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 SEの35歳の壁〜その乗り越え方〜NEWSEの心得SEの仕事SEの仕事詳細システム構築業務知識獲得ソフト業界ソフト裏話

    visitors since November 11, 2001.

筆者小林健三からの特別のご案内:
筆者の著作「SEの35歳の壁」〜その乗り越え方〜が4月25日にソフト・リサーチ・センターから出版されました。
あの有名なアマゾンのサイトで、下記の書物のレビューが掲載されています。また、日経コンピュータの書評欄にも掲載されました。
アマゾンのサイトで、これらのコメントをご覧になれます。
アマゾンのサイトでご購入になると、送料が無料です。

S.E.の仕事を分類します。
(SEの仕事についてさらに詳しく)
(未完です)

2001年5月5日初版掲載
最終更新:2003年9月27日

関連のあるサイトは下記の通りです:

第1版投稿:2001年5月5日
最終更新:2001年5月19日

このページでは,次のことについて述べます。

    1. システムエンジニアの仕事
    2. プログラマーの仕事
    3. SEの業務の詳細

関連することをクリックすると,関連する場所に飛びます。


初めに

 今までも何度も作成しようと試みてきたのですが,結局SEの仕事について系統だって説明していなかったような気がします。そこで,今回はSEの業務を段階をおって説明しましょう。

 SEのレベル的な話と,分野の話は別 途記載していますのでそちらを御参照下さい。

 では,SEとは何をするのでしょうか。


SEはどのような仕事をするのでしょうか−−イントロ

 SEは大変幅広い仕事をします。すでに説明しているように,実施する仕事の面 から分類すると

などに分かれるでしょう。これらの人をひと括りにしてシステムエンジニアというようです。

 また,業務分野別としては次のような分類になるでしょう。詳細はこちらを参照下さい

  • 金融・保険
  • 流通・物流・販売
  • 製造・制御
  • プラント
  • サービス
  • 交通・航空
  • 通信

これらのシステムを実現するために,使用する計算機の種類別 には次のように分かれるのではないでしょうか。もちろん,これらの種類をいくつか含んでシステムを構築するのが通 常ですが。

  • PC系
  • ホスト系
  • UNIX系
  • マイコン
  • 制御系
  • 古い話では,オフコン系

などに分かれるのではないでしょうか。

技術分野別には

  • ネットワーク/通信/プロトコル
  • OS
  • ミドルウエア
  • アプリケーション
  • マンマシン
  • DB(データベース)
  • 情報検索

などの分野が思い浮びます。

これらの分類にそってSEの仕事を順次説明しましょう。


実施する仕事の面からの分類

SEの仕事を実施する仕事の面から分類すると概略次のようになります。

これを順次説明しましょう。

システムの仕様を決める人

システムとは?は置くとして,これの仕様を決めることは重要です。システムエンジニアの主たる業務と言っていいでしょう。

システムの仕様とは何でしょうか。

  • どのような仕事をするのを助けるのか?・・・システム構築の目的,達成目標。これが当初規定すべき内容。お客のどのような業務の遂行に貢献するシステムであるかということを規定する。
  • どのように機能するのか?・・・システムが必要な理由。通 常,機能リストを作り,それをだんだん詳しく肉付してゆく。これがほとんど全ての死命を制すると考えてよい。
  • どのような性能を持っているか?・・・同じことをするのでも,早いほうが良いけど,それだけ高価になる。だから妥協が必要。性能とは速度だけではないのが大変難しい。
  • どのような画面操作を伴うのか?・・・最近はこればっかりの感がするけど,それでもシステムの使い勝手はこれで決まってしまう。へたくそなシステムはこれが本当に悪い。でも,この仕様をきちんと規定するのはすごく大変。
  • どのような機器を用いるのか?・・・本当はどのような機器で実現してもいいのだけど,これを最初から規定することもありますね。もちろん,どのようなネットワークを用いるかも決める必要があります。
  • どのような応答速度を持つのか?・・・まあ,性能の一部かもしれないけど,制御関係では特にこれを規定することが必要。1秒で完了するのと,1分かかるのでは全然違ったシステムになる。
  • どのような精度を持つのか?・・・これも制御関係では必須。
  • どのような環境で用いられるのか?・・・単独で稼働するのか,それともホスト計算機などと接続するのか,むにゃむにゃ。。。専用回線で接続された機器と。ダイアルアップで接続された機器では全く異なるシステムになってしまう。全く同じシステムを東京と大阪で動かす,また,アメリカでも動かすなんてことがどんどん要求されてくる。そうするとシステムはだんだん複雑になってしまう。
  • 異常時,故障時の対応,バックアップなどはどのようにするか?・・・これを忘れやすい。きちんとしたシステムではこの異常時,故障時の対応やらバックアップをきちんと規定している。どのような頻度でバックアップを取り,どのような異常,故障に対してもどのような時間で復旧することを可能とするか。

