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私が読んだ本たち

浅田次郎 (・鉄道員)

今回のこの1篇「角筈にて」
表題作の「鉄道員」よりもこちらの方が印象に残ってます。 「鉄道員」の映画も見てみたくなりました。

野尻抱介 (・魔法使いとランデヴー・ピニェルの振り子・沈黙のフライバイ・クレギオン7 ベクフットの虜・クレギオン6 アフナスの貴石・クレギオン5 タリファの子守唄・クレギオン4 サリバン家のお引越し・クレギオン3 アンクスの海賊・クレギオン2 フェイダーリンクの鯨・クレギオン1 ヴェイスの盲点・太陽の簒奪者・ふわふわの泉・私と月につきあって・天使は結果オーライ・ロケットガール)
「ロケットガール4 魔法使いとランデヴー」

何年ぶりでしょうか続きなんてもう出ないと思っていたのに。 まぁアニメのタイアップらしいので次はなさそうです。 内容は短編がいくつか。こんな感じで時々書いてくれると個人的にもうれしいですね。 表題にもなっている最後の短編は実際の「はやぶさ」におきたトラブルを元にしたお話 なようで新鮮な印象でした。 動機付けの部分が強引でしたがまぁそこは置いておきますか。

「ピニェルの振り子」

これはまた大胆な設定で、ついて来れない人多数な気が。そのへんを置いておくとすると なかなか良いお話。 いちおうシリーズもののようだけれどまだこの一冊しか出ていないみたいです。 次を期待したいのですがこの巻がきちんと終わりすぎているのかも。

「沈黙のフライバイ」

久しぶりの新刊。雑誌に載せていた短編をまとめた短編集だそうです。 作品の少ない作家さんだと思っていたけど、コンスタントに短編を書かれていたんですね。 SFというと派手なものをイメージしがちなのですがこういうのもまた良い。 海外作品にはない味があります。というより海外とか日本とかそういう区分関係なく、 希な作家さんですね。

「クレギオン7 ベクフットの虜」

今回でクレギオンシリーズも終了となります。というか絶版になったらしいですが。 作者の人もそれを意識してか最終巻としてまとめに入っていました。 とはいえ残念ですね。このシリーズはまだまだ続きを読みたい気がしてなりません。 せっかく早川書房さんから復刊したのでついでに続編を希望です。

「クレギオン6 アフナスの貴石」

今回はいきなりミリガン運送解散、社長さん失踪などなどいつもと違う展開です。 というのは置いておいて、実はファーストコンタクトものだったと。 この題材は映画やら何やらで語り尽くされているんじゃないかというくらいですが、 それでも毎回新鮮な気持ちで読めてしまうのです。まぁ好きだからなんだと思いますが。

「クレギオン5 タリファの子守唄」

今回は主役のマージさん。 1巻からもうかなり主役に食われててかわいそうだったのが今回は良い味出てますね。 しかし影の主役は舞台になる惑星の方でしょう。 毎回色々な惑星が出てきます。これを想像するだけで楽しい。 SFってそういうものですよねぇ。という考えを再確認できるこのシリーズです。

「クレギオン4 サリバン家のお引越し」

このシリーズも4作目です。 最初はかなり軽い感じのSFかと思っていたんですがだんだん考えを改めなきゃならなくなりそうです。 ただの引越しでここまで...。 「スペース・コロニーは、それ自身の巨大さによって、ひとつの安全性を確保していたのだった。」
最後に著者のあとがきより。 「本書で描こうとしたのは、そんな果てしない未来史における、ありふれた点景であり、当事者にとっては生涯最大の事件です。」

「クレギオン3 アンクスの海賊」

今回は彗星とそこの星系を根城にする海賊のお話です。 シリーズ物なのですが毎回違うネタを読ませてくれるので飽きないですね。

「クレギオン2 フェイダーリンクの鯨」

なんとなく展開が予想できてしまったりと退屈?な感じでした。 それでもあっさりと読めてしまうボリュームなので問題なし。 ただしSFしているところはきっちりとSFしているのでそこは良いですね。 最近SF要素が不足している方には最適です。

