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毛髪の構造

毛髪は、キューティクル(毛表皮)とCMC(細胞膜複合体)を含むキューティクル領域、コルテックス(毛皮質)とCMCを含むコルテックス領域、メデュラ(毛髄質)と呼ばれる3層に分けられます、その構造はちょうどのり巻きに似たような形をしています、すなわち、のりがキューティクル、米粒がコルテックス、中心部にあるかんぴょうがメデュラに相当します。
キューティクルは無色透明なウロコ状で、1枚で毛髪の外周の1/2〜1/3を包み、竹の子の皮や瓦屋根のように重なっています、外部から見えているのは1枚のキューティクルの上部20%程度です、キューティクル領域にあるCMCはキューティクルとキューティクルの間に存在していて、キューティクル同士を接着し、外部からの物理的・化学的刺激からキューティクルを守って毛髪成分の流出を防ぎます、また水分を保持し水や薬剤の通り道となっています、キューティクル領域で毛髪全体の10〜15%を占め、毛髪のツヤや手触り硬さを決定しており、またブラッシング等の物理的刺激及び、水や薬剤といった化学的刺激から毛髪内部を保護しています、コルテックスは葉巻状の形をしていて縦方向につながり比較的規則正しく並んでいます、このため毛髪は引っ張っても簡単には切れません、横方向はコルテックス領域にあるCMCで接着されており、縦方向の引っ張りの強さと比較すると弱く、枝毛になる等裂けやすい性質を持っています、またCMCは水分を保持し水や薬剤の通り道となっています、このコルテックス領域が毛髪全体の85〜90%を占め、水分を保持し毛髪の強度や髪色(コルテックス内にあるメラニン色素による)を決定しています、メデュラは基本的には毛髪の中心部にありますが、細い毛にはなく普通毛でも途中で途切れている場合があります、メデュラ単独での機能等、詳細はまだ分かっていませんが、弾力(コシ)や透明感、動きのあるツヤは、メデュラを含む毛髪全体で決定されます。
キューティクル領域

コルテックス領域

毛髪全体
毛髪の太さと各構造の大きさ

毛髪の太さは、細い毛髪で0.05〜0.07mm、普通の毛髪で0.08〜0.09mm、太い毛髪で0.10〜0.15mmとなっています、キューティクル領域の厚みはキューティクルの枚数が3〜10枚で、CMCの厚みを含むと5〜10μmです、キューティクル1枚の厚みは0.5〜1μm、キューティクル1枚の大きさは、横方向は毛髪外周の1/2〜1/3、縦方向は80〜100μmで薄い箱のような形をしています、またキューティクル間のCMCの厚みは400〜600Å(0.04〜0.06μm)、水の通り道は5〜10Å(0.0005〜0.001μm)です、コルテックスの大きさは長径が100μm、短径が2〜6μm(コルテックス領域のCMCを含む)で、葉巻状の形をしています。
キューティクルの大きさ

コルテックスの大きさ
毛髪を輪切りにした時、0.08mm(80μm)の普通の毛髪で、キューティクル領域の厚みが8μm、コルテックスの短径が4μmの場合、キューティクル領域は毛髪直径の1/5を占め、コルテックスは毛髪の直径に対して、コルテックス領域内に16個並ぶことになります(メデュラはないものと仮定)、また256個のコルテックスが、コルテックス領域に詰まっていることになります。
毛髪断面

キューティクル領域
キューティクルは、外側から@エピキューティクルAA−層BエキソキューティクルCエンドキューティクルDinner−層の5層からできています(詳しくは外側β−層が加わり6層、下記の毛髪の微細構造で説明してます)、キューティクルとキューティクルの間にあるCMCは、外側からElower−β層Fδ層Gupper−β層の3層からできています、さらにGupper−β層は、次のキューティクルの@エピキューティクルをすべて覆っており、他のCMC成分EFとは完全に重なっていません。

@エピキューティクルは半透明膜で、シスチン含有量が低いケラチンタンパク質からできています。疎水性で化学薬品に対する耐性があり、水蒸気や空気は透過します、また硬くてもろいためコーミ ング等の物理的な衝撃で損傷しやすくなっています。
AA−層は、シスチンを約35%含有しているケラチンタンパク質で、一般的な化学薬品に対する耐性はあります、またシスチン結合を多く含みますが、疎水性が比較的高く、エキソキューティクルと比較すると、シスチン結合に影響を与える薬剤(パーマ剤等)に対しての耐性は高くなっています。
Bエキソキューティクルは、シスチンを約15%含有しているケラチンタンパク質で、比較的親水性の性質を持っています、シスチン結合を含み比較的親水性であるため、シスチン結合に影響を与える薬剤(パーマ剤等)に対しての耐性は低くなっています。
Cエンドキューティクルは、シスチンをほとんど含有しない非ケラチンタンパク質で、酸性及び塩基性のアミノ酸がキューティクルの中で一番多く、親水性で化学薬品に弱い性質を持っています。
Dinner−層は、比較的シスチン結合含有量が高いケラチンタンパク質で、比較的親水性の性質を持っています。
Elower−β層は、タンパク質結合脂肪酸(18−メチルエイコサン酸(18MEA)・パルミチン酸・オレイン酸)・セラミド・硫酸コレステロール・コレステロールといった脂質が、孔があいたように並んでいます、またこのタンパク質結合脂肪酸は、パーマ剤やヘアカラー剤に含まれるアルカリにより流出しやすい性質を持っています。
Fδ層は、ケラチンタンパク質と、ケラチンタンパク質をはさむ2層の非ケラチンタンパク質からできており、水や薬剤の通り道となっています。
Gupper一β層は、タンパク質結合脂肪酸(18−メチルエイコサン酸(18MEA)・パルミチン酸・オレイン酸)・セラミド・硫酸コレステロール・コレステロールといった脂質が密に並んでおり、エピキューティクルと共に毛髪の外側の疎水性に起因しています、またこのタンパク質結合脂肪酸は、パーマ剤やヘアカラー剤に含まれるアルカリにより、流出しやすい性質を持っています。
コルテックス領域