などなど,各々のシステムによってこれらの項目は異なりますが,大略上記のような項目を指定することです。[ああ,本当に難しいな。...そう言わないで。...これをきちんと説明することがよっぽど難しい。]

ここで挙げた仕様は,SEが一人で決めるのではありません。二人のSEで決めることでもありません。そう,お客さんと話しながら決めることです。お客さんが「仕様書」として提出してくれるかもしれませんが,それをそのまま鵜呑にしないことが大切です。そんなことをすると,大変なシステムが出来上がります。通 常,構築不可能なシステムを要求されますからね。それを「値切る」のが立派なSEの仕事です。例えば,「お客さん,このような業務はコンピュータに任せるのは大変ですよ。このような仕事はコンピュータでは実現不可能ですよ。こんな応答速度はとてもじゃないけど,ETにしか実現できないですよ。....」通 常,「値切る」事が多いですね。

でも,「値切る」ことばかりしていては,お客さんの[あなたに対する]信用はがた落ちになります。だから,立派なSEはお客さんが「ほれぼれ」するような「素敵な機能」を提案するものです。例えば,「このボタンを押すと瞬時にあなたの悩みを解決してあげます。」とか,「この入力は,どのような入力をしても,必ずOKとなるような機能を付ける。」とか。「これをクリックすると,綺麗な女性が出てきてコーヒーを入れてくれる」とか。[これは全部冗談ですよ。]:::もっと具体的に知りたい人はこちらを御訪問下さい。

また,ここでは述べていませんが,世界標準,業界標準を確立できるような仕様を提案できること,これが非常に重要であります。この部分を参照して下さい。

標準仕様,業界標準,高度な仕様の重要性

だから,仕様の決方で重要なのは,

  • 機能を出来るかぎり単純に仕様として決めること,
  • 機能を出来るかぎり独立した単純な機能の組み合せになるように設計すること,
  • マンマシンインタフェースはできる限り簡単にすること,
  • データベースとのやり取り,他システムとのやり取りなどもできる限り単純化すること

などが非常に大切です。本当にSimple is the Best!!です。お客にとっても,作成する側にとっても,日本国にとっても。だから,標準化は大切なのです。そうすると,同じような機能のプログラムをあちこちで作る必要がないのです。そうすると,その標準を押える機関,会社,団体が非常に大きい利益を享受できます。でも,日本は,各社とも異なるシステムを好みます。各社とも小さい点で,細かい点で異なる仕様,細かい点で優れているであろうと主張する細かい仕様が大はやりです。細かい点はどうでも良いのです。

  • 大きい,大枠をきちんと押える基本的な仕様を
  • できる限り単純に,
  • できる限り高機能に
  • できる限り高性能に

実現するような仕様を提案できることが実力です。

 

システムを設計して製作する人

今度はシステムの設計と製作です。もちろんSEの仕事ですが,だんだんとプログラマに近くなってきます。

順を追って説明しましょう。通常,システムの仕様書が作成されてから,プログラムになるまでのステップは次のようになります。これは,ビジネス系とそれ以外ではちょっと呼方が異なります。SEはこれだけのものを作ります。もちろん,プログラム仕様書あたりからはプログラマが担当することになります。それも上級のプログラマが担当します。単にプログラマと呼ばれる人は,プログラム製作仕様書(フローチャート)に基づいてプログラムを作ります。

