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シャンプーの役割
シャンプー剤は、頭皮や毛髪に付着した汚れを洗浄して清潔にし、フケやかゆみを抑え清潔に保つために用いる清浄用頭髪化粧品です。

シャンプー剤の効能の範囲は、
・頭皮、毛髪を清浄にする
・頭皮、毛髪をすごやかに保つ
・フケ、カユミがとれる
・フケ、カユミを抑える
水では落とせない汚れを落とす
  ※分泌された皮脂
  ※油性の整髪量

毛髪の汚れにはいろいろありますが、大きく分類すると身体の内部からの汚れと外部からの汚れに分けることができます。●内部からの汚れ
・皮脂腺から分泌される皮脂
・汗腺から分泌される汗
・フケ(皮膚の新陳代謝によって剥がれ落ちた細胞)等
●外部からの汚れ
・大気中のちり、ほこり
・白動車などの排気ガス
・たばこの煙り/調理時の油煙
・スタイリング剤などの頭髪化粧品、等

髪の毛に付着した汚れには水で洗い落とせるものもありますが水では落とせない汚れもあります、体内から分泌された皮脂など、油性の汚れや残留物がそれです、これらの汚れを髪の毛から落とすことがシャンプー剤の役割なのです。

良いシャンプー
(1) 適度な洗浄力を持ち、きしみの少ないこと。
(2) 泡立ちが良く、きめが細かいこと。
(3) 泡切れが良いこと。
(4) 洗髪中の指通りが良いこと。
(5) 眼や頭皮に対する刺激がないこと
(6) パーマやヘアカラーを長持ちさせるには「pHコントロール」の高いシャンプーを使う事が良い
シャンプーの形状、種類
§ 透明液状シャンプー
§ 乳液状、パール状シャンプー
§ ペースト状シャンプー
§ ゲル状シャンプー
§ 粉末状・固形状シャンプー
§ エアゾールシャンプー
シャンプーの中身(構成)
通常シャンプー剤には、主剤の界面活性剤以外に、髪のコンディションを整えたり商品としての質を安定させる成分など様々な助剤が配合されています、シャンプー後毛髪の艶や感触、櫛通りといった仕上がり感を高めるために配合されるコンディショニング剤、泡立ちを補うために添加される増泡剤、シャンプー剤の粘度を調整する増粘剤、商品としての性質を安定させる防腐剤、そのほかに香料、色素などが配合されていたりします、シャンプー剤を弱酸性にするためにペーハー調整剤が配合されている商品もあります、毛髪はペーハー4.5〜5.5の弱酸性でいちばん安定しますので弱酸性のシャンプー剤で洗った方が毛髪の保護になると考えられています、このようにいくつかの成分が組み合わされて製品ができているのです。

界面活性剤の概要:界面活性剤とは、化学物質の構造中に、水になじみやすい部分(親水基)と油になじみやすい部分(親油基)を持っている物質を指します。水にも油にもよくなじむという性質を持っているため、本来混ざり合わない油と水を混ぜ合わせる「つなぎ役」として働きます。これは、化粧品にも、乳化・洗浄・平滑・帯電防止等さまざまな巨的で配合されています。乳化とは、油と水を混ぜ合わせて乳液状やクリーム状の物質をつくることを言います。また洗浄は、地肌や髪に付いている皮脂等の油性汚れをシャンプーの泡で包み込んで、すすぎの水で洗い流す働きです。そして、平滑・帯電防止とは、リンスやトリートメントにより髪をコーティングしてなめらかにし、静電気を防ぐことです。さらに界面活性剤は、水に溶かした時の性質によって、「陰イオン性」「陽イオン性」「非イオン性」「両性」の4種類に大別されます。

陰イオン性界面活性剤
陰イオン性界面活性剤は、水に溶けた時、界面活性を示す部分が陰イオン性を示すもので、アニオン界面活性剤とも言い、洗浄剤・乳化剤・分散剤等として広範囲に用いられています。