コルテックスは、数個から数十個のマクロフィブリルが集まってできています。また、マクロフィブリルの間には、親水性の高い非ケラチンタンパク質があり、メラニン色素やNMF(天然保湿因子)も含まれています、マクロフィブリルはさらに数個から数十個のミクロフィブリルとマトリックスからできており、ミクロフィブリルの周りにマトリックスが集まり、包み込むように存在しています、ミクロフィブリルは、プロトフィブリルが8本集まってできています、プロトフィブリルは2本のフィブリルが巻き付き合ってロープ状となり、さらにこのロープが2本集まってできています(合計4本)、つまリマクロフィブリルは、フィブリルとマトリックスで構成されていることが分かります、フィブリルは、α−ケラチン(繊維状ケラチン)と呼ばれ、らせん状の形(α−ヘリックス構造)を持ち、分子量50,000〜80,000の、シスチン含有量の低い(約6〜8%)結晶性のケラチンタンパク質で、コルテックスの35〜45%を占めています、マトリックスは、γ−ケラチン(間充物質)と呼ばれ、短いランダムコイル状で不規則に折れ曲がり、ほとんど球状をしている分子量10,000〜22,000の、シスチン含有量が高い(約15〜18%)非結晶性のケラチンタンパク質で、コルテックスの50〜60%を占めています、CMCはキューティクル領域のCMCとは若干異なっており、β層とδ層が入り乱れた状態で存在しています、またキューティクル領域のβ層に存在するタンパク質結合脂肪酸のひとつである18−メチルエイコサン酸(18MEA)は、コルテックス領域のβ層には存在しません。
コルテックス領域の詳細構造

メデュラ
メデュラは、毛根に近い部分は液体で満たされていますが、角化に伴い脱水・収縮して籠がいくつも重なったような形をします、シスチン結合をほとんど含まず、イオン性のアミノ酸(グルタミン酸)と金属を多く含む、非ケラチンタンパク質です。
毛髪の成分
毛髪は、前述のとおり毛小皮・毛皮質・毛髄質の三層から構成されています、これらはいずれもその大部分(80〜90%)がケラチンタンパク質からできており、残りがメラニン色素・脂質・水分・微量元素からなっています、ケラチンタンパク質は、物理的にも化学的にも強靱であることが一つの大きな特徴となっています、すなわち普通のタンパク質とは異なり、腐敗しにくく、いろいろな化学薬品に対して抵抗力があり、物理的強度も強く、弾力もまた大きいのです、この強くて丈夫な毛髪は、そう簡単に損傷を受けることはありません。