  1. 機能仕様書(概略,詳細)−−システム仕様書を元に,機能仕様書を作成します。概略機能仕様書で機能のおおまかな分割を行います。そして,これらの間の関連を図として作成します。また,これらの機能を実現するためのハードウエア(どのような機器,PC,コンピュータを使用するか,データを保存する機器,通 信機器など)を規定します。もちろんホストとしての罫線気だけではなく,あらゆる端末に使用する機器類の仕様も決めます。
  2. ソフトウエア仕様書−−どのようなOSを用いて,どのようなミドルウエアを用いて,さらに,どのような既存のアプリケーションを用いて,どのようなプロトコルで通 信して,そして,データベースを定義します。もちろん,このデータベースにどのようにアクセスするかも決めます。バックアップ,異常時からの復帰方法,最初の立上げ方法,複数のサイト間でのデータのやり取りの方法,などもここで決めます。すなわち,上記の機能仕様書で規定する「機能」を実現するために必要なプログラム上の仕様をここで規定します。
  3. プログラム仕様書−−GFCといわれます。概略フローチャートです。上記の「機能仕様書」との対応で,機能別 に分割されたモジュールをプログラム化するための仕様を決めます。これを決めることにより,「機能」を実現するもジュール間のデータのやり取り,データベースとのデータのやり取りの詳細,画面 でのマンマシンのデータのやり取りなどが決ります。[この当たりからプログラマーが関与します。
  4. プログラム製作仕様書−−これがいわゆる「フローチャート」です。どのような言語を使用しても作りますよね。これを作らないでプログラムを作る人も居ますが,それは通 常個人使用程度のプログラムです。1万ステップ以上のシステム[通常はそうです。個人使用のプログラムでも最近はそのように大きいのではないかと思いますが。]ではフローチャートを作らないでプログラムをどんどん組んでゆくというのは危険なような気がします。その理由は一人で作る程度であれば何とか頭の中で整理はつくかもしれないけど,二人以上で全体のプログラムを作るとすると,やっぱりこのような仕様でプログラムを作りましょうねという,ドキュメントがなイと心配ですよね。隣の人が何をしている課全部分かるような環境ならいざ知らず。また,共同作業環境という「恵まれた作業環境」にある人ならいざ知らず。通 常の作業環境では必須です。また,このプログラムはモジュールという一つの機能を構成する小さな単位 ごとに作成するようにプログラム仕様書で決めます。その理由は,小さいモジュールであると,小さい単位 でプログラムが閉じているとプログラムがしやすいということ,また,そのプログラムの機能を試験をしやすいということ,などが挙げられます。
  5. 試験要領書(単体,総合,現地)−−案外忘れがちなのがこの試験要領書です。プログラムを作る人とこれの試験をする人が必ずしも同じではないし,万一同じであっても,プログラムが商用である限りにおいてはこの試験が必須です。試験を終了せずに出荷された商用プログラムがどのような運命をたどるか想像するだけでも恐ろしいです。全てのパッケージを回収して,無償で改訂版を送付する必要が生じ,さらにメーカ(会社)自体の信用度をがたんと落す羽目になります。ということで,試験は,モジュール毎の試験(単体試験),モジュールを組み合せた試験(組み合せ試験),それをシステム全体として総合的な試験(総合試験),さらに,これを客先に納入したとき,客先の環境においての試験(現地試験)にわかれます。これを全部やるのだから大変ですよね。これを一つ一つやるのがプログラマに課せられた重労働です。でも,システムエンジニアに課せられた過大な仕事と比べると格段に楽なのですが。
  6. 試験成績書(同上)−−これは上記の試験要領書にしたがって実施した結果 を記録します。実施した日時と試験実施担当者,さらにこれを確認する上級担当者に分かれます。万一試験結果 が不良な場合,これを隠すのが「リコール隠し」ではないけど,決してしてはいけないことです。これはプログラム製作部門に差し戻しをします。これの終了は全パス試験の合格率がXX%を上回ったときということが通 常は会社ごとに決められています。
  7. 開発品仕様書(開発事項があるとき)−−開発部門がこれを元に開発を行う。もちろん,工程と金が設定されています。これの開発自身も同じような手順を取って作成されます。