@高級脂肪酸石けん
高級脂肪酸(R・COOH:C12〜C22の飽和脂肪酸等)をアルカリ類(水酸化力リウム・水酸化ナトリウム・トリエタノールアミン等)で中和したもので、溶液はアルカリ性を示します、優れた起泡力・洗浄力を持つため、石けん・洗顔クリーム・シェービングクリーム等に用いられます。
A高級アルコール硫酸工ステル塩(アルキル硫酸塩:R・OSO3M)
高級アルコール(C12〜C18が大半)を硫酸化した後、アルカリ類(水酸化カリウム・水酸化ナトリウム・トリエタノールアミン
等)で中和したものです、泡立ち・洗浄力に優れ、シャンプー基剤や歯磨きの発泡剤に用いられます。
Bアルキルエーテル硫酸工ステル塩(アルキルエーテル硫酸塩:RO(CH2CH2O)nSO3M)
水になじみやすいポリオキシエチレン基を付加させたもので、アルキル硫酸塩よりも皮膚刺激が低く、泡立ち・洗浄力に優れ特に市販シャンプーの基剤として汎用されています。
CN−アシルグルタミン酸塩
L-グルタミン酸をアシル化したもので、脂肪酸と塩基の種類によって溶液のpHが異なります、モノナトリウム・トリエタノールアミンは酸性を示し、ジナトリウムはアルカリ性を示します、アミノ酸系シャンプー基材は一般に皮膚刺激が低く毛髪や皮膚への親和性が高いため、しっとりした洗い上がりが得られます。
Dエーテルカルボン酸塩(R(OCH2CH2)nOCH2COOM)
ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルの末端をカルボン酸で置換したもので、高級脂肪酸石けんに似た構造(CHO以外を含まない)を持っており、溶液のpHが弱酸性〜中性であるため、酸性石けん系と呼んでいます、皮膚刺激が低く穏やかな洗浄力を持ち、生分解性に優れているためシャンプー基材として用いられます。



陽イオン性界面活性剤
陽イオン性界面活性剤は、水に溶けた時、界面活性を示す部分が陽イオン性を示すもので、カチオン界面活性剤とも言い、柔軟剤・乳化剤・分散剤等として広範囲に用いられています。

@アルキル四級アンモニウム塩{RnN+(CH3)n)X-}
三級アミンとアルキル化剤とを反応させたもので、柔軟性・帯電防止性に優れるため、衣類の柔軟剤やヘアリンス・ヘアトリートメントの基剤に用いられます、高濃度では皮膚刺激があるため、低濃度で使用されます。



非イオン性界面活性剤
非イオン性界面活性剤は、水に溶けた時、界面活性を持つ部分がイオン性を示さない(解離しない)もので、ノニオン界面活性剤とも言い、乳化剤・分散剤・可溶化剤として工業分野等広範囲に用いられています。

@多価アルコールエステル型
グリセリン・プロピレングルコール等多価アルコールを親水基とし、脂肪酸を親油基としてエステル化したもので、エマルション
(乳化物)の乳化剤として、クリーム・ヘアリンス・ヘアトリートメント等に用いられています。
A酸化エチレン縮合型
脂肪酸や高級アルコール等の活性水素に酸化エチレンを付加・縮合させたもので化学釣に安定しているため、酸・アルカリや熱により加水分解されにくい性質を持っています。



両性界面活性剤
両性界面活性剤は、水に溶けた時、界面活性を示す部分が同一分子内にアニオン活性基とカチオン活性基を持つもので、酸性領域ではカチオン活性を、アルカリ領域ではアニオン活性を示し、洗浄力と殺菌力を持っています。

@ベタイン型{RN+(CH3)2CH2COO-}
第四級アンモニウム塩のカチオン部とカルボン酸型のアニオン部からなり、水溶性が高く洗浄性と帯電防止性を持つためシャンプーやヘアリンスの助剤として汎用されています。
Aアミノ酸型(RNCH3CH2CH2COOH)
アルカリ域でアニオン活性、酸性域でカチオン活性を示しますが、等電点(微酸性)域では親水性が減少し沈殿が生じます、一般的に殺菌剤として用いられます。
Bイミダゾリン型
イミダゾリン化合物で、皮膚や目に刺激を与えない両性界面活性剤として低刺激性のシャンプーやベビーシャンプー等に用いられています。