「クレギオン1 ヴェイスの盲点」

久しぶりに購入したSFです。じつわあんまり読んでないのですが好きなのです。 本職?はミステリなのですが。とりあえずこの作者さんのはでふぉで購入。 なにやら10年も前のデビュー作なようで読んでいて初々しさが伝わってきてそこもまたヨシ。

「太陽の簒奪者」

いわゆるファーストコンタクトものの中でも非常にインパクトのある作品でしょう。 最後に会話が成立したシーンなど見事でした。

「ふわふわの泉」

これを読んで何も感じない人は、たぶんきっと技術者にはなれません。 作者もあとがきに書いていますが、これは若い人に読んでもらいたいなぁと思ってしまうのは私ももうそんなに若くないってことでしょうか?

「ロケットガール」

これを読んで始めに思い浮かんだのは「オネアミスの翼」でした。 どちらも作者のロケットに対するロマンと愛情を感じます。 限りなく現実に近いSF、この作品を一言で表すとこういう言葉が似合うのでしょう。

ローレンス・ブロック (・八百万の死にざま・おかしなことを聞くね)
「八百万の死にざま」

最後の1シーンが印象的です。 それから、自分にはこういうものがあっているんじゃないかと言う気がしました。 なんとなくそう思うのです。

「おかしなことを聞くね」

ミステリの短篇というのはあまり読んだ事が無かったのですが、非常に面白いです。 きっちりと描きこまれた長篇とはまた違った面白さがあり1冊が分厚い短篇集でも読んでいてぜんぜん飽きないです。 ただ、やはり短篇というのははやらないのかあまり出版されていないのが残念です。

小林泰三 (・玩具修理者)

日本産のクトゥルー神話の中で面白かった物というのは少ないのですが、これはその面白い物の中に入るでしょう。 文体というか作品中の雰囲気がすばらしいです。 なんというか読後感がHPL作品と良く似ているんじゃないでしょうか?

東野圭吾 (・秘密・どちらかが彼女を殺した)
「秘密」

映画を見ていたのであらすじはわかっていたのですがそれでもやはり良いお話です。 素直に感動できるのはきっとそれだけ丁寧に書かれたお話だからなのだと思います。

「どちらかが彼女を殺した」

最期まで読んでも犯人が明かされない推理小説ですが、結果は惨敗でした。 キーとなる事柄まではわかるのですが、そこから犯人を特定するのが難しい。 容疑者は二人しかいないので確率は2分の1なのですがそれでは面白くないですし。

コリン・ウィルソン (・賢者の石)

人間の進化を扱ったSFとして、事実と虚構の入り交じった小説として読むと面白いのかもしれませんが、けっこう難解です。 言いたいことはわかるのだけどいまいち説得力が無いせいかもしれません。

森岡浩之 (・星界の断章2・星界の断章・星界の戦旗・星界の紋章)
「星界の断章2」

今回は星界シリーズの正統(?な短編集です。なので本編を読んでいないと よくわからないことが多いはず。逆に読んでいれば楽しめるはず。 とはいえ例によって本編の続きが読みたいですなぁ。

「星界の断章1」

星界シリーズにしては珍しい短編。というよりもいいのかこれという内容な気が。 外伝というにしても遊びすぎ?な内容もあって賛否両論になりそうです。

「星界の紋章シリーズ」

WOWOWでアニメが放映されていたので試しに見てみたらこれが意外と面白い。 ついでに原作のほうも読みたくなり、一気に3冊読んでしまいました。 とはいえこれはSFとしても読みごたえがあります。

鯨統一郎 (・邪馬台国はどこですか?)