プロジェクトを管理する人

プロジェクト管理と一般的に呼ばれているのでここでは「プロジェクト管理」として説明しますが,要するにシステム全体が出来上がるのを管理する人のことです。管理する事項は下記の通 りです:

などです。沢山ありますね。これは正常な状態で運用されている正常なときの作業内容です。

万一,異常が発生した場合は,これに対応するための手段を全て執り行うのがこの人の責任です。だから,「プロジェクト管理者」の責任は重要ですし,これがきちんと機能していない場合は,プロジェクトは「惨めな運命」をたどります。もちろん,プロジェクトの責任者と同じ運命ですがね。

まず,製作物の製造過程の管理:

お客にソフト,ハードともきちんと期日通りに納入されるためには,手配段階できちんと手配されていること(SEの仕事)が重要ですが,きちんと手配されていてもきちんと製作され規定通 りに出荷されるかどうかは疑わしいのが現実です。だから,プロジェクト管理者はこれらを全て責任部門に確認してゆくため,定期的に工程会議を開催して,工程の進捗状況を管理します。これは極めて大切なことです。これが全てといってもいいでしょう。以下のことはこれの詳細バージョンです。

日程の管理(通常はソフト):

ソフトが決められた通り製作されているかを確認します。開発品を含みます。また,外注管理も含みますが別 項で記載しています。これは,駄目になって初めて「ああー,あかんわ!!」なんてことにならないことが大切です。ではどうすればいいのかな? プログラマや,外注全ての人を遠隔監視カメラで監視していくことが必要です。[なーんてことを書くと,馬鹿!!って言われるね。]

ですから,プログラムの製作単位ごとに,どのようなドキュメントが作られ,どのようなプログラムが作られるか,誰が担当して,工程はどのようになっているかをきちんとした工程表を作って[作ってもらって],いつも持っています。そして,この工程表を元に,上記の「工程会議」で各プロセスでの工程の詳細をチェックします。出来高をきちんと量 ってゆきます。重さででも,ページ数ででも,ファイルの大きさでも,画面 の数でも。何でも良いのですが,要するに量れる単位でプログラムの出来高を計るのです。そして,これが最初に計画されたとおりの工程で出来つつあるかをチェックします。

ソフトでもハードでも,どのような仕事でもそうですが,最初のスタート時点と最終の詰めの時点では進みが遅いのが通 常です。そして,エンジンがかかり始めると,スピードが速くなります。プログラムの種類に応じて,概略のスピードを知っている人がプロですね。また,これくらいの仕様書であれば,これくらいのプログラムが出来るとか,これくらいの時間と人手がかかるとか,なども知っている必要があります。これを知らないと,プログラマのプロ,外注のプロに騙されます。そして沢山のお金,時間を必要とされるなんて申請されたら,そのまま了承する以外ないですね。そうするとどうなるでしょうか。−−−−−>大変高価なシステムが出来上がります。

人工(人手)の管理(要するにお金の管理):

ここで書き忘れましたが,プロジェクト全体の工程とお金は前もって決められています。通 常はSEが見積りを提出する段階で決っているのですが,お客さんに値切られたり,競合する他社と競争するために,営業がやむを得ず「値下げ」したり,「工程を短縮」したりするのが通 常行われます。だから,プロのSEは通常何割かの「積上げ」「値切しろ」を持っています。そして,営業部門,顧客などと交渉し,きちんと説得して必要とする「お金」と「工程」を確保している必要があります。