○天然界面活性剤
天然界面活性剤として、よく知られているものは、レシチンです。レシチンは、卵黄などに含まれており、マヨネーズは卵黄中のレシチンで油が乳化されたものです。化粧品では、乳液やクリームの乳化剤として用いられることがあります。また、シャンプーやトリートメントの毛髪コンディショニング剤として用いられることもあります。レシチンの他には、サポニンが挙げられます。サポニンは、ムクロジという植物の果皮に含まれています。ムク目ジは、別名「石けんの木」とも呼ばれる植物です。泡立ちを良くする目的で、このムクロジのサポニンを含んだシャンプーもあります。

上記は界面活性剤の水に溶けた時の環境によって種類分けしましたが分類別に分けると下記のようになります

(注):通常の製品ではいくつかの界面活性剤が組み合わされているものが多く、たとえば高級アルコール系とアミノ酸系の両方を使っているという感じです、ですから単純に分類できるわけではありません。

アミノ酸系
髪の毛や皮膚はアミノ酸で出来ています、体に近い成分でできているアミノ酸系の界面活性剤は、皮膚や髪に対する刺激が低いという特徴を持っています、洗浄力や起泡力(泡立ち)は高級アルコール系に比べると劣りますが毎日髪を洗うという習慣ならば、アミノ酸系のマイルドな洗浄力でも問題はありません、またアミノ酸系は界面活性剤自体が弱酸性のため、さらに髪にやさしいのです。

高級アルコール系
市販の多くの製品で使われている界面活性剤です、この活性剤の特徴は洗浄力や起泡力(泡立ち)は優れているけども、皮膚や髪に対する刺激性は高いということです、地肌に残るとトラブルを起こすことがありますのでよく洗い流すことが必要です、ラウリル硫酸塩やセチル硫酸塩が最もよく使われこれらを配合している場合は表示が義務づけられていますのでボトルを見るとその配合がわかります。

両性系
洗浄力や起泡力(泡立ち)が適度で、刺激性が低いです、とくに皮膚や目に対する刺激が小さいということでベビーシャンプーなどの主剤として使われていたりします、また高級アルコール系の界面活性剤を併用すると、その刺激性を抑える作用があり、最近のシャンプー剤に使われている。イミダゾリン、ペタインといった界面活性剤がそういう使用をされてます。

石鹸系
洗浄力が高く、皮膚への刺激性が低いという特徴をもっています、ただ水に溶けた状態ではアルカリになるため、皮膚の場合は毛穴の汚れをとりやすくさせるが、毛髪には髪を膨潤させ、ばさつきを起こしたりします、また硬水で使用すると、石鹸カス(科学用語でスカムとかスキャムと呼ぶ)がでて髪の感触を悪くします、最近の石鹸シャンプーは、他の界面活性剤と組み合わせられていたり、中性や弱酸性に改良されたものも多いです。

(注):石鹸シャンプーについて少し書いておきます、まず石鹸シャンプーを使っていると水の中に含まれるカルシウムイオンと石鹸の化合物でカルシウム石鹸と言うものが出来ます、これは石鹸カスといわれるものです、流しのまわりとかに付着してたりするもので科学用語でスカムと言います、これが髪に付着した状態でパーマをかけると1液のチオグリコール酸と反応してチオグリコール酸カルシウムと言うものになります、パーマをかけてタオルに赤紫色がついたらそれです、家に除毛剤(脱毛剤)があったらその成分をみて下さい主成分にチオグリコール酸カルシウムと書いてあるものがあります、つまりパーマをかけて除毛剤を生成してしまってる訳です、パーマをかけた後に切れ毛の原因となるものです、石鹸を否定してるわけではありません環境にもやさしいし、ただパーマをかけるときは要注意ということです。

ダメージ用シャンプー:体から分泌される皮脂には、毛髪をダメージや乾燥から守るという役割があります、高い洗浄力で皮脂をとりすぎると髪が無防備になり損傷が進むので、ダメージヘア用のシャンプーは一般的に界面活性剤の種類や配合量の操作で洗浄力を低く抑えています、その上で必要な油分や水分を補うコンディショニング成分が入っているものが多いのです。