主成分(ケラチンタンパク)
毛髪の主成分であるタンパク質は、シスチンを14〜18%含むケラチンという物質です、ひとくちにケラチンといっても、人毛、羊毛、爪などは硬い硬ケラチン(オイケラチン)、皮膚は軟らかい軟ケラチン(プソイドケラチン)として区別されます、毛や爪を燃やすと異様な臭気が出ますが、これはシスチンが分解して生じた硫黄化合物の臭いです、一般にタンパク質は約20種類のアミノ酸から成り立っていますが、アミノ酸の種類やそれぞれの含有量によって、その形状や性質は大きく異なっています(たとえば卵白のタンパク質アルブミンは水溶性、熱凝固性という特徴があります)、ケラチンは約18種類のアミノ酸からできており、その組成の一例を挙げると下記図表のようになります、この表でわかるとおり、毛髪ケラチンは、塩基性アミノ酸のヒスチジン、リジン、アルギニンの比率が1:3:10になっています(図表●印)、この比率は毛髪ケラチン特有の比率で、他のタンパク質には見られません、人毛と羊毛の成分はほとんど同一のように思われやすいのですが、シスチンの含有量は人毛の方が多くなっています(図表※印)、また人毛であっても、遺伝、生活環境、食事、美容処理などの影響で、アミノ酸、特にシスチンの含有量が異なります、なかでも食事の影響が大きく、たとえば次のような報告があります、少し古い例ですが、栄養バランスの重要性を示すデータです、「粟と少量の動物性タンパク質で育てられた日本人の子供(8〜9歳)の毛髪のシスチシ合有量は8.1%と低かったが、サメ肝油を与えるとその含有量は著しく増加し、また食事とともに脱脂粉乳を6か月間与えるとシスチン含有量はさらに増加した」、このような食事によるタンパク質のアミノ酸組成のアンバランスの影響は、ただ単に毛髪だけに限られるのではなく、からだ全般についてもいえることです、現在ではこのデータ当時のような、いわゆる栄養失調のような状態は考えられないと思われるかも知れませんが、ダイエットフーズの献立や、アトピー性皮膚炎の除去食などに慎重さが要求されるところです、毛髪を構成している毛小皮、毛皮質、毛髄質のそれぞれの化学成分、分量は同じではありません、またシスチンは分析中に化学変化を受けやすいため分析方法等によっても多少異なってきます、しかし他のタンパク質には存在しないか、あるいは微量しか存在しないシスチンが、ケラチンには多量に含まれていることは間違いない事実です、このことが、ケラチンの性質を特徴づけているといえます。
図表:繊維タンパクのアミノ酸組成(%)
アミノ酸 人毛ケラチン 羊毛ケラチン 人の表皮 絹フィブロイン
グリシン 4.1 8.4 6.0 42.9
アラニン 2.8 6.0 - 30.6
バリン 5.6 6.2 4.2 2.6
ロイシン 6.5 7.2 8.3 0.6
イソロイシン 4.8 3.0 6.8 1.0
フェニルアラニン 2.5 1.6 2.8 2.3
プロリン 6.7 7.4 3.2 0.3
セリン 6.9 11.6 16.5 9.7
トレオニン 7.6 7.6 3.4 0.9
チロシン 2.4 2.2 3.4 4.9
アスパラギン酸 4.9 6.1 7.5 2.1
グルタミン酸 13.8 12.0 13.7 1.5
アルギニン 9.1● 6.3 10.1 0.1
リジン 2.5● 3.0 5.9 0.5
ヒスチジン 0.9● 1.1 1.4 -
トリプトファン 0.8 - 1.3 -
シスチン 17.2※ 8.7※ 3.4 -
メチオニン 0.9 0.7 2.1 -
システイン酸 - 0.9 - -

脂質
毛髪の脂質には、皮脂腺から分泌された皮脂と、皮質細胞自身が持っている脂質とが含まれています、皮脂腺からの脂質は、後から毛髪に付着(一部は毛髪内部に浸透)したもので、毛髪本来の成分とはいえないかもしれません、しかし両脂質の区別は困難ですので、両者を一括して"毛髪の脂質"として扱っています、量的には皮脂が大部分を占めているので、以下皮脂についての説明です。

@皮脂
皮脂の分泌量や組成は、内部要因(年齢・性別・人種・ホルモン・食物など)と外部要因(温度・摩擦など)によって影響を受けるので、個人差が大きく、はっきりとしたことはいえませんが、一般的には皮脂の分泌量は、全身で1日当たり1〜2g程度です、皮脂腺は頭部に最も多く分布しており、その数は1平方センチ当たり400〜900個で、毛髪の皮脂は毛髪の1〜9%といわれています、組成は分析値の一例によれば遊離脂肪酸(56%)と中性油脂分(エステル・グリセライド・ワックス・スクワレン・コレステロールなど44%)となっています。

A皮脂膜
皮脂腺から分泌された皮脂は、皮膚・毛包に常に存在している微生物(常在細菌)の酵素リパーゼの作用によって、中性脂肪(トリグリセライドなど)の一部が加水分解されて、遊離脂肪酸とグリセリンになります、そして汗や毛包中の成分と混じり合って、W/O型の乳液状になり、皮膚や毛髪の表面に広がって薄い脂肪膜(皮脂膜)となります、皮脂膜は皮脂中の遊離脂肪酸や汗の中の乳酸・アミノ酸などによって、微酸性(pH4.5〜6.5)となっています、普通皮膚のpHというのは、皮膚自体のpHではなくて、この皮脂膜のpHを指しています。

B油性毛髪と乾性毛髪
油性毛髪と乾性毛髪の大きな違いは、皮脂腺から分泌される皮脂の量が多いか少ないかによります、つまり皮脂量が多ければ多いほど毛髪に付着する量が多くなり油っぽくなるからです、毛髪内部(毛皮質)に油性成分が多いのではありません、このことは次のような実験から証明されます、油性と乾性の毛髪をシャンプーでよく洗い表面の皮脂を除いた後、毛髪内部の油性成分をアルコールで4時間ずつ3回抽出した実験によると、両毛髪とも油性分はほとんど同じ量が得られています。

C皮脂分泌の特徴
・乳児期で多く、幼児・少年期で減少して、思春期に向かって多くなる
・成人女性では年齢と共に減少するが、男性では極端には減少しない
・女性より男性の方が多い(男性ホルモンの影響)
・月経前には多くなる(黄体ホルモンの影響)
・黒人は白人より多い
・気温が高くなると多くなる
・糖分・脂肪分の多い飲食物は、皮脂を増加させる
・皮脂中のコレステロールとスクワレンの量は、成入では小児の4倍・皮脂中のパラフィン系炭化水素の量は、成入女性より成人男性が、また成人男性より男児が多い
・摩擦によって分泌量は多くなる