プロジェクト管理者はこの与えられた工程とお金を元に,自分で「目標とする工程とお金」を設定して,これをステップ毎,モジュールごとに割振りします。そしてこの枠内で各モジュール,ステップの業務が完了して,製作物が出来上がることを目標として自分の業務を実行します。ここでも多少の値切しろを持っているのがポイントです。これを持っていないと,通 常各作業は遅延したり,予定以上のコストがかかりますので,これを吸収するためには必須です。でも,どれだけの値切しろ「マージン」を持っているかは各人の秘密ですから,....あまり「マージン」を持たなくてもきちんと仕事をするプロジェクト管理者は,SEにとっても,営業にとっても,お客にとっても「神様」見たいな存在ですね。.....あーしんど。[私はこのプロジェクト管理を長い間勤めてきました。そーして,頭の毛が真白,つるつるテンになってしまいました。...こんなもんですよ,仕事って言うのは。...SEもしんどいし,プログラマもしんどいけど,プロジェクト管理者もしんどいですよ。]

外注管理:

プログラムを社内で製作するにしろ,外注に依頼するにしろ,工程の管理は同じですが,多くの場合外注に出す場合は余計な苦労が付纏います。しかも,外注に依頼する場合が多いのですから,この苦労を「プロジェクト管理者」の必須の苦労でしょう。

鉄則は「厳しく」「やさしく」です。私は通常,外注の会社や人には,社内の人・部門に対応するより「下手に」「やさしく接する」ことをモットーとしてきました。これは私の性格ですから。「弱気をくじき,強気を助くる」のが世の習いのなかで,「強気をくじき,弱気を助くる」この小林の株がどんどん上がったのは当然でしょうね。<ウヒヒ...>

でも,これは当然なんですよ。だからといって,日程とお金はきちんと自分で設定して,この中できちんと仕事をしてもらうようにお願いするわけです。これが大変な仕事ですが,ルールは社内に対するのと同じ。相手の財布の中身が見えないだけ余計に面 倒くさいけれども,外注会社が何人の作業になっておろうと,減速として一人の人に対応売るだけで良いのですから,ポイントを抑えておけば,大変に楽な仕事です。

ポイントとは:

  • 工程を前もってきちんと策定してもらい,提出してもらう。これには実施する担当者名まで記述してもらうこと。
  • お金は外注会社が管理するのだから,我々は日程だけを管理すればいいのですが,どれだけの人数の人がどの期間作業をするかを上記の工程表に記入してもらうわけです。
  • また,どれだけの製品(出力)がどの時期に提出されるかをこの工程表とは別 の資料として「ドキュメントリスト」として提出してもらうわけです。きちんとドキュメント番号,ドキュメント名,ドキュメントのページ数なども記入してもらうわけです。[そんなこと出来ないよ....って?? そんなことはないですよ。これが記入できないような会社は外注会社として採用しないことです。これがポイント。]
  • そして,次の項目である,試験要領書も含めてどのような試験をするか,どのレベルまで,どのような環境で試験をするかをドキュメントの形で提出してもらいます。
  • そーすると後は簡単ですよね。原則的に,週1回の外注会社との工程会議を開催します。そして,上記の全ての項目に関して,前もって提出してもらったドキュメントに従って,すなわち,工程とお金と,作成されるものの品質を確保することが可能になります。
  • でも,ポイントは「厳しく」「やさしく」ですからね。それと,外注会社からの付届け,飲み会はお断りしましょう。そして,外注会社の人には,自前のお金で仲良く飲みましょう。彼らを守るのが自分であり,自分と親しく,そして,自分の要求することをきちんと実施することが「外注会社にとって最善の方法」であることをきちんと「申渡しましょう」。これが大切ですね。本当に。

試験の管理:

