現在のストレートパーマは、邪魔なくせを取るためのものと、縮毛を伸ばすことが目的のものとに分けられています、最近ではたくさんのやり方が出回っていて私達技術者にとってもどれが最高の技術なのか?と言う質問は非常に答えが難しいのです、「最高の〜」とか「究極の〜」とか「もうくせ毛で悩まない」とかキャッチフレーズは山のようにありますが、これはサロンの立場からの広告で基準がありませんから、どこから最高でどこから究極なのかお客様は判断にまよってしまいます、要は他人がなんて言おうと本人が最高と思えばそれは最高なんです、つまり先ほどの問題も答えが難しいと言ったのはそう言う理由からです、それと「誰のために」が重要なキーワードなんです。

 最近の縮毛矯正の技術ってどのくらい種類があるか知ってますか?名前をあげれば「Mr.ハビット」「リペア」「リメイク」「ストリア」「リフレイン」「エフィカス」「リシオ」「スーパーSARA」・・・まだまだたくさんあります、きりがないので書きませんが、サロン独自でやってるのも含めると凄い数になると思いますどれが一番伸びるとか、痛みが少ないとか・・・確かに重要なファクターではありますが、薬液の世界も日進月歩で良くなっていくのはあたりまえです、実際名前をあげたものは当店でやっているものや何度も講習に参加したり、導入しているサロンさんへ行って見せてもらったり、薬液や技術工程の違いまで調べてみたりもしましたが、知れば知るほど矛盾も出てくるし業界のいやな部分も見えてくるのです、すべては書きませんが、例えば某講習会では「ハビット」を否定していたり、別のとこでは「リペア」や「リメイク」より後に出たほうが良いに決まってると言い切ってたり、アイロンを使うのは髪の形状を変えるからだめだとか・・・競争するのは解りますが露骨に他を否定するのにうんざりしました、確かにアイロンを使えば髪の毛をプレスしてしまうので、間違いではないですが例えば、髪の仕組みを理解している上手な人がアイロンを操作するのと、仕組みを理解していない下手な人がドライヤーで熱を加えるのとでは後者の方が髪をいためてしまいます、要はどれが良くてどれが悪いと言う事ではなくて施術する人の技量に依存すると言うことです、別の事に例えるなら普通のシューズを履いた陸上選手とスパイクを履いた私達が競争しても負けてしまうように、技量があるひとは何を履いてもそれなりに早いし、その上でいい物を履けばもっと早くなるそれだけなんです。

 昔「Mr.ハビット」が出始めた頃、すごい衝撃でした、導入したサロンも増え始めた頃、「ハビット」は傷むと言う情報も出回りました、この時伸ばす事だけに専念して髪のダメージを考慮してないサロンがあったのも確かですし、あいまいな技術工程で「ハビット」の名前を掲げているサロンがあったのも事実です、そんな所で体験したお客様はどんな情報を流すか解りますよね、私の知り合いの店で今も「ハビット」を続けているサロンがありますが、すばらしい仕上がりです、つまり縮毛矯正は別の意味でも凄く奥が深いのです。

 薬液についても、以前何人かの人に協力してもらってデータをとった事があります、出来るだけ条件を揃えて薬液の種類を変えたり、放置の仕方も遠赤を使用したり、スチームタオルを使ったり、自然放置にしたりして・・ そうするとただ単に液が強いとかそれだけで説明がつかない場合あります、たとえばAさんは○より△の薬液の方が膨潤しやすいのに、Bさんは△より○の薬液の方が膨潤しやすいと言うこともあるのです、それは1液の形状がさらっとしてたり、どろっとしてたり、クリーム状だったり)による部分もあると思うのですが、髪質によって液の相性まで違ってくる事もあります、凄く奥の深い技術です、これから種類が増えればもっとデータが必要になるでしょう。

 伸びるか伸びないかは、ほぼ膨潤で決まってしまいます、あとは熱の加え方の違いで、どこまで髪を傷めずに出来るかということです、だから上にたくさん矯正の種類を書きましたが、毛のしくみと理論を理解していれば薬液の少々の差はあるけど同じ技術なんです、むしろ毛髪のダメージはどのくらい1液を効かせたらどうなるかとか、アイロンをするとき何度の熱でどのくらいで熱が入るかとかの方が重要です、でも講習ではそこまで詳しく教えてません、経験を積むしかないのです、ここまで読むと理屈っぽくて変な奴だなと思うかもしれませんが、誤解の無いように言いますと、すべて否定しているわけではありません、自分が見て体験してきた事実を言っているだけです、ちなみに上に挙げた縮毛矯正は、どれもすばらしい仕上がりだったのも事実なんです、逆に同じ名前の矯正技術なのに、違う仕上がりもありました、つまりどれをやっているかより、誰がやるか、どこまで熟知しているかが重要だと思います、細かいことを言えば毛髪診断が出来る知識があって、薬液の違いを理解してお客様それぞれにあった技術を提供し髪のダメージを最小限に抑える事が出来るのがベストでしょう。

 最後にまとめると、どれが最高かというのではなく、どの縮毛矯正も一流の技術者がやればそれなりにすばらしい仕上がりなります、そのうえで良い薬液を使えばもっと良くなる、そして薬液は年々改良されていると言う事。そして他を否定するのはやめましょう、だって誰もが自分のところでやっているのが一番だと思うのは当たり前じゃないですか。