微量元素
毛髪の色は、微量に含まれている金属の種類によっても異なるといわれています、すなわち白髪にはニッケル、帯黄色毛にはチタン、赤色には鉄・モリブデン、黒髪には銅・コバルト・鉄が多く含まれているといわれています、微量元素としてはこれらの金属のほか、リン、ケイ素などの非金属を含め、30種類くらいの無機成分が報告されています、毛髪ケラチンは、金属と結合しやすい酸性基(カルボキシル基・メルカプト基など)をもっているので洗髪用化粧品・頭髪用化粧品・洗浄水・汗や環境からくるチリ・ホコリなどに含まれている金属イオンを吸収します、特に化学的な処理(パーマやヘアカラーなど)を受けた毛髪は金属と結合しやすい酸性基(メルカプト基・スルホン基・カルボキシル基など)が増加しているので、金属の吸着量も多くなります、毛髪中の微量元素のうち頭髪用化粧品や水道水などに通常含まれているカルシウム・マグネシウム・ナトリウム・カリウムなどは外部からの蓄積が多い成分と考えられます、したがって微量元素の種類と量は外部からの吸着によるものか、体内からの蓄積によるものか、あるいは毛母細胞の分裂増殖の不可欠成分として必然的に存在するものかを厳密に区別することは不可能と思われます、ナポレオンの死因に不審を抱き、遺髪を分析したところ、通常の100倍以上のヒ素か検出されたので、「ナポレオンは、彼の側近に微量のヒ素化合物を長期間飲まされて毒殺された」という説もあります、和歌山のヒ素カレー事件も食べた人の髪からヒ素が検出されました、このようにある特定の元素の残留蓄積量は、他の器官より毛髪の方が多いということはよく知られています、たとえば毛髪中の微量元素の分析は公害問題で大きく取り上げられた水銀・カドミウム・鉛など、有害とされている金属の体内蓄積量を調べる方法として広く利用されています、またメチル水銀を投与した動物実験では水銀は他の器官にはあまり蓄積しないで毛母細胞へと集中的に送られ分裂する細胞内に取り込まれていくという報告もあります、このことから、毛髪は積極的に水銀等有害金属を体外に排泄する役割があるといわれ毛髪中の微量金属の測定で、(血液や尿の検査のように)体の物質代謝異状を察知し、病気を予見することができるともいわれています。

水分
毛髪中の水分は皮膚の場合と同様、重要な役割を持っています、しなやかさ、光沢、風合い、引っ張ったときの強度、静電気量など毛髪の機械的性質や美容上の特性に大きく影響しています、毛髪には水分を吸収する性質があって、普通の状態の空気中では10〜15%の水分を含んでいます、洗髪した直後で30〜35%、ドライヤーで乾燥しても10%前後の水分を残しているのです、水分の量はその時の湿度が高けれぱ多くなり温度が高ければ少なくなります、したがって水分の測定は一定の温度・湿度のもとで行わなければ正確な結果が得られません、毛髪の損傷度が大きいほど水分の保持力が弱くなり水分量は少なくなるので、水分の量は毛髪損傷度の一つの目安となります、一般に水分量が10%以下になると乾燥毛といわれています、この乾燥毛を水に浸けた場合は、正常な毛髪よりも吸水量は多くなります。

毛髪pH
一般にアミノ酸は分子内に塩基性のアミノ基(−NH2)1個と酸性のカルボキシル基(−COOH)1個をもっています、このように塩基性基と酸性基のバランスがとれているものを中性アミノ酸といいます、このアミノ基とカルボキシル基とがポリペプタイド結合して主鎖となり、ケラチンタンパク質を構成します、しかしケラチンタンパク質を作っているアミノ酸にはアミノ基が1個多いもの(塩基性アミノ酸)、またカルボキシル基が1個多いもの(酸性アミノ酸)があります、この主鎖結合していない残基は、側鎖結合として互いに結び合っています、つまりアミノ基(+)とカルボキシル基(−)とでイオン的に塩結合しているのです、すべてのアミノ基とカルボキシル基がポリペプチド結合、または塩結合しているときの毛髪(ケラチンタンパク)のpHは4.5〜5.5です、つまりこの値の範囲で側鎖の塩結合はもっとも安定しているということです、これを毛髪の等電点といいます、パーマ剤やヘアカラー剤などのアルカリ性の薬剤を使用したあとは毛髪がアルカリ性に傾いています、酸リンスなどで処理するのは毛髪のpHを等電点に戻しておくためです、毛髪が何らかの原因で損傷してくるとアミノ酸の分布が変わりアミノ基が多くなるとアルカリ性に、カルボキシル基が多くなると酸性側に毛髪のpHが変化していきます、この他、メルカプト基、スルホン酸基などが増加してくると、pHは酸性側に変化してきます。