一見無茶苦茶なへ理屈に見える物が、最後まで読み終えてみるとなんとなく納得してしまう、それだけ面白い、話に引き込まれてしまうのはやはり著者の力量でしょう。

木原浩勝 中山市朗 (・新耳袋)

百物語の中でも現代版ということで収録されている話のリアリティーが群を抜いています。 怖さということだったら作り話であるホラー小説なんかよりよほど怖いのではないでしょうか。

夢野久作 (・少女地獄)

内容もそうですが古い言葉使いのために何やら不思議な印象を受けます。 今の時代に読むということで特にその効果が高まっている気がしてなりません。 もちろん内容が気に入っているからなのですが。

井沢元彦 (・神霊の国 日本・天皇になろうとした将軍 ・「言霊の国」解体新書)

一言で言うと教科書には載らない歴史でしょうか。 こういうものを読むと歴史というものの面白さを再発見できたようで嬉しくなってしまいます。 例えば年表なんかを見るとただの記号の羅列にすぎないのかもしれませんが、その時代に確かに人が生きていたんだと思えます。

井上雅彦監修 (・トロピカル・チャイルド・時間怪談・ラブフリーク・グランドホテル)

ホラーアンソロジーだそうです。 同じテーマの短編を多数集めたものですが、それぞれに特徴があってなかなか読みごたえがあります。 どんな人でも一つぐらい気に入る物があるでしょう。

「トロピカル」

今回のこの1篇「黒丸」
ラストシーンの最後のひとことに意表をつかれました。 こういうことは短篇でしかできないだろうし、そういう意味で必読かもしれません。

「チャイルド」

今回のこの1篇「夢の果実」
今回は選ぶのに悩みました。 どの作品も非常に良いというのはもちろんですが、それ以上にホラーと子供というのは似合うということでしょう。

「時間怪談」

今回のこの1篇「塔の中」
時間が繰り返す話が多い中でこれが一番気に入りました。

岬兄悟・大原まり子(・SFバカ本 天然パラダイス篇・電撃ボンバー篇・人類復活篇・黄金スパム篇・宇宙チャーハン篇・リモコン変化・彗星パニック・白菜篇プラス・たわし篇プラス・ペンギン篇・たいやき篇・だるま篇)
「天然パラダイス篇」

今回のこの1篇「超限探偵Σ」
一応ミステリなんでしょうがこれは完全に反則です。 まあ、でもそういう目で見なければ立派なSFなんだと思います。 つまり、このシリーズにぴったりということですね

「電撃ボンバー篇」

今回のこの1篇「SOW狂想曲」
全体的に不作だった今回ですが、その中でもこれ。 なんとなくSFファンの共感を呼ぶ?作品でした。反感も呼びそうですが。

「人類復活篇」

今回のこの1篇「床下世界」
こういうお話がSFらしくて良いですね。 いつもと同じはずの日常から不思議な世界へ...。 最後の一文もオチとしてとても優秀です。

「黄金スパム篇」

今回のこの1篇「はなのゆくえ」
なんとなくこういう話に惹かれてしまいます。地味だけど後味の良い作品です。 それにしても今回は作家さんの中でも女性陣ががんばっていたように思います。 このシリーズに合っているんでしょうか?

「宇宙チャーハン篇」

今回のこの1篇「われはなまはげ」
今回はちょっと不作かなと思っていたところでこれに出会いました。 こういう話、私はとても好きです。短篇だからこそ活きてくるのだと思います。

「リモコン変化」

今回のこの1篇「老人憐れみの令」
今回はちょっと不調かもしれません。全体的にこれは!というものが無かったです。 その中で「老人憐れみの令」は最後にきちんと落ちもついて少し物悲しい。 こういうのも良い感じです。

「彗星パニック」

今回のこの1篇「楽しい通販生活」
こういうのをやられてしまうともうやったもん勝ちというかただ笑うしかないです。 さらにこれをアンソロジーの一番頭に持ってこられてはもう完璧にやられてしまいました。

「白菜篇プラス」

今回のこの1篇「ネドコ一九九七年」
今回はすごく悩みました。「地獄の出会い」もすばらしいです。 特にSFという点からみると「地獄の出会い」のほうが良いかもしれません。 が、あえてそれを選ばずにこちらにしました。なぜかとても共感できてしまったからですが...。

「たわし篇プラス」

今回のこの1篇「ジュラシック・ベイビー」
残りの短編がすべて下ネタという中でこれだけちょっと他と違う空気を持っていました。 最初の1行で読む者を惹きつけ最後の1行できちんとまとまっている。 それらがとても印象的でした。

