by @Kaikou.          カウンターです  

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つくづくやなタイトルだなぁ


ガンダムこちらです


  ※画像がかなり多いです。重いかも。




こんなヒトに会ってきました。


  東京お台場に実物大ガンダム像が建った、とめっきり評判なので、田舎モンが生意気にも都内までの通勤定期を持っているのを幸い、休日にちょいと足を伸ばして、有名な埋め立て地(カタカナで書くとウォーター・フロント)まで、流行に乗せられて行ってみることにした。

  ずっと建っているわけではないので、見に行かないと消えてしまうからである(2009年の8/31日までの公開だそうデス)。

  ネットで情報を漁ると、建っている像は我々の知っている「あの」アニメそのままのガンダムではなく、後年になってから模型会社がリニューアルデザインを起こした模型シリーズによく似た、二重間接にパネル構造の新デザインであるから、正直ガッカリなのだが、まぁ、我々の知っている、あの単間接で逆さにしても動きそうにない、70年代ロボット風味丸出しの、短パンを履いたのぺっとしたガンダム像が建っていても、面白いのは我々の世代だけで、知らない人が見て感心するようなモノにはならないのだろうから、それはそれでよしとするべきなのに違いない。実際、あのまま1/1スケールで作ったらただのハリボテ感あふれるちゃっちぃハリボテになるだけだ。

  とて納得をしたところで調べてみると、新高速鉄道ゆりかもめの台場駅に近い、とある。そこで路線図を調べ、物好きにも朝早くから電車に乗って、新橋からゆりかもめに乗り換えてみる。乗り換えて見るとこれは鉄道といいながら、車輪がくっついたちっこいのが走ってきた。

  バスじゃん。  運転手いないけど。

  びっくりしながら(←知らなかった)、朝早いのにガンダムさん目当てらしい乗客で満載のゆりかもめに乗り、結構荒い運転にこれまたびっくりしながら、お台場観光しつつ台場を目指す。途中ぐるーっと無駄に大回転してくれるのが鬱陶しいが、眺め自体は悪くない。台場駅で降りてふと前方に目をやると、いた。



意外と風景に馴染んじゃってる。


  なるほどいるわ、とて駅を降りてゆくと、ご親切に案内看板がある。






「こちらです」。

  それはそうなんですけど、「こちらです」とか云われるとスゲェ違和感が。

  そりゃまぁ、実にまっとうな案内だとは思うが、モノがモビル・スーツだけに「こちらです」とかどうなんでしょうか。

  モビル・スーツですよ?  「連邦のモビル・スーツは化け物か!」のモビル・スーツですよ?

  「こちらです」とかアッサリ案内されちゃっていーんですかそうですか。いいんですけど。

  微妙な疑問を胸の内深く沈めながら、大量の見物客に混じって駅を降り、人の波についてゆくと海沿いの公園に案内されて、なにか突き放されたように海に出てしまう。

  ?  あのヒトはどこ?  ヒトじゃないけど。

  と不思議に思ってすたすた歩いてゆくと、木の陰から、ひょいと出現した。




どーん。・・・小さい?


  小さいような・・・大きいような。離れて見ていると、あまり大きく感じない。最初のアニメの記憶(ちなみにスゲェ古い)にあるよりも、一回り小さいように感じられる。

  劇中の描写が、少し大きめだったのかしら?  とてトコトコと近づいて行くと




写真はでかいけど・・・。


  大きいような・・・小さいような・・・。正面に回り込んでみると




右下の警備員サンと比べると・・微妙?





微妙?





微妙?





よく見ると安彦立ちをしている。エライ。





天晴れなお姿。ガンダムには似てないけど。





・・・デカイか。


  






  どうも見ていると、単独で宇宙空間を航行する宇宙機としてはとても小さいような気がするんですが、ニンゲンみたいに動く機械、としてはそこそこ大きい。それでも巨大だ、という気はしてきませんが、燃料搭載量とかそーゆーことを考えるからイケナイ。

  ヒト型の機械としては、無駄なほどデカイ。そーかこーゆー大きさだったのか。

  造ってもらって初めてわかるこのスケール感。造ってくれた工事のヒトバカじゃねぇの? ありがとう

  立派な仕事です。サイズが。

  ってコレ要するにガンプラなんじゃネェか。プラじゃないけど。

  と眺めていたら、並んだヒトにはガンダムさんの股の下をくぐらせてくれるという。

  それはそれは♪  とていそいそと並んでみた。(←バカじゃねぇの?)   









でかいでかい


  並んでみると、より近くに寄ることができる。ごく近くから見上げると、やっぱりデカイですな。

  でもスグに股くぐりをできるわけではなくて、一定時間、並んで待ってなきゃイケナイ。約40分ほど、うだるような炎天下にハンカチ被って待ってみました。どんどん近寄ってゆく。

  待っていたら、イベントとやらでなつかしいメロディとともに、ガンダムさんがぶしゅーっと煙を噴いた。

  冷却用ヘリウムガス排気の表現・・?  