試験要領書を元に試験の実施状況を管理します。実際100%試験が完了すればいいのですが,そうは行かないのです。全パス試験などと言ってフローチャート上の全てのパスを通るようなデータ,操作を行って,プログラムが正常に動作するかを試験をするわけですが,膨大な時間,手間がかかります。その上,万一,数多く,バグ(虫)や不良箇所が見付かると,プログラムを製作する部門に差戻してこれを修正してもらうわけですが,直ちに修正してくれるわけではありません。1日とか2日とか,1週間とかかかります。そして,修正されたはずのプログラムを再度試験しても上手く動作するとは限らないのです。プログラムのバグは案外「単純なミス」よりも「仕様書に対する理解不足:常識の齟齬:環境の違い:新式の違い」など種々な要因が影響しているので,プログラマーの「単純なプログラムミス」ではすまないのです。そうすると,その仕様書の理解に関して仕様書を作成した人,その元のお客の担当者に確認をする必要があったりします。そうすると,たちまち,1週間や2週間は経ってしまいます。

だから,試験は出荷の段階で99%とか,95%なんとかで終了してしまう可能性もあります。[残念ですが,このようなプログラムが皆さまのお手元に届いていることも沢山あります。]

必要なことは,プログラムを作成する人と,この試験を実施して管理する人は通常箱となるということ,そうするとその内容を十分に理解するために膨大な時間,手間が必要であるということ,だから,ちょっと大きくなるようなプログラムになると,その試験紙要書を作成し,それを実施するだけで,プログラムを作成する時間の2倍〜3倍の時間がかかるわけです。

 

試験をする人

すでにシステムを設計し作成する人の「試験要領書」のところで説明しておりますが,プログラムを設計し作成する段階で,同時進行で「試験要領書」を作成します。当然,元になる「システム仕様書」や「ソフトウエア仕様書」は同じですが,「プログラム製作仕様書」などを中心として,プログラムを試験する要領を仕様書の形でまとめます。

単体試験,組み合せ試験,総合試験,出荷試験,現地試験などの段階を踏みますが,基本的にプログラムを作る単位で試験をし,それが完了した段階で,それを機能ごとに組みあわせて試験をし,最終的に製作の最終試験として総合試験を行います。この時,通常お客の現場(実際に使用される場所)の環境が完全に整わない可能性があります。そうすると,その環境は「シミュレーション」をして整えます。その意味でも,お客のところでの環境をきちんと仕様書という形で把握しておかないとこの試験が出来ないわけだし,当然,お客のところに持っていって,「さあどうぞ使って下さい」なんて言っても「お世辞」だけで「全く動かない」システムになってしまいます。

最近,ドコモの携帯がかなりの傷害を発生させています。その理由として,お客が使用する環境が異なること,負荷が異常に高いこと,操作が予定外であること,また,環境との整合性が取れていないことなどが挙げられるのではないでしょうか。本当に非常に沢山の要因が影響しており,これを現場でなく製作の場で完全に試験をすることは容易ではありません。全ての操作を「仕様書」の形でまとめることが非常に困難であることなどが影響しています。

だから,最近ではマンマシンインタフェースに関するような操作は,一種の「シミュレータ」に相当するパソコンのプログラムを使用して,プログラムを作成する必要がなくとも,近似の操作環境を簡単に作れるようになっているものがあります。その場合,実際のデータや,データベースが構築されているわけではありませんので,その当たりの試験は出来ませんが,少なくとも非常に仕様書にしにくい操作自体を「実際の画面」を使用して前もって作ることが出来ます。また,優れていることは,このようなソフトは「操作」をシミュレーションすると同時に,近似的なプログラムのコードを作成してくれます。だから,そのままプログラムをする必要がなくプログラムが出来てしまうわけです。もちろん,データベースとの接続部分やその他の機能との接続部分は当然プログラムを作る必要がありますが。


未完成の部分:今後追加されます。


個人的な意見:

SEの業務に関してこんなに詳しく書いてよいのかなとも思う。 でも,どんどんこのようなことを書いておいたほうが良いなと思うことが多いので,書留めてサイトにアップしようと考えている。多少はみんなにお役に立てているのかな。<嗤い>

ちょっとお休み

Let's have a break.

 


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