毛髪の微細構造


ここ数年の研究で、これまで考えられていた毛髪の微細構造のイメージは大きな変更を迫られています、従来毛髪のケラチンの構造は、比較的研究が進んでいるコラーゲンの分子構造から、3本のポリペプチド鎖が縒り合わさったものと想像されていましたが、最近では2本のポリペプチド鎖が縒り合わさり最終的にはアクチンと微小管の中間の太さの中間径フィラメントと考えられるようになりました、さらにケラチンは毛髪や爪の構造タンパク質としてだけではなく、細胞内部で重要な生理的役割を担っていることが明らかになってきました、ここでは毛髪の微細構造について現在までに分かっている事実の概略を説明します、しかしケラチンの研究はエックス線回折、エックス線マイクロアナライザー、超高電圧電子顕微鏡、原子間力顕微鏡あるいは遺伝子工学的な先端手法などを駆使して活発な研究がおこなわれていますので、ここから書く事の一部も、数年で訂正が必要になる可能性があります、毛髪の世界は日進月歩なのです。

ケラチン
ケラチンの化学組成
毛髪の主成分である、ケラチンはシステイン(図表1)、セリン(図表2)、グルタミン酸(図表3)などのアミノ酸がペプチド結合で結び付いた、鎖状高分子のタンパク質(ポリペプチド鎖、図表4)です、さらにシステインのような含硫アミノ酸を多く含むため、ポリペプチド鎖同士が強いシスチン結合(ジスルフィド結合)で結び付いて、システインの二量体であるシスチン(図表5)を生成します。このため、その強固で硬い構造から硬タンパク質と呼ばれています。
ペプチド結合

NH2-CR-COOH+NH2-CR-COOH
  アミノ酸        アミノ酸
          ↓脱水
NH2-CR-CONH-CR-COOH+H20
 ペプチド(ジペプチド)     水


ケラチンの種類
ケラチンは毛髪、表皮、爪などに存在するだけでなく、細胞の形を保つための細胞骨格や細胞をつなぐ接着斑としても生体内に広く存在し、様々な重要な機能を担っていることが知られています、現在までに約30種類の異なる構造のケラチンが報告されており(例えば、表皮には主にケラチン1、5、6、10、14、16の6種類のケラチンが見つかっています)、今後の研究でこの数はさらに増えるものと予想されています、またケラチンはその性質により図表6のように6種類のタイプに分けられています、細胞中にある構造体はほとんどがタンパク質が集合してできたものです、この構造体の中には細胞の形を保ったり、養分や必要とされる構造体を必要な時期にその場所まで運ぶ道路の役割をするものがあります、この構造体は繊維状のタンパク質で細胞骨格と呼ばれています、細胞骨格には網状、束状あるいは糸まり状の構造のものがあり、さらに断面の直径の違いから大きく次の3種類に分けられます。

@)筋収縮や細胞内輸送、原形質流動などの運動・運搬に関係している大きな径のミクロフィラメント(MF:microfilament)

A)軸索や紡錘体での輸送や、微生物などでの繊毛・鞭毛運動、そして細胞の形を定める働きのある、小さな径の微小管(MT:microtubule)

B)安定した構造で細胞の形や機械的強度を高めるミクロフィラメントと微小管の中間の径の中間径フィラメント(IF:intermediatefilament)

ケラチンは、この中間径フィラメントのグループに属し、その単一分子が会合して繊維を形成し、その断面の直径は約10ナノメートル(1ナノメートル=10万分の1ミリメートル)あります、なお中間径フィラメントの構成タンパク質は他の繊維状タンパク質のミクロフィラメントや微小管のような糸まり状タンパク質とは構造的にも異なっています。
図表6:ケラチンのタイプ
サブクラス 名称 サイズ(kD) 存在組織 シスチン残基
T T型(酸性) 40-60 表皮 10-15%
U U型(塩基性、中性) 50-70 表皮 10-15%
V T型とU型=1:1から形成されるヘテロポリマー - - -
W ハードケラチン - 爪、毛髪、他 15-25%
X サイトケラチン - 細胞 -
Y T型とU型から形成される特異的へテロポリマー - 細胞 -
ケラチンモノマー
ケラチンの基本構造であるケラチンモノマーは一本のポリペプチド鎖からなり、その構造はケラチンの種類により若干異なりますが、図表7に示すケラチン14は約65000の分子量を持つポリペプチドで、その構造は長径が45ナノメートル、直径が10ナノメートルで、鎖の真ん中には7回巻きのα−ヘリックス(ラセン)、中間に3ケ所のラセンが解けたスペーサーと呼ばれる部分、アミノ末端の頭部、カルボキシ末端の尾部を持っています。
図表7:ケラチン14
α−ヘリックスはアミノ酸残基が1回転で3.6個、そのピッチ(ひとつのねじれの距離)は5.4オングストローム[Å](オングストローム=100万分の1ミリ)あります(図表8)。
図表8:α−ヘリックス
3毛小皮(キューティクル)
毛髪の一番外側にあり、長径が80〜100ミクロン、短径が0.5〜1ミクロンの薄片で、これが4〜8枚が瓦状に重なり内側の毛皮質を保護しています、毛小皮は外側から外側β−層、エピキューティクル、A−層、エクソキューティクル、エンドキューティクル、内層と呼ばれる6層から出来ています。そして、毛小皮と毛小皮の間には綱胞膜複合体があります(図表9)。[※注]文献によってエソキューティクルとエソキューティクルとなってますが同じです。