  壊れちゃったようにしか見えな・・いやなんでもありません。




ぶしゅー


  イベントが終わったらようやく股の下をくぐらせてもらえるけれど、下を通る間は、触ってもいいが立ち止まらないでください、とのことである。客が溜まるのを防がねばならんらしい。

  しからば、ゆっくりと撮影するわけには行かないので、ちょこちょこと動き回りながら連写するつもりで待ち、さぁどうぞ、でガンダムさんの足下に近づきながら、くるくるくる、と器用に立ち回って連続撮影を想定。んで決行。



ばしゃ





ばしゃ





ばしゃ





ばしゃ





ばしゃ





ばしゃ





ばしゃ





ばしゃ





ばしゃ


  もっとたくさん撮ったが、しつこいのでこれくらいで、と思ったら、通り抜けると、立派なおしりが待っていた。




ばしゃ


  少し離れると、見慣れたせいかちょっとだけカッチョ良く見える、と思えないこともない。




鉄腕アトム。いやガンダムさん in Tokyo.





哀愁の80年代、とは違うよなぁ、やっぱ。





このカットはカッコいい。


























  撮っていたら、直射日光でふ〜らふらになったので待避。弾幕薄いよ!  なにやってんの!?  と思ったら、弾幕は薄いがドリンクは高いのであって財布が薄くなった。

  休憩しながら遠く眺めると、なんだかオモチャに見えてくる。

  実物大の巨大ガンプラなのだからそりゃあオモチャなのだが、なんとなく、モノとしてオモチャだ。












  無数のヒトが見上げている。お立ち台に登って、1枚いくらの記念写真に列を作るヒトもいる。わたしのように、オモチャの股くぐりに大汗をかいて並ぶヒトもいる。親子連れもカップルも写真野郎もいる。終いには老婆すら日傘をさしてあのでかいヒトを眺めている。

  あぁ、こりゃ山車なんだな、と思ったら可笑しくなった。祭りなのだ。

  白地に赤、青、黄色のトリコールの、なんと立派な山車だろう。しかも二本の足で(文字通り)立っている。







  天晴れガンダム山車祭り。30年前、まさか、このヒトが祭りの主役を堂々と張るなどとは思わなかった。しかも立派な、立派すぎるほど立派な姿で(なにしろ本当に18メートルあるのだ)。

  乾杯、てなもんで、ゆっくりとウーロン茶のペットボトルを掲げてみた。ファーストガンダム世代には、まさに、夢のような祭りじゃござんせんか。ガンダムさんのデザインだいぶ違うけど(←こだわっている)。

  もっと撮ってやる、とて、写真をさらに撮って帰った。









イゴイた。
2回目のイベントだったらしい。またぶしゅーとかやって、アタマがイゴイた。





















  また鉄道という名の無人バス(ゆりかもめ)の荒い運転に揺られて、台場の風景が過ぎ去るのを眺めていると、近くの席で外国人の皆様がガンダム像の話をしている。「F91?」とか云ってるマニアな中年の中国人もいた。

  もはやワールドワイド・ガンダムさんですか、と独りごちながら振り返ると、あのヘンテコな像は夢だったような気がしてこないこともない。

  写真に写っているんだからそりゃあ在ったんだろうけど、「こちらです」とか云われちゃうモビル・スーツというのが、もはや我々の世代の気負いをはるか遠くにうっちゃっていて、我々の知るモビル・スーツとは何か違う。

  お恥ずかしいのを承知で云うなら、我々にとっての「モビル・スーツが好き」とは、すなわち世間やら、流行やらへの反発そのものであったのだ。

  ファースト世代のガンダムというのは、子供たちの≪微妙な≫ムーブメントではあっても、決して世間の主流ではあり得なかったし、格好いいから、というものでもなかった(そう、なかったのだ)。

  それはそれまでの「常識」「定番」の形式を覆してくれる、新たな革命のような匂いを、密やかにまとわりつかせながらプラモデルになっていたのである。だからリアリティがあろうが無かろうが、プラモの出来が悪かろうが、そんなことはどうでもよろしかった。偶像なのだから。

  それは革命と反抗の偶像であったことを思い出すと、「こちらです」とかゆわれちまうモビル・スーツは、やっぱり、我々のモビル・スーツとは違うなあ、と思うしかない。

  物凄く、良く造られているとは、思いますケドね。

  どちらかといえば、それはやっぱり、「コレじゃないロボ」に近いのだ。そのものだけど、「コレじゃない」。デザインもゼンゼン違うしね(←しつこい)。

  祭りの主役を張ってしまうようなビッグでメジャーなガンダムさんは、もう、我々のガンダムさんじゃないよなぁ、と、思ってしまった中年が一人ここにイマスヨ、と、これはそういう話なのである。

  あらためて実物大で見せてもらわなければ、そうは思わなかったかもしれないけどネ


ねぇ、オジサン。(2009/08/16)




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