「ペンギン篇」

今回のこの1編「宇宙人もいる僕の街」
おかしな空気の漂う短編です。 ”宇宙人”を”変な人”に変えても違和感なくおさまりそうだけど、やはり”宇宙人”だからこそこの味が出るのかなとも思います。

「たいやき篇」

前巻(だるま篇)にも増して活きのいい短編がそろっています。 最近はこういう短編集はほんとに貴重なので長く続いて欲しいです。 では恒例?の今回のこの1編は「ぎゅうぎゅう」です。

「だるま篇」

たまにはこういうのも良いですよね。息抜きに。 ちなみにお気に入りは「踊るバビロン」あとは「花モ嵐モ」等など。

遠藤周作 (・王妃マリーアントワネット)

これを読んだあと改めて歴史ものは面白いなと思いました。 やはり人間がきちんと書かれているからかもしれません。 単に個人的に好きなだけなのかもしれませんが。

マーク・トウェイン (・マークトウェイン短編集・トムソーヤーの冒険)

19世紀のアメリカ、そこがどんな世界だったかが少し見えたかもしれません。 主人公トムの日常をそのまま切り取ったかのような世界。 少なくともはしがきにある作者の計画は成功したのではないでしょうか?

森博嗣 (・φは壊れたね・ナ バ テア・ZOKU・虚空の逆マトリクス・四季 冬・四季 秋・四季 夏・四季 春・アイソパラメトリック・スカイクロラ・赤緑黒白・朽ちる散る落ちる・捩れ屋敷の利鈍・六人の超音波科学者・恋恋蓮歩の演習・墜ちていく僕たち・今夜はパラシュート博物館へ・女王の百年密室・魔剣天翔・夢 出会い 魔性・封印サイトは詩的私的手記・月は幽咽のデバイス・そして二人だけになった・人形式モナリザ・黒猫の三角・地球儀のスライス・森博嗣のミステリィ工作室・すべてがEになる・有限と微小のパン・数奇にして模型・今はもうない・夏のレプリカ・幻惑の死と使途・まどろみ消去・封印再度・詩的私的ジャック・笑わない数学者・冷たい密室と博士たち・すべてがFになる)
「φは壊れたね」

新シリーズついに開始。西之園さんがもうすっかり大人になっていて 時の流れを感じてみたり。 話の方は意外と地味な内容になっていて特にびっくりするようなこともなく終了。 巻末の解説があの西尾維新さんで何を書いているんだろうと思ったら ひたすらほめている内容で違う意味でびっくりしてみたり。

「ナ バ テア」

スカイ・クロアの続編。今回も容赦なく進んでいき最後には。。というお話。 前回とは主人公が変わって舞台は前回の少し前になるようです。 2作目でこういった話の組み立て方は珍しいのかな、もともと1作で完結というわけ でもなかったようなので。さて続きは(?

「ZOKU」

これは珍しいタイプ。作者さんの趣味をそのまま小説にしちゃったようなお話。 こういうの出しちゃっていいんですね。 シリーズ化はまぁ難しそうだけど一発ネタとしてはオモシロイですね。

「虚空の逆マトリクス」

久しぶりの短編集。ほとんどは単発ものだけど一本だけシリーズものが。 なるほどここでプレゼントをもらって次へ続いていたんですなと。 ちゃんと順番に読んでいなかったのでこんなところで納得。 他はまぁ普通の短編だったかなぁと。

「四季 冬」

四季四部作完結編。今回は四季さんがメイン。なのだけどとても難解。たぶん全部を 理解しようとかは思わない方が良いのでしょうね。時間やら場所やらが不連続に 並んでいてさらにはっきりとは記述されない。 天才としての四季さんの思考を模倣というかトレースしたというか。 それでも読み物として話が成立しているのは素直にすごい。

「四季 秋」

四季四部作第三作目。あの事件のあとの四季さんのお話。のはずなのだけど、 あんまり出番がなかったですね。むしろ西之園さんのお話か。 そして最後にもう四季さんのことがどうでもよくなってしまうような衝撃の事実が。 まさかそんなことになっているなんて。このあとが本当に楽しみになってきた。