 もう一つ問題があります、縮毛矯正を導入したサロンの中には利益に魅力を感じて始めた店も少なくないということです、なぜ問題かというとご存知のとおり縮毛矯正は時間のかかる技術です、当然ここでサロンは営業時間内の取り入れかたや関わる人件費の捻出を考えます、最近の縮毛矯正は仕上がりもすばらしいのでその結果、料金設定は高めの料金にしようとか、もちろんここで言う高めというのは他のメニューに対してであって、椅子を占領している時間を考慮すればむしろ安いくらいですが、これはサロン側の意見です、単純に金額だけ見れば2万、3万は確かに高いです、何が言いたいかというと料金のことに目を奪われてしまって、本来私達技術者が技術の研究や追及をするうえで考えていることが、「お客様が求めているもの」からだんだん離れていってるような気がします、私達の技術は「誰のために」?というのが非常に大切な部分だと思うのです、別にお金のためにやることが悪いと言っているわけではありません、お客様のため・・・結果よろこんでもらって・・・お金になる・・・これは良いことです、

 ある時、キャンペーン(スキャルプケア)でチラシをまいた事があります、新聞の折込でかなり広い範囲に・・・そのときメニューの一つで縮毛矯正料金1万〜1.5万くらいにしました、今回縮毛矯正はキャンペーンで無かったにもかかわらず、凄い反響でわざわざ電車を乗り継いで来た人もいました、遠くから来た方は、「この値段なら電車賃が余裕で浮く」と言っていたのを覚えています、どっちがキャンペーンだかわからないくらいでした、当時の料金からすれば安かったのかも知れません、その時は特別安くしたつもりはなかったし、うちは安売り店でもありません、むしろ他より高いメニューもあるくらいですこの出来事で料金に対しての考え方が変わりました、それ以来当店は適正価格という考え方を導入しています、それはコストがどれくらいとか、人件費は、時間は、これだけの技術だからと言うのは店側の考えであって、基本はお客様が、『この技術でこの料金なら満足』という考え方で、すべてきちんとしたデータに基づいて適正価格を決定しています、適正価格の考え方はこれ私の考えですが、昔カット7500円の店に行った事がありました、確かに料金だけ見れば高いですが、そのときは至れり尽くせりで1万円払っても惜しくないと本当に思ったほどです、それで7500円なんです、もう一つ、カット1980円の店に行ったこともあります、相場よりも安い料金です、そのときは1500円でも高いと思いました、このときの適正価格の考え方は1000円です、つまり1万円出しても惜しくないサービスを受けて7500円は安いんです、但し1500円でも高いと思うものには1000円でないと安く感じません。この考え方から適正料金を決めています、付け加えるとすれば1980円の店がいけないと言っているのではなく、3000円くらい払っても良いと思わせるサービスで、1980円なら満足するということです、

 今回、縮毛矯正料金について世間ではどのように思っているのか、同業仲間の協力やインターネットを使って、縮毛矯正をしている、又はしたことがある人にアンケートを取らせて頂きました、317人の回答があって 21人が無効でした、結果ほとんどの方は「髪が伸びた事に関して満足している」と書いているのに料金に関しては「高いけどこれだけ伸びるから」、「縮毛矯正はどこでもこれくらいの値段だから」、「時間と手間を考えると仕方が無い」・・・と言う意見が多く、「技術も料金も満足している」という人は14%でした。意見をまとめてみると「仕上がりは気に入ってるが気軽に出来る料金ではない」と、それでは、どのくらいの技術料金ならありがたいか?と言う質問には「このくらい伸びて1万円前後なら」と答えた方が67%でした、この結果を見てさらに悩みました、今まで1〜1.5万円で安いと言っていた方は、他と比べて安いといっているだけで本当は1万円くらいなら気軽に出来ると・・・アンケートを取る前は世間の料金は適正とは思えないけど、当店の考えは、2〜3万のサービスをして1.5万なら適正だと思っていたのに・・・サービスや価値云々より基本的に経済を考えると高いと言う事なんですね、だから悩んでしまったのです、適正は貫きたいし、だからと言って技術の安売りはしたくないし・・・どこがボーダーラインなのか・・・縮毛の料金体系の考え方ってサロンによってもいろんな言い分があると思うし・・・それで出た結論は、今回ここまで調べた意地も含めてしばらく様子を見る意味で、今までと同じ技術を超破格の9800円(14800円に変更になりました)でやってみようと・・・

 そして現在は、キャンペーンではなくずっと¥9800(\14800に変更になりました)でやっております、髪の長さも関係ありません、この料金の中にはカットはもちろん、通常¥5000でやっているスペシャルトリートメントも無料でついています、余談ですがあるところで縮毛矯正を失敗しない10ヵ条と言うのを見かけまして、その1に[1万円未満は避けるべし]と書いてありました、これはある意味その通りだと思います、現在最高の薬液を使い、プレ処理や中間処理やアフター処理に高価な薬液を使ってその上トリートメントまでしたらコストが物理的に1万円未満に出来ないんです、一番安い薬液を使ってやれば、¥5000くらいでもできます、でもそれは絶対にしたくありません、つまり安いものを使えば1万円未満でも利益を出す方法はあります、10ヵ条はそのことを言ってるんだと思います、おそらくうちと同じ内容の薬液構成で同業者が聞いたら、間違いなく2万円以上?と言うでしょう、この秘密は来店されたお客様で、聞かれた方には答えています、とても電話やメールなどの文章では説明できませんので。


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