カラー用シャンプー:ヘアカラー用のシャンプーも洗浄力を抑えているものが多いです、その上で髪の毛をできるだけ膨潤させないように弱酸性にしてあります、膨潤させると色落ちとダメージが進みます、特にアルカリのカラー施術では髪の毛がアルカリに傾いていますので弱酸性のものを使っておかないと、毛髪の損傷が進むことになります。




シャンプーの組成
シャンプー剤の主成分は主に陰イオン界面活性剤ですが、これだけでは使用感や仕上がり感に優れたシャンプー剤を作ることはできません。そのため、泡立ちの改善や、粘度調整、仕上がりの指通りの向上等のため、様々な成分が配合されます。配合される各成分は、その機能により大きく分類することができます

◆洗浄基剤
シャンプー剤の主体となるもので、汚れを落とすために配合されます。洗浄基剤としては、アルキル硫酸塩やポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩のような陰イオン界面活性剤が一般的です。最近では、アシルメチルタウリン塩やアミノ酸系界面活佳剤、両性界面活佳剤など、頭皮や眼に対する刺激性の低い界面活庄剤もよく使われています。また、陰イオン界面活性剤同士を数種類組み合わせて使用されることもあり、その組み合わせによりシャンプーの基本的な特徴が生まれます。

◆洗浄補助剤
洗浄基剤の働きを助けて汚れ落ちや泡立ちを良くする働きをするのが、洗浄補助剤です。洗浄基剤だけでは、汚れが多くなると海立ちが悪くなってしまうため、これを補い十分な泡立ちを保持するために配合されます。洗浄補助剤としては、主にアルカノールアミドやアミンオキサイドのような、非イオン界面活佳剤が使われます。また、洗浄補助剤の中には、泡立ち向上と共にシャンプー剤の粘度を上昇させる働きを持つ成分もありますので、増粘剤としても配合されます。

◆ハイドロトロープ剤
シャンプー剤の主体は界面活性剤ですが、この界面活性剤は温度の影響を受けやすいために、粘性が変化したり、低温で結晶が析出したりしてしまいます。そこで安定庄を良くするために配合されるのがハイドロトロープ剤です。一般的にプロピレングリコールやグリセリン等のグリコール類が汎用されます。

◆コンディショニング剤
洗浄基剤と洗浄補助剤だけでもシャンプ一としての機能は果たせますが、指通りが悪かったり、仕上がった毛髪かパサパサになったりします。そこで、それぞれシャンプー剤の目的に合わせて陽イオン界面活庄剤、油分、保湿剤、ポリペプチド、シリコーン油、カチオン化ポリマーなどのコンディショニング剤をいろいろと添加します。

◆その他添加剤
製品の安定性を向上させる防腐剤、酸化防止剤やキレート剤、外観を美しく見せるための色素やパール化剤、香りをつける香料などの添加剤が目的に合わせて配合されます。

このような界面活性剤および添加剤の成分の組み合わせは無限にあるため、多種多様なシャンプー剤があるわけです。そして最近では洗髪頻度も高くなり、頭皮や毛髪の汚れが以前に比べて少なくなってきているため、その洗浄力はマイルドなものになってきています。





成分 機能 分類 名称 特徴
洗浄成分 洗浄基剤 汚れの洗浄 陰イオン
界面活性剤
高級アルコール
(ラウリル系)
AS系
ラウリル硫酸Na
ラウリル硫酸アンモニウム
ラウリル硫酸TEA
洗浄力、起泡力に優れている
高級アルコール
(ラウレス系)
AES系
ラウレス硫酸Na
ラウレス-2硫酸アンモニウム
ラウレス-5硫酸Na
ラウレス硫酸TEA
シャンプーの基剤として
もっともよく使われている
耐硬水性に優れている
安価である
アミノ酸系
(グルタミン酸)
ココイルグルタミン酸Na
ステアロイルグルタミン酸Na
ココイルグルタミン酸TEA

ラウロイルグルタミン酸Na
弱酸性で起泡力に優れている
皮膚や目に対する刺激が少ない
高価である、やや洗浄力が弱く
泡立ちが悪い
アミノ酸系
(アラニン系)
(グリシン系)
ラウロイルメチルアラニンNa
ココイルメチルアラニンNa

