近や、よく擦れ合うかどのような部分については、下地にジェッソを塗っていないと簡単に色が剥げてしまう、ということが判りました。

  可動する部品にはジェッソを塗らなかったので、ジェッソがあれば可動する部品でも剥げることはないのか、ちょっとこの状態では判別できません。

  また、アクリルガッシュは1、2カ月放置することで塗膜が強固になる、といった話も聞き及びますので、もしかしたら、塗装の終了後に1カ月以上置いてから組み立てて動かせば、ここまで簡単に剥げることは無かったのかもしれません。

  いずれにしても、今後また何らかのキットをアクリルガッシュで塗る実験をしてみない事にはどうなるかわからないですね。

  もちろん、欠点ばかりではなくて、アクリルガッシュには、

  1:匂いが全くしない
  2:チューブ絵の具なので、パレットに出して、とても気軽に楽しく塗れる
  3:水で洗えば筆がきれいになる
  4:完全乾燥後でも、キッチンマジックリンに浸せばすべての塗膜が落とせる(バスマジックリンでは落ちません)

  といったメリットがあります。少なくとも可動部分が無いスケールモデルには(よく乾かせば)とても楽しい塗料として使えるものと思われます。

ぺぺろガンダム、アクリルガッシュで塗装中の図


  今回だって、楽しく塗装が出来ました。剥げたけど。

  アクリルガッシュには少々の癖があるものの、使いこなせばきっと面白い模型材料としての側面が見いだせるのに違いありません。精進を続けましょう。


  あぁ、おもしろかった





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