「四季 夏」

四季四部作第二作目。少し大人になった四季さんのお話。そして、かつて何が起こったか が描かれるお話。ついでに各シリーズの登場人物さんたちが豪華出演というところ。 ずっと付いてきた人にはうれしいサービスか。こういう読み方をしてしまうと ちょっとチガウとか言われそうだなぁ。

「四季 春」

これはなんだろう。四季四部作の一つではあるのだけど、ミステリのようで そうでないような。なんとも不思議な感じ。登場人物のうち二人で一人だったり 観念的な会話も多くてなにやら難解。それでも今までのシリーズを読んでいたから わかるところもあり、これが初見だったらどうだろう。 よくわからないまま終わりそう。

「アイソパラメトリック」

写真+短編集でした。読み物としてはちょっと弱いですかね。 思いっきり趣味に走っているのでたまにはこういうのも良いかなと思える人向き。

「スカイ・クロラ」

今がいつで、ここがどこで、自分がナニモノなのか、一切の説明なしに始まる物語。 主人公は戦闘機のパイロットで戦争をしている。そのくらいしかわかりません。 それでも物語は容赦なく進んでいき、そして最後には。。
というお話。

「赤緑黒白」

シリーズ完結編なようで少し残念。そして最後にふさわしい相手役というか犯人でしたね。 このシリーズで大きな立ち回りやら銃撃戦なんてめったにお目にかかれません。 ラストシーンで登場する少女もなにやら意味深。次のシリーズが楽しみです。

「朽ちる散る落ちる」

前々作での舞台であった研究所での続きのお話。封印されていた地下室がついに 開いて。。一方有人衛星でもう一つの密室が。。という感じでしょうか。 研究所でのシーンもそこそこあるので前々作を読んでおかないとわからない部分も あるかもしれません。 しかし最後のトリックの仕掛けの大掛かりさにはちょっと脱帽。

「捩れ屋敷の利鈍」

保呂草潤平と西之園萌絵の対決。これだけでお腹いっぱいです。ついでに お得意の密室ミステリ。もう言うことはないですね。たまにこういう趣向を やってくれるとファンとしてはうれしいかな。

「六人の超音波科学者」

陸の孤島、通じない電話、降りしきる雨、正体不明の殺人者、ミステリの要素を めいっぱい詰め込んだ一冊となっています。 そして最後にはお約束の展開に。ミステリとして見てしまうと最後があっさりと しすぎていて物足りなさを感じてしまうかもしれません。 とはいえ、このシリーズはそれだけではないのであまり関係無いですね。

「恋恋蓮歩の演習」

ラストの手紙にこのお話のすべてがあるわけですが間違って最初にそこを見てしまうと 悲しいことになりますね。素直に順番に読んで「なるほど。」となるのが吉です。 とはいえ多少腑に落ちない点もあったりします。 警察のヘリに細工したのバレたらたとえ盗品が出てこなくてもつかまるだろ、とか。 ネタバレっぽいのでこのへんで。

「墜ちていく僕たち」

シリーズ物じゃないオリジナル短編集です。テーマは性転換(?でいんでしょうか。 あいかわらず謎です。今回のはいつもに輪をかけてよくわかりません。 が、何故かそこが良い。不思議な作者さんです。

「今夜はパラシュート博物館へ」

今回は短編集です。それも雑多なものの寄せ集めのようで。あんまり統一感がない。 それもまた良し。 しかし、この作者さんの短編は最後まで説明されないのが多いですね。 思わずさらっと流してしまいそうになりますが、謎は謎のまま...。

「女王の百年密室」

近未来、管理社会なんてキーワードが出てくるとどうしても支配からの脱却なんてテーマが浮かんでしまいますが、この作品はとても静かですね。 緩やかに滅びへと向かう、そんな雰囲気です。 正直ミステリとしてはどうしても読めなかったのですがこの雰囲気だけは好きになれそうです。