ラウロイルサルコシンNa
ココイルサルコシンNa
皮膚、髪(特にキューティクル)に
対する刺激性が低い
高価である、グルタミン系より
洗浄力や泡立ちは良い
アミノ酸系
(タウリン系)
ラウロイルメチルタウリンNa
ココイルメチルタウリンNa
皮膚、髪(特にキューティクル)に
対する刺激性が低い、
含流アミノ酸というタウリンから
できていて、AMTと呼ばれている
スルコハク酸 スルホコハク酸ラウリル2Na
スルホコハク酸ラウレス2Na
高級アルコールを原料としている
泡の持続力に優れ、他の活性剤と
組み合わせると起泡力が増す
泡切れが良い
高級アルコール系より皮膚刺激が弱い

両性界面活性剤 ラウロアンホ酢酸Na
ココアンホ酢酸Na
ココベタイン
ラウリルヒドロキシスルタイン
ラウラミドプロピルベタイン
コカミドプロピルベタイン
起泡性、洗浄力は陰イオンに劣るが
皮膚や目に対する刺激が少ない
ベビーシャンプーにも使用される
洗浄補助剤 洗浄基剤の働きを助け
洗浄力をアップしたり
泡立ちをよくする
非イオン界面活性剤 ラウラミドMEA
ステアラミドMEA
ラウラミドDEA
オレアミドDEA
泡立ち感を増強させる
洗浄効果を向上させる
ココアミンオキシド 皮膚に対する刺激性が低い
自身では十分な起泡性を持たないが
他の界面活性剤と併用すると優れた
泡安定剤として働く
コンディショニング剤 毛髪の手触り、
櫛通り、艶を良くする
陽イオン界面活性剤 ステアルトリモニウムクロリド
セトリモニウムクロリド
陽イオンにより毛髪に吸着する
静電気の発生を防ぐ
油脂
スクワラン
高級アルコール
エステル類
ラノリン誘導体
天然油 ミンク油
ホホバ油 スクワラン
ミリスチン酸オクチルドデシル
PPG-ラノリン 
ラネス
オリーブオイル
トリオクタノイン
油分を補いしっとりとした
仕上がりにする
潤いやしなやかさを与えて
パサつきを抑える
ポリペプチド ケラチン誘導体
コラーゲン誘導体
しっとり滑らかな仕上がりにする
シリコーン誘導体 ジメチルポリシロキサン
アミノ変性シリコーン
毛髪の表面に薄い皮膜を作り
さらさらした仕上がりにする
カチオン化ポリマー グァーヒドロキシ
プロピルトリモニウムクロリド
ポリクオタニウム-10
ポリクオタニウム-7
高分子が髪に吸着し根元から毛先まで
なめらかな感触に仕上げる
殺菌剤 フケ、かゆみを防ぐ 殺菌剤
フケかゆみ防止剤
ジンクピリチオン
サリチル酸
グリチルリチン酸ジカリウム
トリクロサン
トリクロカルバン
微生物の増殖を抑える
その他 ハイドロトロープ剤 界面活性剤の
水に対する
溶解度を高める
低級アルコール エタノール
イソプロパノール
プタノール
界面活性剤の濃い溶液は温度によって
影響を受けやすく温度差や濃度に
よって粘性が変化したり常温では
安定であっても、寒冷な条件、低温では
結晶が析出したり凍結する事があり
それらを防ぐために添加される
グリコール類 PG
ヘキシレングリコール
グリセリン グリセリン
非イオン性溶化剤 ポリソルベート20
ラウリン酸ポリグリセリル
ノノキシノール
スルホン酸塩 ドテシルベンゼンスルホン酸Na
その他 尿素
防腐剤 菌の繁殖を防ぐ 安息香酸塩 安息香酸 微生物(細菌、カビ)の増殖を抑え
製品の変質や腐敗を防ぐ
パラベン メチルパラベン
プチルパラベン
プロピルパラベン
酸化防止剤 安定性を高める - BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)
トコフェロール
空気中の酸素による構成原料の
酸化や腐敗を防ぐ
pH調整剤 pHを調整する クエン酸
リン酸
液のpHを目的にあわせて調整する
アルカリ 水酸化Na
紫外線吸収剤 紫外線から守る パラアミノ安息香酸誘導体
ベンゾフェノン誘導体
ジメチルPABAオクチル
紫外線から皮膚、毛髪、化粧品自体を
守るための成分
金属イオン封鎖剤 金属(硬水)による
性能の低下を防ぐ
キレート剤 エデトサン塩
シュウ酸Na
水中に溶けているミネラル分による
品質の変質を防ぐ
原料から持ち込まれる微量金属を封鎖
影響を防ぐ
過酸化水素は微量金属でも分解が
進む
清涼剤 爽やかな清涼感
使用感を出す
- メントール
ハッカオイル
ミントオイル
-
増粘剤 粘性を高める 塩化Na
塩化アンモニウム
硫酸Na
-
パール化剤 光沢を出す - ジステアリン酸
グリコール
-
乳濁剤 パール状、乳濁状
クリーム状にする
スチレン系ポリマー
ステアリン酸塩
ポリスチレン
エチレングリコールモノステアレート
-
香料・着色料 - - 香料 赤201 黄203 外観、香り、色を目的に応じて調整する




