SEsite_top_title TEP_Logo TEP_animation_gif
menu_site menu_whatsnew menu_sejob menu_qa menu_textbook menu_comment menu_english menu_essay menu_lifestyle menu_link menu_registration menu_bbs
99年:1, 2, 3, 4; 00年: 5, 6, 7, 8, 9-1, 9-2, 10, 11, 12, 13, 14, 15; 01年: 16, 17; 02年 18, 19; 03年:20

    visitors since November 12, 2001.

目を大切にしましょう

日本における一般消費者向けインターネットビジネスの展望(4章,5章)

前の掲載:
マネージャ向け要約
I. 序論
II. 日米のインターネット市場の比較

III. 日本の一般消費者のインターネット利用の状況

このページ:
IV. 問題点と課題・展望
V. 結論

これで終わりです。

2000/11/27
小林 健三




IV. 問題点と課題・展望

 

1. 問題点・課題

現在認識されている最大の問題点は,地域回線接続料,すなわち電話代が米国に比べて,高額であり,しかも接続時間に比例することである。そのため,高額な支払いが必要と同時に,さらに積極的に利用しようとするパワーユーザの意欲をそいでいることである。テレホーダイという疑似定額料金制を利用した場合,多少安くなるが,あくまでも夜間利用での便宜である上,この時間帯はISPへのアクセスが混雑しているので応答が遅く,経済的な強者である社会人(勤労者)には利用できる時間帯ではない。

第2に,米国において,eコマースの展開・発展と,あらゆる社会的な活動に取り込んで行こうとするインターネットビジネス会社の活動を観察しても,日本におけるインターネットビジネスがどれほど成功するであろうかに関して疑念を抱かざるを得ない。なぜならば,米国における数年の実績を誇る最大のeコマースのサイトである「アマゾンドットコム」が,本年4月赤字決算を発表した。既に2,000万名の登録利用者を獲得しており,昨年に比べて売上げが倍増したとはいえ,1995年の創業以来ずっと赤字決算である。これは,eコマースがかなり厳しいビジネスであることの証左である。

日本において,インターネット普及率が米国に比べて約1/2,ユーザ当たりの接続時間が約80%であるとはいえ,ISPに対する需要(総接続時間)が米国の1/5弱である日本において,利用者がeコマースを利用するだけの必然性と,金銭的な余裕があるか疑問があるし,eコマースのビジネス(会社)にとりどれだけの大きい規模の市場を提供するものかの点で疑問がある。しかし,楽天の株式公開を始めいくつかのビジネスの萌芽が見られるのが現状で,ビジネスチャンスは多く存在する。これらのリスクを認識したうえで展開することにより,創業者利潤を享受できるのではないか。

日本における一般利用者を対象としたインターネット利用の現状と問題点,さらにこれを解決するためのアドバイスを「展望」でまとめる。

2. 展望

今までの日米比較および日本でのインターネットの利用状況,さらにはサービスプロバイダーの状況を見ると,次のようなビジネスが将来展望として観察できる。すなわち,毎年1,000万人を超える利用者が増加すると推定されるインターネットビジネスにおいて,その半分を占めるであろうインターネットの初心者に対するサービスと,反対にインターネット利用経験の豊富で積極的に利用したいプログラムのユーザに対するサービスに分割されよう。その各々に対するサービスを考えるのが良い。

  • 初心者に対するサービス:
    1. ポータルサイトと初心者に対するガイダンス
    2. 無料メールサービス,無料ISPサービス
    3. 充実したコミュニティやコンテンツ,メッセージ交換などの魅力的なサービス 初心者に対するサービス
  • パワーユーザ,本格ユーザに対するサービス:
    1. 一般消費者向けの電子商取引のサイト:どのように利用するかを注目するべきである。
    2. 一般消費者向けの電子商取引のサイト:企業がどのように構築し,利潤をあげるかに注目するべきである。
    3. ソフト,音楽,ビデオなどの配信:どのようなビジネスモデルが利潤に直結するか。
    4. CATV経由のデジタル配信(ビデオ,オーディオ,カラオケ,電子書籍など):将来に向かってのビジネスとして戦略的に準備を始める必要がある。
 

V. 結論

米国に比べて,利用者数や総接続時間数などの大きい差が見いだされたが,ISPにとって今の日本は大きいビジネスチャンスを提供していると考える。普及率もユーザ数も急速に伸びており,彼らはいかにしてそのインフラを利用しようかと手をこまねいているのが現状である。しかし,地域回線利用料(電話代)が高額であるため,じっくりとサイトを訪問してその内容を理解して利用しようとすると,現在のユーザの平均接続時間では時間が不足であり,サービス内容を十分に利用できない。[既に述べているが,NTT地域会社が定額のIP接続サービスの提供を開始しているが,地域限定であり,しかも,価格的にもそれほど劇的に安いわけではないし,速度も64Kbpsである。パワーユーザはもう暫く待って,より高速で安価なCATVサービス,あるいはADSLサービスを指向するのが順当である。]

しかし,IPS業者が充実したサービスを提供することにより,利用者はこれらのサービスを競って利用するようになることは目に見えている。彼らは横並び意識が強力であり,他人と同じレベルになりたいと希望すると同時に,ちょっとでも他人に差を付けたいという意識が強い。であるから,これらの日本人の基本的な欲求を満たすようなサービスを提供することが,この世界での勝者になるには必須のことである。

後は各業者が,アマゾンドットコムのような米国の先進的な業者に習い,リスクを認識して然るべき投資を進めてゆくことが必要であろう。

 

    

 

目を大切にしましょう

ちょっとお休み

Let's have a break.

本サイトの内容全ての著作権は,作者(小林健三)に所属します。無断の使用はお断りします。
更新情報は, What's new? を御参照下さい。


このサイトのへ 他の記事を見るために元に   ホームページに

あなたは 番目の訪問者です。