「魔剣天翔」

飛行機が好きなんですねぇとまず思いました。 私も飛行機は乗るより見るほうが好きな人ですが、そこまでの思い入れはないなぁと。 子供のころは飛行機のラジコンがうらやましかった一人です。 ミステリとしてはトリックが意外とあっさりだったりと、軽く読めてしまう一冊です。

「夢・出会い・魔性」

何やらあっさり終わってしまった感があります。誰が犯人かとかトリックとかはまぁともかく、今回の犯人像はどうなんでしょう。 どこかで見た感じがするような気がしないでもないです。 途中で犯人のモノローグ?が入るのですが、あんまり共感できなかったですねぇ。 むしろもう一人のキーパーソンの女性(いちおう伏せ)が本当の主役でしょうか。 最後にちらっと希望が見えるところがこの作者さんらしくない(笑。

「封印サイトは詩的私的手記」

Web日記を本にしたシリーズ第3弾のようですが、第2弾をまだ見てないです。 買い忘れです。とはいえこのシリーズはどこから読んでもあんまり関係ないですが。 さて、今回も読んでいくうちにだんだんMACが欲しくなる催眠効果付きです。 そのうちMACを買ってしまう日も近い?

「月は幽咽のデバイス」

よく考えてみなくても殺人事件も起こらないこの作品てどうなんでしょう。 ミステリという意味ではたしかにミステリなのでしょうがこういうオチというのもなんというか卑怯という気がしないでもないような...。

「そして二人だけになった」

今までこの作家さんの作品はいくつも読んできましたが今回ばかりはもう一回読み返してみないことにはよく理解できなさそうです。 けっきょく二人だったんでしょうか?それとも一人?謎は深まるばかりです。

「人形式モナリザ」

「馬鹿みたい。」そしてそれを最後まで引っ張ってしまうのがこの作者さんです。 新シリーズが始まって2作目なわけですが良いですね。 この手の遊びはとても好きです。

「黒猫の三角」

新シリーズ開始なのだそうです。中身はと言うとあいかわらずな内容でした。 それにしても一貫して、動機などに意味は無いという主張ですね。 でもこれは前作のシリーズよりはるかに登場人物の行動が読めません。

「地球儀のスライス」

今回のこの1篇「僕は秋子に借りがある」
この短編集はいつもと雰囲気が違います。なんて解釈していいのか困るお話が 多いです。この作者の方はこういうお話も書くのですね。

「森博嗣のミステリィ工作室」

この手のエッセイ?はあまり読まない方なのですが、これはなかなか楽しめました。 前半の100冊紹介よりも後半のエッセイ部分のほうが良いですね。 なんというか、とても参考になります(笑)。

「すべてがEになる」

Web上に掲載された氏の日記を本にしたものです。 ジャンルとしてはエッセイでしょうか。 ある種の人にとっては非常に共感することが多く、思わず笑みがこぼれてしまったりしますが、その他の人にとってはたぶん意味不明なのでしょう。

「有限と微小のパン」

このシリーズの第1作に登場した例の博士が再登場です。 もうこれだけで読む価値があるでしょう。 そして、本作でこのシリーズが終わってしまうのが残念でなりません。

「数奇にして模型」

犯人にもっとも相応しい人物が犯人だった。 それなのに、普通では考えられないお話になっているのが、この作品を魅力的にしているのです。

「今はもうない」

とにかく最後の展開にびっくりです。 まさか、ミステリを読んでいて本題と関係のないトリックにびっくりさせられるとは思いませんでした。 関係ないからこそ、いきなりふっと出てきてびっくりしたのかもしれません。

「夏のレプリカ」

下の「幻惑の死と使途」と対になっています。 この2冊が同時に出版されていたのであれ?と思っていたのですが、不覚にも2冊目を読むまで気が付きませんでした。 内容的にはまったく別のお話なのですがこういう試みも面白いです。

「幻惑の死と使途」

最後の一幕で明かされる犯人と被害者の「入れ替わり」なかなか衝撃的でした。 今までの犯人に対する評価ががらっと変わってしまう、これこそミステリの面白さってやつです。