トリートメントの役割
トリートメントとは[treatment=治療、手当、修復する]と言う意味があり、一般的にシャンプー操作後に使用するリンス、コンディショナー、ヘアパック、トリートメント等と称される頭髪用化粧品のことを指します。

トリートメントの分類

- 名称 用途
洗い流すタイプ リンス シャンプー後に使用
トリートメント
プレトリートメント パーマネントウェーブに使用
酸リンス
アフタートリートメント
洗い流さないタイプ トリートメント 仕上げに使用
枝毛コート
ヘアクリーム
スキャルプトリートメント

リンスとトリートメント
◆リンス剤
リンスは毛髪の表面を保護するとともに、指通りやクシ通りを良くし、キューティクルの損傷を防ぎ、毛髪に光沢を与えることが目的です。
リンス剤の主体は、陽イオン(カチオン)界面活性剤です。陽イオン界面活庄剤は、毛髪のマイナスイオンと結合して薄い皮膜を形成し、帯電防止効果を発揮します。と同時に、リンス剤に含まれる油分も毛髪表面に吸着し、柔軟効果を発揮します(図表3)。そして、陽イオン界面活性剤の種類や、他の様々な添加剤との組み合わせによって使用感や仕上がり感を変化させることが可能ですので、非常に多くの種類のリンス剤ができることになります。

◆トリートメント剤
トリートメント剤の主体も、陽イオン(カチオン)界面活性剤です。しかし、配合される油成分等の種類や量がリンス剤とは異なり、毛髪を損傷から保護・修復するために毛髪に吸着しやすい成分や、浸透しやすい成分等が種々配合されています。その吸着・浸透しやすい成分の代表がポリペプチド(PPT)であり、その他に保湿剤や油性成分等が配合されます。

◆リンスとトリートメントの違い
リンス剤とトリートメント剤の違いは非常にまぎらわしく、どちらも陽イオン界面活性剤と油剤を主体として、それらを水に乳化するための乳化剤、毛髪に潤いや水分を補給する保湿剤、および温度に対する安定性を良くするためのハイドロトロープ剤等からなります。
違いを挙げるとすれば、リンス剤は主に毛髪の表面を整える働きのあるものであり、トリートメント剤は毛髪表面を整えると共に毛髪内部にまで働きかけるものと考えられます。また、リンス剤は主に毛髪表面に作用するため、塗布後比較的すぐに洗い流しますが、トリートメント剤は、毛髪内部までの作用が期待されますので、塗布して時間をおいたり、スチーマーや蒸しタオル等で加温するなどして、より効果を高める操作が通常行われます。最近では、あまり時間をおかなくても(塗布後、すぐ洗い流すタイプより高い効果が得られるトリートメント剤が、数多く発売されていますが、トリートメント剤を構成する成分の特性から考えれば、このようなトリートメント剤も時間をおいたり、加温することで、より一層高い効果が得られると考えられます。