図表9:毛小皮の構造


外側β−層とエピキューティクル
外側β−層にはエピキューティクルの重量比で20−30%の長鎖脂肪酸の18−メチルエイコサン酸のチオ酸誘導体が配列し、エピキューティクルの表面を覆っています、エピキューティクルは毛小皮細胞膜に由来する約25オングストローム[Å]の厚みの毛小皮全体を覆う連続した半透膜で、シスチン含量が低いケラチンタンパク質からできています、このため、疎水性で水などの極性物質を遮断し化学薬品に対する強い抵抗性がある一方、水蒸気や空気は透過させる性質があります、特徴としては硬くて脆く、コーミングなどの物理的な衝撃で損傷しやすい面があります(図表10)。

図表10:外側β−層

A−層とエクソキューティクル
A−層は一般的に化学薬品に高い抵抗性を示す領域ですが、反面シスチンを多く含むため、シスチン結合を切断するパーマ剤の影響を受けやすい性質もあります、組成的には親水性で比較的柔らかいケラチンが含まれています、エクソキューティクルは毛小皮細胞のケラチンタンパク質が高度に角化してできた不溶性の厚い組織です。

エンドキューティクル
毛小皮の最も内側にあり、システイン含量が低いためパーマ剤の影響を受けにくい性質がありますが、反面、親水性でタンパク質を腐食するアンモニアなどのアルカリが浸透しやすく化学薬品に弱い面もあります。
細胞膜複合体(Cell Membrane Complex:CMC)
内層の内側には内側β−層、δ−層、外側β−層(毛小皮の外側β−層と細胞膜複合体の外側β−層は違います<図表9参照>)の3層からなる400-600オングストローム[Å]の厚みの細胞膜複合体があります、これは角化に伴い毛小皮細胞の細胞実質が失われ残存した細胞膜と接着物質から形成されています(図表11)内側β−層と外側β−層はそれぞれ約50オングストローム[Å]の厚みの膜で、タンパク質と脂質(18-MEA)の単分子膜からなり、低い摩擦係数を示すことが分かっています、δ−層は156±12オングストローム[Å]の厚みがあり、その組成は良く分かっていませんが毛小皮細胞と毛皮質細胞の細胞膜及び細胞質に由来し、内側β−層と外側β−層を接着する働きがあるものと考えられています、
細胞膜複合体は隣接する毛小皮を接着させるとともに、水などの極性物質を遮断し還元剤やアルカリなどの化学薬品に対する抵抗性が非常に高いため内側の毛皮質を保護するのに大きく寄与しています、同時に共存する脂質、有機酸、アミノ酸及び多糖類が毛髪の水分保持にも役立っています。
[※注]文献により内側をlower、外側をupperと明記してるものもあります

図表11:細胞膜複合体

4毛皮質(コルテックス)
毛小皮の内側の毛皮質は毛髪全体の体積の85%〜90%を占める部分です、毛皮質は角化が進んだ皮質細胞の残骸からなり、その中に硬い結晶領域と柔らかい非結晶領域からなるサンドイッチ構造を持ち、このため毛髪特有の弾力性としなやかさを併せ持つ性質が現れる理由となっています。

皮質細胞
皮質細胞は長径100ミクロン、短径2〜6ミクロンの紡錘形の細胞で毛幹部では死んで萎縮した細胞残査として存在します、その中には結晶領域のフィブリルと非結晶領域のマトリックスが含まれメラニン顆粒や細胞核の残骸も見られます、細胞膜は消失し、その残査(残った細胞の部分)が細胞膜複合体として皮質細胞同士を接着し毛皮質としての組織構築に寄与しています。

結晶領域
毛皮質中では分子量が約80,000程度のα−ヘリックス構造を持つ直鎖のポリペプチド鎖が段階的に会合し、毛髪の長軸方向へ規則正しく配列した繊維状ケラチン(フィブリル)が約40〜45%を占め、結晶領域と呼ばれています、この領域は規則性が高いため、偏光顕微鏡で観察すると、特有の色調の干渉像が見られます、結晶領域は規則的な構造のため塩結合や水素結合の影響が強く、硬くて、化学反応を受け難い領域です。

