回答 その2
どれくらい勤めるかによって異なりますね。例えば,男子で,一生の仕事 にしようと考えるなら,30年間を見通す必要があるわけで,こんなことは
不可能に近い。我々は,30年前(年寄りですね)は計算機などが現われ 出したころで,そのような仕事をしようと考えたわけですけど,理由は簡単,「結構面白そう」だったから。
その頃は,鉄鋼とか,石油化学などが花盛りでした。でも,結局それは 構造不況になってしまったわけです。計算機に関しても,IBMが没落して死の底から立ち直り,あのDECが没落してCompaqに買収され,Intelがのしてきて[AMDにやられながらも],Microsoft
が繁栄を極めている[米国司法省にいびられながらも]。UNIX業界でも,SUN Microsystemsが未だ頑張っているがHewlett
Packardは駄目になりかかっている[本当かな]。難しい話です。
十年前なら,金融とか,投資信託,不動産,保険業界が花形だった。サービス業に皆ななびいていた。でも,これは今大変な時代になってしまった。
当分復活はないでしょう。
となると,今言われているのは,正に,「流通」と「通信」ですね。正しいと思います。少なくとも,ここ数年は,この業界は隆盛を極めるでしょう。と言うことは,大変忙しいだろうということ。
一方,日本人は元々「コンポーネント」が得意です。ですから,ビデオカメラとか, ディジタルカメラとか,が得意ですね。OA機器などもかなり得意な業務です。これらは,個人消費者向けの機器と,企業顧客向けの機器があり,
一般の雑誌や新聞に載っているとか,広告に載っているのは個人消費者向け の製品が大部分ですから,企業顧客向けの製品を製造している会社は余り表に出てきません。
だから,半導体などの製造装置を作っている会社(例えば ニコンやキヤノンなどは,ステッパーという機械を製造しているわけですから,これは
一般消費者には何も訴えるものはありません。でも,決して業績が悪い 訳ではないと思います。もっとも,今は非常に業績は悪いですが。)
このような,コンポーネントを作っている会社でも,SEは求められているのです。[システムエンジニアリングの定義を思い出して下さい。いくつかのコンポーネントを組み合わせ,全体としてそれらの総計以上の性能,機能を達成するようなもの。ですから,上記のようなコンポーネントでも,より小さいコンポーネントの組み合わせですから,SEの仕事が必要であることは云うまでもありません。しかし,本流の仕事かというと少々苦しい。本流が希望ならば,上記のようなソリューションビジネスに身を投じる以外ないですね。]
計算機関連の業務がSEである,と言うことは必ずしも正しいわけではありません。交通システムなどもSEがからんでくるのですからね。
これは,上記のコンポーネントと同じ考えです。如何に効率のよう交通システムを構築するか,そして,システム全体を運用するか。障害が発生したときに如何にしてこれを修復し,影響を最小限に食い止めるか,などなど。SEの仕事は沢山,沢山あります。
それから,特筆したいことを述べます:ソフトウエア会社は,なるべくなら下請けの会社は止めたほうが
良いと思います。これらの会社は,例えば,日タチソフトウエア(*),東シバソフトウエア(*), 富士デンキソフトウエア(*),三ヒシデンキソフトウエア(*),などなど。親会社が必死になってより安く,より短期間に,より機能の多いシステムを提案して競合して
受注してきた案件の実際のプログラムを作るわけですから,工期も短いし,価格的にも厳しいし,試験も徹底的に実施しなければならないし,などなど,
徹夜に近い形で仕事をすることも多いと聞きます。
I●M(*)などもそうだし, N○●ソフトウエア(*)も同じです。
でも,I●M(*)やN○●ソフトウエア(*)はどちらかというと親会社兼子会社ですから,ある程度はこの大元の責任を自分で背負っているからまだましですが,親会社の子会社である「下請けのソフトウエア会社」は,是非もなくやらされるわけですから,大変な事はもうこの世のものではないですよ。<これだけは十分に心に留めて
おいて下さい。>
でも,これは条件のいい人が言えることかもしれません。先日も,学歴やら学校名,などが影響するだろうかと私の掲示板に書き込みがあったので,割りあいSEの世界の人は,実力主義だから、余り影響しないのではないですか,と書いたところ,自分もそのように思っていたが最近は就職戦線がだんだん厳しくなって来ているので,そんなにゆーちょうなことは言っておれなくなっているという,書き込みがありました。だから,私の「成可く子会社は避けたほうが良い」と言うのを全面的に信じないで,自分で行動をして欲しい。しかし,この世界の厳しさは十分に認識して,なぜ厳しくなるかの理由も認識してからにして欲しい。
(*)注:上記の会社名は,架空のものです。もし,そのような会社が存在したとしても,それは偶然です。