トリートメント剤の成分

◆コンディショニング剤

@陽イオン界面活性剤(カオチン界面活性剤)
前述のようにトリートメント剤には、帯電防止剤として第四級アンモニウム塩と呼ばれる陽イオン界面活性剤が一般的に使用されています。第四級アンモニウム塩には、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等があります。これら陽イオン界面活性剤の吸着量は、一般的にpHや温度が高いほど早く吸着し、また損傷毛ほど吸着量が多くなると言われています。
また最近では、第四級アンモニウム塩と比較して皮膚や眼粘膜に対する刺激が少なく、成分解性にも優れるとされる第三級アミン塩と呼ばれる陽イオン界面活性剤も使用されています。

Aポリペプチド
加水分解タンパク質は、種々のタンパク質(羊毛中のケラチンや真皮から得られるコラーゲン等)を加水分解という化学反応を用いて数十から数百に分割して低分子化し、水溶性や吸着性を高めたもので、これらは一般的にポリペプチドやPPTと呼ばれています。
通常、加水分解ケラチンは羊毛中のケラチンを、加水分解コラーゲンは真皮などから得られるコラーゲンを、また加水分解シルクは蚕のマユから得られるフィプロインを、それぞれ酸・アルカリや酵素で水溶解性になるまで低分子化したものです。これらのケラチン、コラーゲン、シルク等のポリペプチドや、これらのカチオン化誘導体等がコンディショニング剤として配合されます。この他に、牛乳や大豆、小麦等のタンパク質を加水分解したポリペプチドも使用されています。ポリペプチドは、起源となるタンパク質の種類により、アミノ酸の組成や分子量が異なるため、トリートメント剤に配合した際の仕上がりや効果が変わります。例えば、加水分解コラーゲンには他の加水分解物よりもアミノ酸の一種であるヒドロキシプロリンを多く含んでいるという特徴を持ちます。そして、このヒドロキシプロリンは、水分保持能力が高いという性質を持ちますので、トリートメント剤に加水分解コラーゲンを配合すると、水分保持能力を付与できると考えられます。

Bシリコーン誘導体
シリコーン誘導体は、主に仕上がり時の感触改良の目的で配合されます。最も一搬的なシリコーン誘導体はジメチルポリシロキサンですが、これは化学的に合成して得られるケイ素(Si)の化合物で、化学的に不活性で安全性も高く、他の有機化合物や無機化合物にない特徴を持っています。低分子−高分子量品まで白由に作ることができ、様々な風合いをトリートメント剤に付与することが可能となります。
この他に変性シリコーンと呼ばれるシリコーン誘導体も使用されています。これらは、ジメチルポリシロキサンにある種の特性(毛髪への吸着庄、帯電防止効果、耐熱性など)を付与したものです。例えば、アミノ変性シリコーンは、構造中にアミノ基(−NH)を導入し、毛髪とイオン的に結合する機能を高めたものです。そのため、他のシリコーン誘導体よりも毛髪への吸着力が強くなり、毛髪表面に持続性の高いシリコーン皮膜を形成することができます。

◆油性成分
毛髪に油分を補い、しっとりとした仕上がりを得るため油脂(アボガド油、オリーブ油等)、ロウ類(ラノリン等)、高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール等)、エステル類(ミリスチン酸イソプロピル等)、高級炭化水素(パラフィン、ワセリン、スクワラン等)等の油性成分が配合されます。これらの油性成分は、それぞれ油性感や毛髪残留性が異なるため、その種類や組み合わせ、配合量等の差によって使用感や仕上がり感に変化を持たせることができます。

◆その他の配合成分
製品の安定性向上のための安定化剤(ハイドロトロープ剤、防腐剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤)や、外観を美しくする着色剤、香り付けのための香料等が配合されています。