非結晶領域
毛皮質の残りの55〜60%は側鎖の多い、短いランダムコイル状のポリペプチド鎖が不規則に折れ曲がって配列したケラチンタンパク質からなる規則性の低い非結晶領域です、このポリペプチド鎖は結晶領域の繊維状ケラチンに較べて分子量が小さく、約10,000ほどしかありません、非結晶領域は結晶領域のフィブリルの間を埋め、フィブリルとフィブリルを接着するように存在するため間充物質(マトリックス)と呼ばれています、この領域はランダムで短鎖のポリペプチド鎖が多いため、鎖間での水素結合や塩結合の相互作用が弱く、結晶領域に較べて柔らかい性質があります、間充物質にはシステインが多く存在し、シスチン結合を形成しているため、パーマ剤が作用する中心となっています、現在の考え方ではパーマ剤の作用機序(アクションメカニズム)は間充物質の液化(還元)、拡散(カールリング外側部位への拡散)、凝固(酸化)によると考えられています、間充物質にはこのような性質があるため、逆にシスチン結合を切断する還元剤や塩結合などを切断するアルカリ剤で溶解し、毛髪外へ流出して、その後が空孔化し、同時にフィブリル間の接着も失われため、毛髪損傷の一番の原因となっています、毛皮質に還元剤を作用させ四酸化オスミウムで処理後薄切し、透過型電子顕微鏡で観察すると、フィブリルに較べ、間充物質が強く電子染色されて、両者を区別することができます。
ケラチンの構造
毛髪中のケラチンタンパク質は酸性ケラチンモノマー(T型)と塩基性/中性ケラチンモノマー(U型)の2本のヘテロモノマー(異型単量体:図表12)が同じ末端で平行に縒り合わさって形成されるダイマー(二量体:図表13)が基本構造です、さらにこのダイマーが逆平行で2本会合してテトラマー(四量体:図裏14)を形成します、このテトラマーはプロトフィブリル(原繊維)と呼ばれています。

ケラチンモノマーとダイマー
図表12に示すようにケラチンモノマーは真ん中にα−ヘリックス構造を有し、両端のペプチド鎖は解けた構造を持っています、ダイマー(図表13)は2本のヘテロモノマーが同じ末端どうしで縒り合わさった構造を持っています(N−末端、C−末端)、ダイマーのコイルドコイルはα−ヘリックスとは異なり、アミノ酸残基が1回転で3.5個、そのピッチは5.1オングストローム[Å]あります。

プロトフィブリル(ケラチンテトラマー)
2本のダイマーのN−末端とC−末端が逆平行で互い違いに結び付いてテトラマー(四量体:図表14)が作られます、このときダイマーの端は約10ナノメートルずれて会合しています。

ミクロフィブリル
8本のプロトフィブリルが会合して、ミクロフィブリルが作られます(図表15)、また会合は長軸方向にも延伸され繊維状の巨大分子が形成されます、ミクロフィブリルは直径10ナノメートル、長さが200ナノメートル以上になります。

マクロフィブリルと皮質細胞
さらに、ミクロフィブリルの数本〜数十本が会合してマクロフィブリルを作ります。この段階になると、会合する分子の数は皮質細胞の条件により変化し、規則性はみられません(図表16)。

空孔(ボイド)
毛皮質には数ミクロンの不定形の空孔が多数存在します。これは毛皮質細胞か死んで、萎縮するときに、細胞質中の存在し、失われた水分が占めていた空間に由来するものと考えられています。この空孔は非結晶領域に多くこ細長く、互いにトンネル状に連結し、毛髪の長軸方向に配列し、毛皮質断面積の10〜20%程度を占めています。そして、毛髪の軽量化、断熱効果の増加、弾力性の増加などに役立っているものと考えられています。
オルトコルテックスとパラコルテックス
毛髪の縮れの原因の一つは毛皮質のコルテックスタンパク質(ケラチンタンパク質)の構造の不均一性が挙げられます、コルテックスには化学的にアミノ酸組成の異なるものがあり、シスチンを多く含む柔らかく親水性のオルトコルテックス(O−コルテックス)とシスチンが少なく、硬く疎水性のパラコルテックス(P−コルテックス)に分けられます、これは毛母細胞に遺伝子発現の異なる細胞が混在するためと考えられます、毛乳頭の上部にある角化帯でオルトコルテックスとパラコルテックスが毛幹断面で同心円状に均一に産生、分布すると直毛になりますが、これらのコルテックスが不均一にスパイラル状に偏って産生、分布すると縮毛になります(図表17)。

図表17:縮毛の構造

上記のような性質がありますが、普通、直毛には平均して存在し、縮毛などでは波の外側にオルトコルテックス、内側(下側)にはパラコルテックスがあると考えられており、水分を含んだ時と乾燥した時の波の違いはこれらの性質の違いが出るものと考えられます、最近の考えではオルトコルテックスは間充物質、パラコルテックスはフィブリルが多い領域と考えられています。

毛髄質(メデュラ)
毛髄質は毛髪の最も内側にあって、断面積の5%程度を占めています。構造は篭(カゴ)が幾段にも積み重なった梯子の様な形で、耐アルカリ性の柔らかいケラチンからできています。毛髄質は産毛や細い毛には無く、正常毛でも途中で途切れていることがあります。毛根に近い部分は液体で満たされていますが、毛髪の上部では脱水し、収縮して、空洞化し、空気が入り込むことが多いようです、この部分では光が乱反射され光沢が失われるため毛髪のくすみの原因の一つと言われています、毛髄質は毛髄質細胞に由来しシスチンがほとんど含まれない代わりにグルタミン酸を多く存在し、化学組成は他の毛髪組織とは大きく異なっています、その働きは良く分かっていませんが毛髪が膨潤、収縮する際の緩衝スペースとして働く他、毛髪の軽量化、断熱効果の増加などに役立っているものと考えられています。