「まどろみ消去」

今回のこの1編「やさしい恋人へ僕から」
この人の短篇集は初めて読みましたがどれも秀作ぞろいです。 中でもこの「やさしい恋人へ僕から」は最後に気持ちよく裏切ってくれるし何よりその不安定な語り口が非常に良かったです。

「封印再度」

いちおうこれもシリーズ物なので主人公2人の関係も少しずつ進展していくみたいです。 ということは、最後はどうなってしまうんでしょう?次を読むときにそっちを気にして読んでしまいそうです。

「詩的私的ジャック」

毎回読んでいるとはっとさせられる言葉に出会います。 それは主人公である犀川助教授の言葉であったり準主人公?の国枝助手の言葉であったりしますが、いつもそこで考え込んでしまいます。 こういう言葉に出会いたいためにこのシリーズを読みつづけているのかもしれません。

「笑わない数学者」

あいかわらず相手役?の人物像がすごいです。 こんな人間はいないだろという気もするのですが、毎回それが面白くて読むのが楽しいです。

「冷たい密室と博士たち」

最後に明かされる謎はわかってみると謎でもなんでもなく、それを謎にしていたのは読者自身なのだ、というような指摘が解説の中にありましたが、なるほどと思います。 おそらく、その部分を読者は非常に面白く感じるのだと思います。

「すべてがFになる」

理系ミステリと言われるわけがわかった気がします。 が、ちょっと説明せりふが多いかもしれません。 この作品がおもしろいのは、ミステリとしては普通だったかもしれませんが、犀川教授というようなキャラクターが探偵役だという点に尽きると思います。

夢枕獏 (・陰陽師 太極の巻・龍笛ノ巻・生成り姫・鳳凰の巻・飛天の巻・付喪神の巻)
「陰陽師 太極の巻」

このシリーズだけはマンネリ大歓迎。これからもコンスタンスに出してくれるとうれしいですね。 晴明と博雅の二人が座って酒を飲んでる図だけでなんというか安心しますからね。しかし、 メインの二人のほかにも露子姫だとか道満だとか準レギュラーの方々も毎回活躍していて 楽しいかぎり。

「陰陽師 龍笛ノ巻」

今回も良い感じですね。特に目立ったエピソードはないんですが、その分安心して 読むことが出来ます。各話ごとにつながりがあるというわけでもないので、このまま 長く続けて欲しいシリーズですね。

「陰陽師 生成り姫」

なにやら読んだことのあるエピソードだなぁと思っていたらコミック版ではすでに出ている話ですよね。 これ、小説では長編として書かれていたんですね。 一度読んだ話とはいえなかなか楽しく読ませていただきました。 やはり小説には小説の楽しさがありますなぁ。

「陰陽師」

夢枕獏さんの本はこれが初めてなのでよくわからないのですが、コミックの雰囲気と同じでした。 でもこっちが原作なのでコミックが原作に忠実だと言った方がいいでしょう。どちらにしろこの雰囲気は大好きです。

アーシュラ・K・ル・グィン (・所有せざる人々・闇の左手)
「所有せざる人々」

闇の左手同様考えさせる小説です。 時間の同時性原理とかオドー主義とかこころ惹かれます。 でもやはり一番魅力のある謎は主人公でしょうか?

「闇の左手」

エクーメンという組織に強く惹かれました。 たった一人でやってきた異星人の主人公から見た世界というこの話の舞台設定がそれだけ見事だったということかもしれません。

司馬遼太郎 (・この国のかたち)

古本で見つけたので思わず買ってしまいました。 日本という国の成り立ち、歴史についての興味深いエッセイです。 学校では教えてくれない日本史と言ったところでしょうか。

綾辻行人 (・緋色の囁き)

この小説はミステリではないのかもしれません。 それ以外の全体に漂う雰囲気のようなものが素晴らしいです。多少くどい所はありますが。

パトリシア・コーンウェル (・検屍官)

検屍官が主人公のミステリです、タイトルそのままですが。 可もなく不可もなく特に目立ったものはありませんでしたが、その分正統派なのかもしれません。

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