成分 機能 代表例 特徴
油性成分 毛髪や頭皮に油分を補給し柔軟にする 油脂 アボガド油/オリーブ油/ヒマシ油 油分を補い、頭皮を柔軟にし、毛髪をしっとりとした仕上がりにする
由来、分子量、構造によって、性状、効果に差がある
ロウ類 カルナウバロウ/ラノリン
高級アルコール セタノール/ステアリルアルコール/べヘニルアルコール
エステル類 ミリスチン酸イソプロピル
高級炭化水素 流動パラフィン/ワセリン/スクワラン
ラノリン誘導体 ポリオキシエチレンラノリン/ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル
コンディショニング成分 毛髪の手ざわり、くし通り、つやなどを良くする ポリペプチド ケラチン蛋白誘導体/コラーゲン蛋白誘導体/シルク蛋白誘導体/大豆蛋白誘導体 はりや弾力の仕上がりにする。由来や分子量によって効果に差がある
カチオン化ポリマー カチオン化セルロース/カチオン化グァーガム 毛髪表面のマイナスイオンに吸着する
シリコーン誘導体 ジメチルポリシロキサン/アミノ変性シリコーン/ポリエーテルシリコーン 毛髪の表面に薄い皮膜を作り、サラサラした仕上がりにする
保湿剤 グリセリン/プロビレングリコール/植物抽出液 水に親しみやすい物質により毛髪や頭皮の水分を保持する
陽イオンが毛髪に吸着する。静電気の発生を防ぐ
陽イオン界面活性剤 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム/塩化セチルトリメチルアンモニウム/塩化ジステアリルジメチルアンモニウム/ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド
乳化剤 水と油を乳化する 非イオン界面活性剤 ポリエチレングリコール型/多価アルコール型 分子の大きさや構造の違い、付加物の違いにより、いろいろな性質をもつ
水と油を乳化する
水に油を可溶化する
陰イオン界面活性剤 硫酸エステル塩/スルホン酸塩/リン酸エステル塩
陽イオン界面活性剤 アミン塩型/第4級アンモニウム型
両性界面活性剤 アミノ酸型/ペタイン型
溶剤 有機成分を溶解する アルコール エタノール 水に溶けない成分を溶解する
さっぱり感を与えたり、感触剤としても使用される
その他の添加剤 ハイドロトローブ剤 界面活性剤の水に対する溶解度を高める 低級アルコール エタノール/イソプロビルアルコール/グリコールエーテル 界面活性剤等の溶解度を高め、凍結を防止し、温度差による状態の変化を小さくするために添加される
多価アルコール グリセリン/プロピレングリコール/ヘキシレングリコール
非イオン界面活性剤 ポリエチレングリコール型/多価アルコール型
陰イオン界面活性剤 スルホン酸塩
その他 尿素
粘性剤 粘性を調節する 高分子化合物 ヒドロキシプロピルメチルセルロース/ヒドロキシエチルセルロース/カルボキシビニルポリマー/アルギン酸ナトリウム/グァーガム 乳化を安定に保つ。使いやすい粘性にする
紫外線吸収剤 紫外線の影響を避ける - オキシペンゾン/シノキサート/サリチル酸フェニル/パラアミノ安息香酸エステル 紫外線を吸収し、化学反応を防御する
消炎剤 頭皮の炎症を抑える - グリチルリチン酸ジカリウム/シコンエキス 頭皮の炎症を抑える
フケ防止剤 フケやかゆみを防ぐ フケ取り剤 ジンクピリチオン/ピロクトンオラミン/硫責/サリチル酸 -
防腐剤 菌の繁殖を防ぐ 安息香酸塩 安息香酸/安息香酸ナトリウム 微生物の増殖を抑え、製品の変質や腐敗を防ぐ
パラベン パラオキシ安息香酸メチル/パラオキシ安息香酸エチル/パラオキシ安息香酸プロピル
酸化防止剤 製品の安定化剤 - BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)/BHA(プチルヒドロキシアニソール)/トコフェロール 空気中の酸素からおきる酸化による変質を防ぐ
pH調整剤 液性を調整する クエン酸/リン酸 製品のpHを目的に合わせて調節する。原料を中和する
アルカリ 水酸化ナトリウム/ジイソプロパノールアミン/トリエタノールアミン
緩衝剤 リン酸2水素ナトリウム/リン酸水素2ナトリウム/クエン酸ナトリウム
金属イオン封鎖剤 金属による性能の低下を防ぐ キレート剤 エデト酸塩/シュウ酸塩/ヒドロキシエタンジホスホン酸塩 水中に溶けている金属イオンによる製品の変質を防ぐ
香料・着色料 - - - 外観、香り、色を目的に応じて調整する




















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