硬毛と軟毛

硬くゴワつく・まとまらない・うねる・収まりが悪い・広がるといった硬毛の悩み、動きが出せない・傷みやすい・バリ、コシがなくてヘナヘナ・ベタつく・ボリュームが出ないといった軟毛の悩みは、硬毛と軟毛の構造や組成の違いから生まれます。

硬毛 軟毛
○キューティクルの枚数が多く、重なりが厚い。
○毛髪が太く、フィブリルの数が多いため、シスチン結合が多く弾力がある。
○マクロフィブリル間やエンドキューティクルに水分を多く含む。
○キューティクルの枚数が少なく、重なりが薄い。
○毛髪が細く、フィブリルの数が少ないため、シスチン結合が少なく弾力が無い。
○薬剤や物理的な影響を受けやすい。



毛髪拡大写真
   健康毛              縮毛髪の断面図           直毛髪の断面図
                                         ダメージ毛
        枝毛の先                裂毛           (キューティクルが剥れている)



  
【健康毛】
 

【キューティクルのない毛髪】    【ブラッシング等による損傷】    【パーマの過膨潤による損傷】
  

【枝毛による裂傷@】          【枝毛による裂傷A】          【結節性裂毛症】 
  

【カットミスによる損傷】        【熱変性による損傷】            【究極の損傷】
  




   
 正しいお手入れを実行するための前準備として髪や頭皮のしくみについて、少しだけ考えてみましょう。まず、何故髪が抜けるのか?髪の毛は毎日自然に抜けているのですが、1日にいったい何本くらい抜けているのでしょう? なんと! 1日約50本〜100本は自然脱毛として抜けているのです。髪の毛には髪の毛をつくり出す工場のようなところがあります。この工場が毛乳頭と呼ばれているところで、毛母細胞という細胞が毛細血管から必要な栄養を吸収し、次々に分裂して新しい髪の毛の細胞を生み出しています。
   
 安心してください。髪の毛製造工場には、いろいろなベルトがあり、製造しているベルト(活動期)やしばらく在庫として残っているベルト(退行期)、そしてお休みをしているベルト(休止期)があり、それそれが周期的にこれをくり返しています。これをヘアサイクルといって、男性で3〜5年女性で4〜6年といわれています。これを一生に換算すると約12〜15回行うことになり、休止期、つまり周期的にお休みをとっているベルトの髪が抜け毛として自然に抜け落ちているわけです。



   
 これは、製造工場である毛乳頭がなんらかの原因でスムーズに働かなくなった状態であり、
つまりこれを異常脱毛といいます。

 異常脱毛の原因としては
@工場に運ばれる原料不足→栄養不足
A原料運搬の機能不良→血行障害による養分補給の停止
B工場内の製造機械の故障→毛母細胞の老化、やけど等の外傷
Cマンパワーの不足や過多→ホルモンのアンバランス(男性及ぴ女性ホルモン)
   
 フケは、頭皮の角質がはがれたもの、つまり、皮膚からでる垢と同じ。この垢が、毛穴から出る汗や脂質、汚れが混ざったもので、健康な頭皮でも発生はするのですが、シャンプーを何日もせずに放っておくとこの老廃物であるたんぱく質や脂質が細菌によって分解され頭皮を刺激してかゆみを起こし、さらに炎症を起こす場合もあります。一般にフケ症と呼ばれるのは、頭皮が化学的な刺激や季節の変動により異常を起こし、角化がスムーズにいかなくなり、異常に発生した状態をいいます。フケの原因にはこの他にストレス、ホルモンパランスの異常、栄養の偏り、新陳代謝の低下等が考えられます。




   


 

               

       


 

 
水分少ない 皮脂少ない 乾性頭皮
水分多い 皮脂少ない 健康頭皮
水分多い 皮脂多い 脂性頭皮
水分少ない 皮脂多い 脂性頭皮
   

健康スキャルプ 脂性スキャルプ
適度なうるおいを持ち、みずみずしくしなやかな状態=表皮で抱えている水分と皮脂腺で分泌されている皮脂とがパランスよくうるおいの膜をつくっている。

     
    
内的外的要因により新陳代謝機能が低下し、皮脂と水分のパランスが崩れ異常に脂っぽくなった状態。


     
    
乾性スキャルプ フケ性スキャルプ
内的外的要因により新陳代謝機能が低下し、皮脂と水分のパランスが崩れ乾燥しすぎてあれやすくなった状態。




     
    
化学物質の刺激、細菌の増殖などによる外的要因やホルモンパランスの異常、ストレス、栄養障害などによる内的要因で、ターンオーパーが乱れ、必要以上に早いペースで角質がはがれおち、フケが目立つようになった状態。

     
    



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